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芳醇な「カスク」が香るワインとは?

ワインの特徴を表すワードで、「木樽」「バリック」「樽感がある」といった言葉に遭遇すること、ありませんか?

この「木樽」「バリック」は、ウイスキーがお好きな方には非常になじみ深い、「カスク」と呼ばれるものと同じです。


ワインの味わいを知るなかで、この木樽の熟成の味わいを覚えることはとっても重要になります。

特に白ブドウ品種の「シャルドネ」がお好きな方には、ぜひぜひ覚えておいていただきたいキーワード。


今回の記事のテーマは、この「木樽」と「樽熟」について、お話しいたします♪

1.「木樽」とは?

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この「木樽」(きだる)は、そもそも最初からワインを熟成させるためだけに使われていたわけではなく、保管運搬するための便利な容器として使われていました。

いつかのタイミングで不意に、そのワインがたっぷりと入った木樽をしばらく置きっぱなしにしてしまう事故が起きました。

しかしその結果、中のワインの味がとても複雑で深みのあるものになる、ということが奇跡的に発見されます。


この味の変化の大きな理由に、木樽の材料の木材である「オーク」がとても関係しています。


このオーク材には「タンニン」という成分が含まれており、熟成の間にこのタンニン特有の力強く絶妙な風味は、木樽に浸かったワインへゆっくりゆっくり移っていきます。

充分に熟成を経たワインからは、非常に香ばしく複雑で優雅な香りをまとったワインに仕上がります。



2.いわゆる「樽系」と云われるワインの、味わい&特徴

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木樽でしっかり熟成したワインはみな、濃い黄金色をしています。
クリアータイプのアップルジュースの色が一番近い色かもしれません。


樽熟したワインの特徴的な香り例をここにいくつかあげてみますと、


・バニラ

・蜂蜜

・バター

・焼き立てのパン

・木屑

・ココナッツ

・アーモンドetc


どの香りがしたのかは人それぞれですが、もしこのいずれかの香りを感じたとしたら、そのワインは樽熟を施している可能性がとても高いです。


特にバニラの香りがすると答えた方は、経験上多かったように思います。


味わい自体は非常に濃密で、コクがあります。


3.木樽の生産地2トップ

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熟成に使ったその木樽の生産地によっても、特徴が少し違ってきます。


たとえば有名な生産地の2トップに、フランスアメリカがあります。


アメリカ産の木樽(アメリカンオーク)で熟成させたワインは、先ほど挙げた木樽の特徴というものをとても強くまたエグいほどに感じます。


一方で、フランス産の木樽(フレンチオーク)はとても繊細で柔らかく、上品に木樽の特徴と香りが醸し出されているといった感じ。


ただ、フランス産の木樽一つあたりの値段は、アメリカ産のものに比べて割高であるというのが実情です。


4.造り手は木樽をどう使うか

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安価なアメリカンオークは使い方によって非常にコスト面が良く、そして絶妙な樽感をワインに与えることができます。


一方、フランス産の樽で熟成させたワインは確かに素晴らしい風味をワインに加えることができますが、やはりそれなりの量とコストを考慮しなければなりません。


ですがしかし、フランス産の木樽には唯一無二の優雅な樽香があります。


コストとクオリティのバランスを考え、作り手はどの産地の木樽を使うのかを考えます。


樽感の加え方とそのコストパフォーマンスとのバランスは、まさに造り手にとっての腕の見せ所と言えるでしょう。


5.焼くこと

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木の樽のずんぐりと膨らんでいる形は、内部から炎を使って焼き付け、木材を曲げることで作っています。


そしてこの時内部のローストする火の強さや時間によって、ワインに移る風味が異なってきます。


焼き加減にも段階があり、ライト、ミディアム、ハイと表します。


アメリカ産の樽は特にこの焼き付けをハイローストで行うため、使用したワインにとても強い樽感のニュアンスを与えます。


3.高級な白ワインは木樽系

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名だたる高級白ワインには、この木樽のニュアンスをしっかりと持つものが多くみられます。


たとえばフランスの「モンラッシェ」「ムルソー」といったワイン。カリフォルニア ナパバレーのシャルドネなどは、この木樽系&バリック系の代表的ワインです。


これらのワインの価格がなぜ高いのかという理由に、やはりこの木樽にかかったコストというものが大きく関係しています。


もしワインの熟成に使う木樽を、すべて新調するということにでもなれば、そのコストは馬鹿になりません。


熟成に使用した木樽のうち、何割新品の樽を使ったのかを新樽率といい、高価なワインはこの新樽率がほぼ100%であることが多いです。


当然そのコストのために、一本当たりの値段が高くなるというわけです。


4.合わせたい料理は?

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それでは非常に特徴的なこの木樽系の白ワインに、合わせる料理は一体どんなものが良いでしょうか?


一口に白ワインといっても、さっぱりした繊細なカルパッチョや野菜料理などよりも、樽系の白ワインは豚肉や鶏肉などの白身肉バターを使ったコクのあるクリームソースなどによく合います。


よって、樽系の白ワインは「肉に合う白」と言えるかもしれません。


赤ワインが苦手という方が、メインディッシュに白ワインを合わせたいとなった場合に重宝しそうです。


そのワイン自体にとても強いコクがあるので、合わせる料理もしっかりとコクがある料理とペアリングすることがおすすめです。


5.おすすめ「木樽系」白ワイン5選


・Bend Chardonnay  ベンド シャルドネ

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もっとも気軽に木樽系を試してみるのであれば、こちらがおすすめです。
わかりやすい樽香とシンプルな旨さ。入門ワインとしてバッチリです。¥776 

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・Phantom Chardonnay ファントム シャルドネ

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木樽ワインの旨さをガツンと味わうのであれば、カリフォルニアのシャルドネが間違いありません。特にこのファントムは、どんな方にでも確実にその魅力が伝わるワインです。¥3619

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・Planeta Chardonnay プラネタ シャルドネ

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木樽系イタリアワインを代表する一本。イタリアワインが特にお好きという方であれば、このワインは間違いなくハズさないです。¥5060

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・Domaine Laurent Pere et Fils Meursault 1er Le Poruzot
ドメーヌ ローラン ムルソー 1er ル ポリュゾ プルミエ ジュ

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究極はやはりフランスです。特にブルゴーニュのこのムルソーはまさにKING of 木樽ワインでしょう。憧れのワインです。¥16500

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