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こどもや身近な人に伝えたいお金の話 6話 卵を一つのかごに盛るな


投資の世界で有名な言葉に「卵を一つのかごに盛るな」というのがある。
そのかごを落としたら卵(お金)が全部割れてしまうからだね。

例えば全資産を、1つの銘柄に集中投資していたとしよう。
きみの好きなAppleでもいいし、ディズニーでも、NIKEでも、何でもいい。
その会社が倒産してしまえば株は無価値、つまり全資産が失われるんだ。

では2つの銘柄に均等に分けたらどうか?どちらかが倒産しても、半分の株は残るよね?4つなら25%残る。
そうやって、いくつかの銘柄に分散させることによってリスクを軽減できるんだ。これを分散投資という。

日本の例で言えば、全体潰れないと思われていたJALだって民事再生という処理を行い株券は無価値になったし、東京電力だって3.11の原発事故以降、国策で救わなければ危なかった。
いまをときめくAppleですら、90年代後半は倒産寸前だったんだ。
そう考えると、20年後も絶対に残っている企業なんてないと思った方がいい。

株式の分散  

複数の銘柄をよく調べて売買するのは、時間も手間もかかる。
そこで複数の企業にまとめて投資できる仕組みがあるんだ。
投資信託ETF(上場投資信託)だ。

何100社、場合によっては何千社という企業に分散して投資できる商品で、大型株、中小型株、国内、海外、新興国と、様々な対象が網羅されている。
全世界の株式を丸ごと買うことだってできるんだ。

日経平均やダウ平均など、対象とする株価指数と同じ値動きをするよう設計されたインデックス型、プロのファンドマネージャが目利きしてより積極的にリターンを狙うアクティブ型(ただしプロのファンドマネージャですらほとんどがインデックスに勝てないと言われているのは皮肉なものだ)に分かれている。

投資を始めるにあたって、個別株から始めるのではなくて、分散されたインデックスファンドへの投資から始めるのは王道と言っていいと思う。

購入時の費用がゼロで(ノーロードという)信託報酬という所有している期間中かかり続ける費用がより低いもの(原則的には0.5%未満を目指したい)を選ぼう。(具体的なオススメや買い方はまたいずれ書こうと思う)


資産クラスの分散

ここまでは主に株式の中での分散を話してきたけど、実は一番大事なのは、株式とそれ以外の資産の分散だ。

株式の中でいくら分散させても、グローバル化した経済の中では同じ方向に動くことが多いんだ(これを相関が高いといいます)

アメリカが好景気なら、日本株式も欧州株式も釣られて動く。
詳しくは次回以降で触れていくよ。

資産の種類としては、以下のようなものがあり、それぞれ特徴がある。

ペーパーアセット(金融資産)
 ・株式
 ・債券(国債・社債)
 ・暗号資産(仮想通貨)
 ・FX

リアルアセット(実物資産)
 ・不動産
 ・太陽光発電
 
 ・金
 ・商品(大豆・原油など)

ペーパーアセットの方が、価格の透明性が高く、投資や換金することが容易という特徴がある(流動性が高いと言う)

リアルアセット(ハードアセット)は、物そのものに価値があるものと言われているけど、最近は市場で少額から金や商品に投資できるETF先物、不動産に投資できるREIT(不動産投資信託)もあり、実際の境界線はあいまいだ。
不動産と太陽光発電は、銀行から融資を受けて手持ちの資金以上の資産を持つことができることが特徴だ(レバレッジが効くと言う)


それぞれ別の値動きをする資産に分散して投資することによって、リターンは保ったまま、リスクを減らすことができるんだ。


ここまで、分散が良い!という前提で話を進めてきたけど、自信があるなら株式投資一本でもいいし、2,3の個別銘柄に集中投資して大きくリターンを狙うやり方もある。

ただ、集中投資は、大きく勝つこともあれば、大きく負けることもある。
資金か気力のどちらかがなくなれば退場で、それ以降資本から利益を得るチャンスは失われてしまう。

お父さんがきみたちや、身近な人に勧めたいのは、じっくりと着実に、成長を感じられる投資の方法なんだよね。

それじゃ、続きはまた今度。

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