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水曜日の興奮

今週の月曜日の深夜に、こんなnoteを書いた。

そして水曜日、宇多田ヒカルさんのライブに行ってきた。

すっぴんで撮った顔写真で認証されるかは、杞憂に終わった。
入場ゲートでQRコードをかざしてカメラを見て通過する時間は、チケットのもぎりより断然早かった。

会場では、一眼レフカメラやデジタルカメラでの撮影はNGだったが、カメラ付き携帯電話での撮影はOKだった。
ライブ中も動画や写真を撮っているスマホの画面がたくさん見えた。

わたしは、いまこの瞬間を生で感じたかったので、ライブ中は撮影しなかった。

ステージに登場した彼女は、筋肉質な身体つきと、それを包むシンプルなデザインの衣裳が相まって、美しいフォルムをつくっていた。

目の前に、あの宇多田ヒカルがいた。

自分がCDで聴き込んで惚れ込んでいた曲を、生身の彼女がまさにいま、目の前で躍動しながら表現してくれていることに、興奮した。

でも、想像していたのと違うことがあった。

わたしは、ビッグアーティストである彼女の表現と才能に圧倒されて、きっと少し落ち込むだろうと想像していた。

でも、彼女がつくるステージは想像していたよりずっと、人間くさくて、温かかった 。

MCで話してくれた、今朝個人的に悲しいことがあり、リハーサル中も泣いてしまい、ライブが無事に出来るか不安だったこと。
代表曲の歌詞が途中でとんで歌えなくなってしまい、アンコールでその曲をもう一度演奏し、これで今夜安心して寝れるといっていたこと。
紆余曲折あって、もうすぐ20年を迎える音楽人生を思ってか時折、感極まった表情を見せていたこと。

彼女は「今日のお客さんはあったかい」と言ってくれた。
「あったかいから、大丈夫」と。

会場が広くなくみんなが近い感覚があって、たしかに温かい雰囲気に包まれていた。
わたしはこのライブで、彼女からもらうことばかりだ思っていたけれど、客の一人であるわたしも、彼女に何か渡せたのかもしれない。

MCでは恥ずかしそうに話す彼女も、曲がはじまるとやはり、圧倒的な表現者であるのは間違いなく、それは本当に見せつけられた。
想像以上の、凄味があった。

そして、やっぱり。
わたしもまた歌いたいな、と思った。

おばさんだけど。
楽器弾けないけど。
特別にうまいわけではなく
誰に求められているわけではないけれど。

ライブのあの時間を、また味わえるように。

ヒッキー、ありがとう。

気に入ってもらえたら、感想をいただけるとうれしいです♪