「タッパル」を食べながら思う。

※こちらの記事は、筆者がひとり、飲んで食べて、思ったことをただただ書く記事です。グルメ記事でも批評記事でもありません。あしからず。

春だからなのか、やたら眠い。よく寝る。年も年なので、寝たからって育たない。ただただ人生の残り時間を無駄に消費しているだけだ。
明日からは大学院が始まる。授業と課題に追われる日々。授業の合間に仕事なのか、仕事の合間に授業なのか。とにかく、学生と社会人の二足の草鞋となる。寝ている場合ではない。寝る時間を惜しんで生きることになる。だから今のうちに寝る。

山芋のキムチ

昔はよく本を読んでいた。本を読まないと寝れなかった。寝る前にベッドの上で2時間ほど読書をするのが習慣だった。
それが今やどうだろう。見開き1ページで眠くなる。すぐ寝落ちする。一向に話が進まない。次読み始めるときは、それまでの話を忘れている。何も頭に入らない。これは一体、何の所業なのだ。
それでも本を買うのは好きだし、本屋に行くのは好きだ。いわゆる「積読」がどんどん増える状態なのだが、もはやそれでもいい。
夜食後、お茶でも入れつつ、薄暗い部屋でオシャレな照明の下で読書をする。そんな日常に憧れる。

蔦屋書店に行った。
ここ10年以上、新書ばかり買っている。「せっかく本を読むのだし、学びになるものを…」と。自宅の本棚には、奈良本、仏像本、歴史本ばかりが並ぶ。
もしかしたらそれが読書離れに繋がっているかもしれないと、今更ながらに気づく。
いかんせん新書は難しい。専門用語が並ぶし、起伏があるわけでもない。筆者が、研究の成果と考察を思う存分ぶつけている。ぶつけられたこっちは、かなり早い段階でKOする。
読みやすい小説でリハビリするのだ。そう思い、奈良時代を舞台にした歴史小説を買った。奈良の呪縛はまだ解けない。

鶏足の辛炒め

タッパルとやらが来た。
タレに絡まった鶏の足が出てきた。ガッツリ足だな、これ。
豚足の鶏版。豚さんはまるまる太った足をされているが、鶏さんはほら、例のアレである。筆で描いたら棒3本のアレである。
ビニール手袋もついてくる。手袋をはめて食べ始める。食べるというよりも、むしろしゃぶる状態。口の周りを甘辛ダレでベチョベチョにしつつ、肉というか皮に食らいつく。グラスに手をかける余裕もない。
カウンターの角で、口元を真っ赤にしながらひたすら鶏足をしゃぶる私。
待て待て、これはもはや鬼婆だろう。鬼婆以外の何物でもない。
L字カウンターの向こうに座り、美人店長と楽しく韓国トークをする若い女性客。一人、もくもくと鶏足と戦う私。対象的な二人。
ほら、辛さで涙も鼻水も出てきた。地獄絵図である。

春巻海苔巻天ぷら

お店からの帰り、コンビニで荷物を受け取る。中身は専門書数冊。
本を読むと寝る、新書は難しい。そんな私に専門書。
明日から始まる大学院の教科書である。眠いとか言っていられない。この本とともに成長するのだ。
2年後、私はどうなっているのか。上着無しだと少し肌寒いが、そんな気温もどこか心地いい、そんな夜に、段ボールを抱えて家路についた。


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