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完全母乳育児にしたいなら、産院選びも大切なんだね【2】

(「完全母乳育児にしたいなら、産院選びも大切なんだね【1】」の続きです)
産まれた息子は食い気よりも眠気の強い赤ちゃん。産後は眠り続けていて、口を開けさせることも難しい息子に3時間ごとの時間授乳はかなりのハードモードだった。仕方なく母乳よりも哺乳瓶でミルクを飲ませることを優先することに…。

毎日増え続けるミルクの「規定量」がノルマでしかない

3週間早く姪っ子を産んだ妹は、退院初日、自分のおっぱいを片乳5分ずつ咥えさせたあと、ミルクを20ml足していた。今思えば、「え、20mlって少なくない!?」と思う。なぜなら、息子が退院日の朝に「母乳のあとに、最低これだけは飲ませてね」と指示されたミルクの規定量は姪っ子の3倍に当たる60mlだったから。

赤ちゃんは産まれたあと身体から出ていく水分量が多いので、生理的体重減少で自然と体重が10%ほど減少する。その分を入院中に取り戻せたらいい、と考える病院もあれば、出生体重以上に増やせなければ退院させないという病院もある。私が選んだ病院は後者だった。

時間授乳であることに加えて、最初は10mlだったミルク量が、翌日の夜には30mlは飲ませなければならないことになっていた。食い気より眠気の息子は産まれて3日じゃ口すら開けない。おっぱいを咥えさせるのなんてそこそこに、哺乳瓶を口に捻じ込んでミルクを流し込むしかない。
時間授乳なので、1時間以内にミルクを飲ませ切らなければ、次の授乳時間まで2時間しかない。2時間では赤ちゃんもお腹が空かないので、次の授乳の飲みが悪くなり、また時間がかかる。それによってその次の授乳も…と、とにかく負のループでしかない。満腹にミルクを流し込まれる赤ちゃんも苦しければ、産後の体を休めて眠る時間がないママも辛い。
哺乳瓶は吸わなくても傾ければ中身が出るので、赤ちゃんが半分眠っていてもミルクを飲ませることはできる。息子の口の端から飲みきれないミルクが溢れてくるのを見て、「こんな流し込むみたいな飲ませ方で、赤ちゃんって育てるものだっけ…」と入院後半は辛くて仕方なかった。
赤ちゃんを大きくするためには仕方がないと分かっていても、この時感じた違和感を思い返すと今でも心がキュッとなる。もちろん産まれた時からお腹が空いて泣き続ける赤ちゃんもいるので、体重をしっかり増やして退院させるのは悪いことじゃないけれど、おっぱいを一生懸命咥えるあかちゃんを優しく抱きながら授乳する。そういうものだと思っていたのに。
食い気より眠気だった息子と病院の方針の相性も合わなかったなあと思う。

手絞りで増えた母乳分泌。時間がなくて回収できず、やがて…

入院3日目。産まれたばかりの息子が吸わない分、手で搾乳した母乳を授乳室に保管しておき、次の授乳時間に哺乳瓶で飲ませようと考えた。
まず乳頭マッサージを5分。搾乳に10分。息子を起こしながら前回絞った母乳を飲ませるのに15分。次にミルク30ml…と思っていたらまた寝てしまうので起こすのに5分。残り25分で何とかミルクを流し込んだらあっという間に1時間。授乳室ではいつも最後まで居残り選手だった。
手絞りでも搾乳した分だけ母乳はどんどん作られ、胸はパンパンに張ってくる。が、搾乳と母乳を飲ませることに時間をかけすぎると、ミルクを飲ませきることができない。そう、ミルクは「飲ませ切らなければ」と思っていたのだ。
今思えば「私は母乳で育てたいんだから病院が決めたミルクの規定量なんて知らん!」と突き通して母乳に時間をかければよかったと思う。でも初めての育児で、ミルクを飲ませなかったことで大きくできなかったらどうしようと不安だった私は「そのうち母乳も飲むようになるよね」と、自分の乳首を咥えさせたり、張ってくる胸の搾乳はそこそこに、毎回ミルクの規定量をしっかり飲ませることにばかり気を取られていた。
結果、パンパンに張っていた胸も退院する頃には「あれ?もう母乳作らなくていいの?」と勘違いして張らなくなってしまったのだ。

次回「実は母乳よりミルク推しの病院だった」


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