【読了014】笹沢左保『木枯し紋次郎(二)』
結構前に1巻を読んで以来久々の紋次郎。パターンっちゃパターンだよな~~っていうのが既に2巻目にして確立されてるので「これが15巻まで続くのか……」と思うと若干遠い目になるような。笑
とはいえ1話1話がしっかり面白いし、「川留めの水は濁った」なんかは紋次郎の亡き姉に関する話だったりするので、これ抜きには語れない、みたいなところはありますね。
淡々と生きてる、生きようとしている紋次郎に対し、通りがかる人たちみな人間臭いというか、「簡単に達観させねぇぞ」って意思でもって接してきてるような泥臭さがありますよね。
よくも悪くも執着の強い、粘っこい生臭い人間ばっかりで、どうしてもそんな人たちと「関わり合い」を持つことになってしまう紋次郎の運命が痛々しい反面、外野としては「そうでなくちゃな」と楽しんでしまったり。
ほんっと毎回毎回ゲストが「人間」なんだよな~。生にも性にも欲にも必死でかじりついてる人間。人って大体はこんなモンなんだ、そう簡単に思いきれない、欲を捨てられない生き物なんだって執拗に見せられてる感じで、その反対を行こうとしてる紋次郎との対比がなかなかどうして、厳しくも面白い。
「土煙に絵馬が舞う」が一番のお気に入りです。あのどうしようもなく救いのないラストには最早痺れるしかない。
立て続けに読むと飽きそうなので、何かしらの合間合間に息抜きに読もうと思います。
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