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私が着付師になるまで⑤

さあ、卒業試験

 着付教室の卒業試験について書くにあたり、どこまで踏み込んだらいいものか、実は結構悩みました。
 身バレ・教室バレしかねない内容は別の記事にしましたので、よろしければこちらもぜひご一読ください。(2024年5月18日更新)

 ということで、ここでは表面だけサラッと触れたいと思います。

 試験までは師範コースの受講だけでなく、「相モデル」、つまりバディを組む同期生達と都合を付け、何度も自主練習を重ねます。
 そして試験当日。
 制限時間内には着付けられました。なのに、着付クリップを外し忘れたーっ!! モデルの後ろ姿、襟に発見したのです。
 これで即失格ではないものの、合格点には届くわけありません。
 なお救済措置として、追試はあります。
 私は、ここで諦めては今までかけた時間とお金が無駄になると思い、追試があるならと受けることにしました。至極当然ですが、試験料は追加で支払わなければなりません。
 その追試はというと、結果は…不合格
 合格点にあと1点届きませんでした。
 ちなみにこの教室、総合点数は教えてくれますが、どの試験項目で点を落としているのか、情報開示は一切ありません。

募る不信感

 次の試験を受けるためにはどうすればいいか尋ねると、師範コースを再受講しなければならないとのことでした。
 …私は耳を疑いました。
 では、この先どうする?
 やはり不合格になったバディ達は、理由はそれぞれでしたが、皆もうやめるとのことでした。
 私はというと…続ける気はありました。あったけれど、「この教室で続けるのは、なんか違うような気がする。さすがにこれ以上は時間もお金もかけられないし」というものでした。
 「不合格になったのは、実力不足だけではない。たぶん、社風(校風?)に合っていないとか、そういうのも含めてだろう。実際、私だってここのやり方に疑問を持ち始めているのだし、これはお互いのためでもあるかもしれない」
 意を決して、長い間ご指導いただいた講師にやめる旨を伝えました。
 この講師もきっと、生徒の出来の悪さ・引き止められなさを上層部に怒られていただろうなと思うと、本当に申し訳ないと思いました。

これだけは誤解しないでください

 こうして、私自身は大手の着付教室の運営に不信感を持ってしまったのですが、教え自体を否定するものではありません。現に、使っていたテキストや提出したレポートは復習や確認したいことがあるときによく読み返していますから。
 それに大手の認定着付師・講師になれば、フリーに比べ安定した仕事の機会を得られると思います。
 組織面・費用面に納得していれば、どこかに所属している方が安心かもしれません。

次の手は…?

 その後いろいろ調べ、資格を取るなら着付教室等の民間団体が出す免状より、国家検定の「着付け技能士」の方が私に向いているのではないかと判断しました。
 大きな理由はこちらにあるとおり、流派を問わないという点です。

ただし試験は年1回。それまで何もしないでいたら、確実に手が忘れてしまう。
 それを防ぐためには、やっぱりどこかの教室で習うか、いっそ雇ってもらえる所で仕事にしていきたい。
 この当時2019年。私はまだ公務員だったので、次に選んだのは、3か所目の教室に通うことでした。
 選択肢は3タイプ(②を参照)のうちの最後の1つ、個人経営かつ大手の看板のない教室しかありません。

 個人経営の規模だと、インターネットで探せる教室はごく僅かです。
 そんな中、私は自転車で通える場所で、希望することを学べる教室を見つけました。

今も愛用している着物バッグ。一式入れると3~4kgになる。教室の日はこれを通勤バッグと一緒に持ち歩いた。
自転車も乗るのでキャリーは使わない派!

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