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いつも何度でも

木村弓 「いつも何度でも」

【毎日noteに再チャレンジ!思い出に残る・印象に残る曲について、1日1曲ピックアップします。⑦】

はじめて映画館で観た映画だったと思います。

千尋の両親が豚にされてしまうところで、得体のしれない怖さに心が押しつぶされ、あえなく劇場から退場してしまった私。

結局、ハクが本来の自分が何者であったかを思い出し、龍の姿から解き放たれるシーンになってから劇場に再入場したため、ストーリーの大半は追えずに初鑑賞を終えてしまいました。

抜け落ちたストーリーの部分は、後に小学生になって学校の図書館で絵本を借りて読むことで補いましたが、母がサウンドトラックCDを買っていたため、曲についての知識は先についていました。

いつも何度でも いのちの名前

この2曲が入ったCDをたびたび聞いていて、きれいな曲だな、と思っていました。

今日は晴れたのでお散歩に行ったのですが、15年ほど前に住んでいたアパートの前まで地図を使わずに行ってみました。当時、車を持っていなかった母の自転車の後ろや前に乗っていたかすかな記憶を頼りに歩いていくと、当時の家に着く前に、よく遊んでいた公園の前に出ました。「ひみつきち」と称した茂みで遊んだり、大きな池にいるカモにパンの耳をやったりしていた記憶がうっすらとよみがえります。

しかし、あのころから少し整備が進んだのでしょうか、「ひみつきち」にしていた茂みを確認することはできませんでした。

公園を出てしばらく歩くと、あっけないほど急に、当時住んでいたアパートの前に出ました。建物の前の道路はこんなに狭かったっけ、と疑ってしまいましたが、目の前にそびえる小学校がこの場所であっているということを示しています。あの頃はすごく広大に感じた小学校の校庭も、さして言うほどの広さではありませんし、怖くて苦手だった、奇妙な顔がかたどってある遊具も、今見れば不気味というより滑稽な感じです。

あの頃の生活圏を歩いているだけなのに、変な気持ちです。確かに私はそこで生活していたはずなのに、今やそこは別世界のような。

しばらく歩いて今の家の近所に差し掛かると、時空がふっと元に戻ったような気がしました。

閉じていく思い出の そのなかにいつも  
忘れたくない ささやきを知る

あのアパートで過ごしたのはほんの4年くらいで、今の実家がある家に住んでいた期間の方がずっと長い。でも、そこでの出会いで生まれた縁も、思い出も、私にとっては大切なもの。きっとあの公園にも、たくさんの思い出がある。

いつか忘れちゃうんだろうけど、忘れたくないよなぁ。

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その公園でよく遊んでいて、今も母親同士で交友がある友達も、近所のアパートに住んでいました。今は一軒家を建てて住んでいるのでそのアパートにはいませんが、友達の元・アパート付近にも足を延ばしてみました。

私たちは友達のアパートの駐車場にあった梅の木に登るのが大好きで、遊びに行くと、大半はその梅の木のそばにいました。おやつをもって登って木の上で食べたり、調子に乗ってはしゃいで木から落っこちたり、今でも鮮明な思い出が残る木です。でも、大きかったはずの梅の木は、病気にでもかかったのかだいぶ刈り込まれ、当時の姿とはかけ離れたものになっていました。

ちくり、と胸が痛むので足早に帰路につきました。