無宗教
私は家族に、キリスト教徒、イスラム教徒、ヒンドゥー教徒、仏教徒がいます。出身国も様々です。
日本人は自分の事を無宗教と名乗ります。
ですが、外の人々からすると、日本人は中の上くらいの濃い仏教徒に見えるそうです。
そもそも宗教が何故誕生したのか、とても簡略化して言うと、国境がはっきりしていない時代に国の前身として誕生しました。
人々に共通の倫理観と帰属意識を与える役割です。
簡単に言うと、人種もちがう目の前の人間が敵か味方かわからない。でも十字架をつけている。ならば少し安心だ。
くらいが、宗教の原始的な役割と言えます。
所属すること自体に意味があります。
争いが少なく多様性に富む昨今、教えや救いは多くの人は求めておらず、その側面はどの宗教も半ば廃れています。
実際、私の母は中東系の人種でイスラム教徒を名乗っていますが、スマホを持ち、パソコンを触り、神は非科学的だと思っています。多くの一般的なイスラム教徒もたいがい、この感覚だそうです。ただ所属しているという意味で自分の宗教を名乗るのです。
では何故日本人に宗教の自覚がないのでしょうか?
これは諸説ありますが、ここでは主に論旨の都合上、単一民族の島国だからとします。
人種や出身が違う人間と争う時、外国かどうか、だけの判断で良かったのです。
なので日本人が言う、外国人!日本人!って言う感覚が、海外でいう宗教に最も近いのではないでしょうか。
例えば、あなたの家の隣に老婆が住んでいたとしましょう。
毎日パイプオルガンをひいたり、十字架をかかげ賛美歌を歌う老婆と、
毎日仏壇にお線香をあげて、たまにお墓を掃除しにいく老婆と、
どちらがホッとするでしょうか?
たぶん日本では、かなりの割合で後者です。
日本に、宗教はちゃんと根付いています。
世界の人々の感覚で言うと、結構、濃い仏教徒なのですが、日本人からすると宗教ではなく、国内海外で簡単に分けれてしまうので、自覚がないのではないでしょうか。