【読了009】陳舜臣『三色の家』
昭和8年という舞台設定がなかなか面白かった。殺人事件そのものより、舞台が神戸の商館+主人公が日本に留学中の中国人ということや日中それぞれの商売の様子、お互いへの関わり方が興味深かったな。
登場人物もなかなかさっぱりしてて良かった。前に読んだ『弓の部屋』もそうだったけど、この人の小説はとことんイライラさせられるような人が少ないのかもしれない(他にも何冊か読んだことはあるはずだけど、昔のことで忘れてしまった)。
本筋とはほぼ関係ない文章だったけど、一番私に刺さったセリフ。覚えがある……というか、私のことそのままだな……
たとえ誇れるような人間ではなくても、自分自身のままでなんとか生きていきたいもんです。
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