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本屋さんが欲しい

本屋さんが家の近くにない。

「うちの近くに本屋さんできないかな〜」
とポロっとこぼしたら
「本を買う人が減ってるからじゃない?」
と言われた。

たしかにamazonもあるし、電子書籍もあるので、欲しいなと思った時にはネットで注文してしまう。私だってそうだ。

でも、本屋さんに行ったからこその出会いがあるじゃないか。

本屋の何が好きって、ただ歩いているだけで本が語りかけてくるところである。彼らは興味の外側から突然やってくる。「数学の本」から「世界一周の本」まで。なんとなく手にとって、こんな面白い世界があるのか?!とワクワクしたりする。ただ突然冷静になって、いやいや。この本を買っている場合じゃない...と立ち去ろうとした時のもう出会えない感じがして、なんとなく寂しくなって結局買ってしまうあの感じ。

その体験が好きなのである。

たまに行ければいいじゃないか、そういう意見もわかる。

しかし、本屋と自分には親密度が溜まっていっている気がするのだ。初めていったお店は、若干距離がある。興味の外から進めようとしてこないのだ。この人はどんなものが好きなのかな?と様子を伺っているのかもしれない。

この親密度をあげるために通い詰める必要がある。ちょっと仲良くなってきたら、これも好きなんじゃない?とオススメを渡してきてくれるし、完全に親密な関係になったら、悩んでいる時に歩いているだけで答えとなる本を差し出してくれる。本屋とはそういう存在だ。

※ここでいう"本屋"とは店員さんのことではない。"本屋そのもの"である。

だから私は本屋さんが欲しいなと思っているのだ。

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