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「酒と肴なかむら」で思う。

※こちらの記事は、筆者がひとり、飲んで食べて、思ったことをただただ書く記事です。グルメ記事でも批評記事でもありません。あしからず。

オーシャンラッキーゴールドハイボールを頼む。名前からしてバブリーな感じだ。行ったことないが、勝手にL.A.とかラスベガス的な感じを思い浮かべる。

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さて、何を考えようと思ったら、温玉ポテサラウニクリームかけが到着。

今日は職場まで歩きで行ったのだが、町中に若者が多いな、と思った。奈良の街は基本的に中高年の街である。若いといっても40代。近くに小学校や中学校があるのは知っているのだが、日中で歩かないこともあり、「地元の学生」に出会ったことも殆どない。平日はさておき、休日はどこにいるのだ、地元の学生たちよ。イオンか。
そんな中での「町中の若者」である。しかも5~6人とか、それ以上でいるのを最近良く見かける。しかもなんだかオシャレさん。東京でいったら、下北とか裏原とかにいそう。それがなぜ、奈良に?!

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はい、淡路どりのせせりクミン焼き到着。

オシャレさんたちが奈良に来てくれる。なぜ?なにきっかけ?後をつけてどこに行くか知りたい。

短大の講師をしている。というと随分語弊があるが、年に数回だけ授業をしに行っている。奈良のことを話す。生徒はほとんど寝ている。

自分が奈良に興味を持ったのが20代前半のとき。大学時代にみうらじゅん氏の存在を知ったことがきっかけで「見仏記」を読み、そこから奈良にハマる。飽きやすい私が15年以上?たった今でも奈良に夢中で、なんなら移住までしている。
若者だから奈良の良さがわからない、そんなことはない。ただ、若いうちから奈良の良さに気づく人が少ないのは事実である。

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大カニカマ天ぷらと、とうもろこしの香ばし揚げ到着。

そもそも、みうらじゅん氏を知っている人が意外と少ない。氏も還暦を迎えたし、数々の流行語も生み出してるし、もうぼちぼちメジャーになってもいい気がするが、やはり彼は死ぬまでサブカルの人なのか。
人生で、みうらじゅん氏に出会うかどうかで見ている世界が全然変わる。世界はこんなにも面白いのかと思う。くだらないと思っていたものが輝き出す。

奈良がくだらないわけではないが、完全に眼中になかったのは事実。歴史の授業でも飛鳥・奈良とか、一番パッとしないと思っていた。天皇家の相関図複雑すぎるし、大陸文化残る感じがどうも馴染めなかった。それなのに、である。

30歳のときに行った同窓会で、学生時代好きだった人に「最近、Facebookで奈良とか仏像とか言ってて、なんか地味だよね」と言われた。カチンときた。もうすでに奈良にハマっていた私は、奈良ほどきらびやかで豊かな場所はないと思っていた。奈良の良さを全国民が知っている必要はない。知らない人がいるのもわかる。ただ、自分が特に知らないにも関わらず、相手が好きなものに対して「地味」と言い放ってしまう感じに呆れた。まずは奈良を知ってから言え。

とはいえ、多くの日本人にとって、奈良を知る機会は歴史の教科書の一瞬と、その後行くことになる修学旅行の一瞬。
残念ながら奈良には瞬発力がない。瞬時に「此処いい!」と思わせる力がない。じわじわじっくり堪能して、ようやくその味に気がつく。そこに辿り着ける人は僅かだが、辿り着いた先には他の追随を許さない圧倒的な旨味が待っている。一度それを味わってしまっては他では物足りなくなる、ある意味恐ろしいところである。

酒と肴なかむら
住所:奈良県奈良市南市町16-2
休:不定休
営業時間:【ディナー】月~土曜日17:00~22:00(L.O 21:30)
           日曜日・祝日14:00~20:00(L.O 19:30)
     【ランチ】月・水・木・土・日
          11:30〜14:00(ラストオーダー13:30)
HP:https://saketosakana-nakamura.com/

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