見出し画像

平成中村座姫路城公演 初日!-播州皿屋敷、鰯賣戀曳網-

2023年5月3日、平成中村座姫路城公演が初日を迎えました。

第二部「棒しばり」と「天守物語」についてはこちらの記事をご覧ください。

姫路城世界遺産登録30周年ということで、初めて姫路の地に平成中村座が小屋を構えられました。

場所は姫路城の真下、三の丸広場。

これ以上ない絶好の立地です。

この日は初日ということで、開場に先立ち、一番太鼓と、中村勘九郎さん中村七之助さんによるご挨拶がありました。
写真NGでしたので、新聞記事のリンクを貼っておきます。

七之助さんが、「父が見たら泣いて喜んだだろうな」と仰っていたのが印象深いです。
前売券は即完売でしたが、当日券が若干あるほか、平成中村座は幕を開ける演出があるということで、「天守から見ることができます。100円で望遠鏡も使えるので、お得ですよ」とのアドバイスも。

空には環水平アークがあらわれ、今日の晴れ舞台を祝福しているかのようでした。
中村勘九郎さんの奥様、前田愛さんとお子様も来場されており、やはり初日は特別だなぁと感じました。

芝居小屋前には三十軒長屋が設けられ、ごった返しています。
こちらはチケットがなくても入ることができます。

向かって左側は主に姫路のお店の出展、右側に歌舞伎らしいお店という並びです。

切子、鼈甲細工などは惚れ惚れするお品ばかり。
左の手前側にJTとありますが、こちらではキセルを扱っておられます。

さらに、有料ゾーンのなかには平成中村座ゆかりのお土産物や飲み物、お弁当の売店もあります。

小屋の絵看板には、向かって右から「播州皿屋敷」、「鰯賣戀曳網」、「棒しばり」、「天守物語」の四つの演目が描かれています。

実は別日でチケットをとっていたので、この日は雰囲気を味わうだけ、と思って来たのですが、なんと当日券(立ち見)の整理券が手に入ったので急遽観ることに。

整理券は今日が初日だからで、通常は、開演1時間前から当日券発売だそうです。
ちなみにお値段は3,500円。
18席限定ですが、松席と竹席が15,500円、梅席でも13,500円ですので、かなりお得です。

立見席は2階竹席の後ろ、小屋の最後方ですが、十分声も届くし、見ることができます。
オペラグラスがあれば役者さんの顔も分かると思います。

演目は、「播州皿屋敷」と「鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)」。
「播州皿屋敷」はご当地物ですね。
東京では「番町」だそうですが、こちらでは「播州」姫路城下のお話です。
1枚、2枚…とホラー調のお話。
ついつい落語の「播州皿屋敷」を思い浮かべるのですが、こちらは純粋な怪談です。

「鰯賣戀曳網」は、なんと三島由紀夫の作。
随所で笑いが起こる幸せなお話でした。
感動のご当地演出もあり、小屋が一体となった素晴らしい舞台でした。

蛍火「播州の白鷺城が見とうございます」
猿源氏「京から播州へは歩いて二日はかかる」
蛍火「お前様となら二日でも」

「鰯賣戀曳網」は1階席で観たかったなぁ。


歌舞伎を観るのは初めてで、正直、台詞が聞き取れるだろうかと心配していたのですが、ほどほど理解することができました。
耳が慣れたのか、「鰯賣戀曳網」はほぼ分かったので存分に楽しめました。
売店で販売されている「筋書」には、充実したあらすじが載っているので、是非読んでおくことをおすすめします。

立ち見についても、30分の幕間は座って休むことができたので、覚悟していたほど疲れずにすみました。

それにしても、中村勘九郎さん、中村七之助さんのご兄弟はすごかった。中村扇雀さんの安定感も。
「播州皿屋敷」のときはどこかふわふわした客席が、「鰯賣戀曳網」が始まった途端、きゅっと引き締まったのを感じました。


さぁ今度は「天守物語」のある第二部です。
坂東玉三郎さんが直々に稽古をつけられているそうで、役者の皆様からも並々ならぬ意気込みが伝わってきます。

あやかしと幻想の世界。楽しみでなりません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?