平成で一番寒い冬

「明日は平成で一番の寒さらしいよ」
ネットで聞き齧った情報を何気なく旦那に投げたら、
「はっ!? 何言ってんの!?」
とおかしな発言をしたかのように返された。
「平成で一番」という言葉のインパクトがすごい。
『平成で一番寒い朝』
このタイトルでちょっとした短編小説が書けそうだ。誰かお使いになりませんかね。

平成で一番、という表現も、平成がめでたく30年まで続いたからこそできるわけで(平成十何年、くらいで使ってもしょうがないよね)、メディアの皆様は大病患ってまで来年四月末まで職務を全うする今上天皇に感謝した方が良さそうである。

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今月請求の電気代が二万円弱で目を剥いた。

おいおい共働きだぜ。二人暮らしだぜ。昼間なんて誰も家にいないんだぜ……としばらく誰にともなくHAHAHAとから笑いをした後、全力で落ち込んだ。
笑い事ではない。

我が家は寒い。
なぜなら木造だから。
誤解なきよう言っておくと、我が家はアラサー夫婦が住むにはもったいない賃貸物件で、のっぴきならない事情でそこにいるものの、その事情がなければ確実にそんな値段でそんな場所には住んでいない、そういうレベルのテラスハウスである。
建ててから受け入れたのは我が家が二家族目という築浅っぷり。

だが如何せん木造である。

建物には、気密性とかいうものがあるんですってね。木造建築物が寒いのは、そのキミツセイがなんちゃらかんちゃら、とにかく関係しているらしい。

必然的に、エアコンの設定温度が上がっていく。
先日など、ふと見てみたら、リモコンに「パワフル」という表示が出ていた。どうやら旦那は寒さのあまり、妻の知らないモード設定を探し出したらしい。

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うちの旦那は結婚してから寒さに弱くなったような気がする。昔は一人暮らしの家のエアコンをまったく使用せず、
「うちのエアコンは、お前が来たときしかつけない。つくづく金のかかる女だ」
などとのたもうた。
ところが今はどうだろう。帰ってきてつけるエアコンの温度は25℃だ。

夏なの?

なんか暑いなと設定温度を眺めて度肝を抜かれる、そういう日が結構あった。
「エアコンの設定温度を一度変えると電気代が○○円違います」
というエコ推進の常套句を思い出しながらひぃと叫んで温度を下げる。
「だって、早く暖かくなった方が短い時間で快適になれるじゃないか」
とドヤるこいつは、昨年の冬、一万円を超えた電気代を見て「ありえん! お前の使っているホットカーペットが原因では」と濡れ衣を着せてきた(原因は電子レンジのオーブン機能を酷使しすぎたせいだった)。

【今月の電気代、二万弱でしたよ。】

すすいっとLINEをしたら、

【寒いから仕方ない】

……。

まぁ、仕方ないね。
きっと今年は、記念すべき平成で一番電気代のかかる冬なんだろう。

サポートをご検討いただきありがとうございます! 主に息子のミルク代になります……笑。