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ティーチングは人をダメにする

自分で掴んだ答えは一生忘れない。

福田達也(アオアシ)

ちょくちょく出てくるアオアシ回です。
この作品内で、監督である福田達也はティーチングとコーチングを意識して指導をしている様子が描かれています。

自分自身これに強く共感したためにこのテーマで記事を書こうと思いました。

自分はダメになった側の人間だから。
そうなる人を減らすためにも。


ティーチングとコーチング

冒頭でも述べましたが、ティーチングとコーチングの線引きをここでしておきます。

  • ティーチング:
    先生や上司といった立場の人間が、生徒や部下といった立場の人間に対して答えやタスクを直接教えたり命令したりすること。
    先生→生徒の一方通行コミュニケーション。

  • コーチング:
    生徒や部下の内にある潜在的な意識や認識を、先生や上司といった立場の人間が対話を用いて引き出すこと。
    先生↔生徒の双方向コミュニケーション。

おぼろげなアオアシの記憶と、このサイトを参考に書きました。
明確な定義という定義は見つけられませんでしたが、上に書いたものから大きく外れることは無いと思います。

NTT HumanEXのサイトにもありますが、どちらも言葉として残っているということはつまり万能ではないということです。
そもそも足し算の概念が無い子どもの中から掛け算の概念を引き出すなんてのは不可能ですし、子どものやりたいことをティーチングするなんてのはおかしな話です。

そう、おかしな話。

家庭における使い分け

上のサイトは人材開発の会社のようですが、ティーチングとコーチングというのは別にビジネスの場に限った話ではありません。

アオアシはサッカーのJユース(高校生)の話でビジネスが題材の漫画ではありません。
立場に差がある人間が教育を行う場において必ず発生する議論でしょう。

つまり、家庭における教育も例外ではありません。
ティーチングを意識すべきなのか、コーチングを意識すべきなのかは常に意識しなくてはいけない部分だと僕は考えます。

お手伝いの内容はティーチングして、お手伝いを自発的に促すべくコーチングしてみるとか。
アオアシでは試合中はもちろんティーチングですが、大事な試合が直近に無いとか新しいことを試しているときにはコーチングしている描写があります。

これを意識できないと子どもは親の傀儡と化します。

もちろん明確にティーチングとコーチングについて知っておけ、という話ではありません。
全部を手取り足取り教えていると、子どもは自分で何も考えなくなるということです。

状況判断を子どもがするタイミングがなくなってしまうからです。
「このときはこれをする」「次はこれをしようかな」といった判断をすべて親が指示してしまうので、次第に思考しなくなります。

旗から見たらいい子にしている様子でも、実際には親から言われたことを遂行しているだけって感じで。
これは自分がそうだったので。

自分の場合は親に意見しても全く聞いてもらえず、自分なりに論理を作って話しても「誰に向かって口きいているんだ」という禁止カードで論理をへし折られることの連続でした。
つまり僕からコーチングのきっかけ作りをしていた訳ですが、コーチングの場に持っていくことが叶わなかったということです。

そして僕はどうなったかというと、やりたいことがない、ただ時間とエネルギーを消費するだけのヤツになりました。

コーチングできればどっちもできる

ティーチングというのは(ほんとは双方向ですべきですが)一方通行で成立する指導方法です。
小学校や中学校での授業を思い出してもらえれば理解していただけるかと思います。

つまり、相手との対話が無くても完了まで持っていくことができてしまいます。
教える側が最低限の言語能力を持っていれば誰でもできる指導です。

それに対してコーチングは、相手が潜在的に持っている答えを引き出すことがゴールなので、指導者側の都合で完了することはできません。
相手の語彙のフィールドで対話をして、相手の口からその答えを引き出して初めて完了する。
一般的にはコーチングのほうが難易度が高いでしょう。

コーチングの意識があるならば、ティーチングもできるはず。
というのも、コーチングする場面が分かるなら相手が持っていない情報も分かっているはずだからです。
対話していても絶対に答えにたどり着けないとか思考の必要が無い場ではティーチングをすべきだし、反対に一般的な正解がない進路や人生設計といったものは絶対にコーチングで探るべきです。

間違っても「お前はこうなれ」とか人生設計でのティーチングは絶対にすべきではないです。
好き嫌いとかの話でも。


そもそも家庭だったら自分が教えようと思っていた答えが間違っている可能性だってありますから。
一方的なティーチングに偏ることの無いように、世界中の親御さんが対話を心掛けることを願ってやみません。

自分に自分の無い人間は俺で終わりにしてくれ。

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