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正月のクリスマスケーキ

年を越して、新年も既に三日が過ぎようとしていた。そんな新年三が日の最終日、我が家のクリスマスケーキは完成した。スポンジケーキは元旦の夕刻に焼いておいたものだ。ケーキの中に挟む苺はスペイン産のもので、昨年のクリスマス前に購入していた。3個ほど、黴が出ていてだめになってしまっていたけれど、季節外れの苺にしては、さほどに悪くはなかった。こちらでは苺のケーキを食べるのは夏の間のみで、地産の季節物を使って料理をすることを常としている。私のように、一年を通して苺のケーキを食べるといったような習慣は、ここには存在しない。果物を使ったケーキなんていうものは、今の季節にはほぼ存在しないのだ。その上、スウェーデンのパン屋やスーパーで売っているケーキは全く自分の好みではないので、自分で食べたいケーキは、自分で作るしかないのである。もちろん、クリスマスケーキもそうだ。
出来ればの話だが、クリスマスの当日に、少し遅れても次の日にはケーキを用意できればいいなとは思っていた。しかし、それは全然無理であった。家族みんなで一日中家にいて、しなければならないことや家事やら細かい仕事等、それは際限なくある上に、次から次へと新たに仕事は出てくるのだから。自分の意思とは反して、全く予定通りに事は進まないのであった。それはクリスマスに限ったことではなくて常日頃からそうであるので、ある程度は予想はしていたのだけれども。クリスマスにクリスマスケーキはつくれなかったけれど、クリスマス当日の夜は寿司を用意して食べることができたので、良しとしたい。
そうであってクリスマスに用意できなかったクリスマスケーキを、正月にやっと用意することができたのだ。それの、嬉しかったことといったら。年明け特有の澄み切った空気と合わさって、自分の言葉では言い表わすことができないほどだ。これもクリスマス前のこと、お気に入りの茶雑貨店で買っておいたベルギー産のチョコレート飾りを使って、子どもと一緒にケーキの仕上げをした。大好きな苺の生クリームケーキ、そしてそれが、クリスマスケーキ。自作でも年明けでも、クリスマスケーキはおいしかった。

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