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【映画】『レフト -恐怖物件-』感想

 辛い過去を持つ元銀行家が、家族と休暇を過ごすため、田舎にある一軒家を訪れる。だがその家で、説明のつかない現象が次々と起こり始め……

Netflixあらすじより

 2023年映画1本目。ホラーを見るつもりで見たら全然怖くなくて、でもネトフリの「ミステリー」ってジャンルもなんか違うよなあ、という感じで。感覚としてはサスペンスが一番近いかも。

 ケヴィン・ベーコン、いい感じに年とってるなあ、年取った方がかっこいいなあ。子役の女の子かわいいなあ。あ、連れ子かと思ったら実子なのかこの子。なんて割と呑気に見てられて、でもよそ見するほど退屈じゃない。無駄に長い映画はスキじゃないので、93分という時間設定も具合がいい。トータル「程よい」映画でした。

「悪魔」とかいう単語が聞こえた時はヒヤッとしましたけど。なんせホラー映画(やそれに類するもの)に「悪魔」を出されるとその瞬間激萎えしてしまうので。
 だってね、私の中では「悪魔」って「狐狸妖怪」と同じ箱に入ってるものなんですよ。なんぼ向こうの人がガチで怖がって出してきてたとしても、怖さを求めてワクワクしてる日本人の私からすると「本気で怖がろうとしてるのになんか一つ目小僧出てきた……」みたいなテンションの下がり方しちゃうんです。分かりますかね、この感覚。
 なのでその一瞬だけものっそい警戒したんですけど、セーフでした。邪魔されなかった。きちんとスリリングみを維持して、最後はキレイに締めてくれて一安心。

 夜道に浮かび上がる一軒家の明かり。そして真っ黒の人影。すごく印象的で良いです。
 いつの間にかノートに書き足された文字。何者かの影。いいんです。いいんですけど、ただ、あんまり「すんなり行き過ぎてる」というか……「お手本通り」感が否めないと言うか。
 なるほどなるほど、あれがこうなってこうなったからこういうことになったのね、という「腑に落ちすぎる」感覚が、こちらからするとちょっと物足りない。いや確かに起こっている現象的は「不思議」で「怖い」んだけど、突き抜ける恐怖や理不尽さが全然ないので最初から最後まで平坦な道のりだったなあという印象に落ち着いてしまって、それがちょっと残念。

 悪くないんですよ。でも安心出来過ぎるというのもちょっとね? という、若干「惜しい」後味でした。

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