認識番号8830

猫が出てくる短編小説、ジャンクフードに関するエッセイを細々と書いてます。日々是妄想。 …

認識番号8830

猫が出てくる短編小説、ジャンクフードに関するエッセイを細々と書いてます。日々是妄想。 ※アルファポリス様、カクヨム様、小説家になろう様にも同じ作品を投稿中

マガジン

  • ジャンクフードと俺物語

    高級レストランや料亭よりも天下一品のこってりラーメンが好き。そんなチープな舌を持つ日本中の同胞に捧げるエッセイです。 基本的には下らない話をまったりとした感じで書いてます。貴方のまったりタイムに読んで頂けると幸いです。

  • 猫と労働

    猫に労働の義務が課された近未来の日本を描いた短編小説集です。猫が働いたり、サボったりします。 絶賛スランプ中のため、不定期更新。

最近の記事

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猫と労働 第0話 「筆者まえがき~猫語の教科書~」

 あらゆる生物は進化の過程でその種の生存に必要な能力を獲得してきた。獲物を仕留める牙や爪。危険をより早く察知する広い視野。敵から逃げるための長く走れる持久力。過酷な環境で生き抜けるよう脂肪や水分を貯蔵する器官。  これらの能力で環境に適応し、その命を次の世代、また更に次の世代へと受け継いできたのだ。  それでは哺乳綱食肉目ネコ科ネコ属に属するイエネコ、我々が一般的に「猫」と呼ぶその生き物は進化の過程で何を獲得したのだろうか。  同じネコ科のライオンは大きな体躯と獲物を切り裂

    • 26.カルト家電

       自分が興味を持ってないものを相手から自慢されて反応に困った。誰もがこのような経験をした事があると思う。私的には関東で社畜をしていた頃のOL達のブランドバッグ自慢がつらかった。ルイヴィトン、シャネル、グッチ、プラダetc、私が1ミリも興味が持てない分野だ。多分、現物を見てもどのブランドか判別出来ない気がする・・・ので、ネットで画像検索してみた。Gのロゴのグッチだけはかろうじて分かったが、他は違いがさっぱり分からない。よって、デザイン云々言われてもリアクションの取りようがない。

      • 25.認識翼賛会宣言

         突然だが、次の衆議院選挙に立候補しようと思う。その際は読者の皆様に色々とご協力願いたいのだが、まずは出馬を決意するに至った経緯を説明するのが筋だろう。少しお話させて頂きたい。  先日、丸亀製麵で昼食をとった。丸亀製麺のシステムについて今更説明する必要はないのかもしれないが、まずはうどんを注文だ。うどんを受け取ったら天ぷらやおにぎりが置いてあるコーナーへ。ここでお好みの天ぷらをセルフスタイルでお皿にとり、そこを抜けたらレジでお会計という流れだ。これは分岐の無い一方通行のルー

        • 24.君はニュータッチ凄麺を知っているのか?

          「モダンジャズの帝王」と呼ばれた黒人のジャズ・プレイヤー、マイルス・デイヴィスがジャズ史上最高傑作と呼ばれるアルバム「カインド・オブ・ブルー」を1959年に発表した時、このアルバムでの白人ピアニスト起用に対して黒人ファン層からの批判が止まなかった。当時、黒人への差別は酷く、人種対立感情は激しかった。だが、彼はファンの顔色を窺うような事はせず、こう言い放った。 「いいプレイをする奴なら、肌の色が緑色の奴でも雇うぜ」  長年差別を受け続けていたマイルス自身、白人を嫌悪していた

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        猫と労働 第0話 「筆者まえがき~猫語の教科書~」

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        • ジャンクフードと俺物語
          26本
        • 猫と労働
          5本

        記事

          23.居酒屋の定義

           マグロ漁船に乗っているとお金が貯まるらしい。起きて、釣って、寝て、起きて、北島三郎の「北の漁場」を歌いながら釣って、寝て・・・こういう生活なら確かにお金は貯まる一方だろう。お金が貯まらなくてお困りの方はマグロ漁船に乗るのもありかもしれない。だが、蓄財という点では社畜も割と負けていない。何故なら、遠洋漁師と同じくらいお金を使う時間がないからだ。ちなみに私は社畜時代に180連勤という偉大な記録を打ち立てた事がある。その頃は本当にお金を使わなかった。起きて会社に行って、帰ってきて

          23.居酒屋の定義

          22.皿うどんに必要な勇気

           読者の皆様は皿うどんに恐怖したことがおありだろうか?私はある。皿うどんを目の前にして震えおののいた事があるのだが、正確には皿うどんにお酢をぶちまけている人間に恐怖した。何だかんだ言って、一番恐ろしいのは人間という事なのだろう。  それは横浜で昼食を取っている時の事だった。皿うどんを注文した横浜出身のハマッ子な同僚。注文したそれがテーブルに着くや否や、お酢を手に取り円を描くようにかけ始めたのだが、一周、二周、三周・・・見てるこっちが悲鳴を上げてしまいたくなるほどジャブジャブと

          22.皿うどんに必要な勇気

          猫と労働 第4話 「個人タクシーのエクレアさん」

          「個人タクシー用の車を買って欲しいニャ」猫のエクレアは甘えたような声で青年へおねだりをした。いつもなら「ご主人、ご飯が出てないニャ」とか、「トイレの砂を交換しておいてくれニャ」と、青年に対して雑な扱いのエクレア。そんな彼が青年の帰宅早々、「お疲れさまでしたニャ、ご主人様。ビールはいるかニャ」なんて気を遣ってくるので何かしらのお願いがあると予想していたものの、これは完全に予想の斜め上だ。  職業訓練で運転手の適性があると判断されたエクレアはタクシー会社に勤務している。猫は動体

          猫と労働 第4話 「個人タクシーのエクレアさん」

          21.ぼくのかんがえたさいきょうのかつどん

           ネットではよく「都会と田舎、どちらが住みやすいか論争」が起きている。そこで、若い頃は都会に住んでいたけど家庭の事情やら何やらで地元に戻った、そんな全国に4千万人ほどいそうなUターン組の私から「特定の嗜好に限定」した上でのアドバイスを送らせてもらおう。 「ジャンクフードが好きなら田舎には帰るな」これに尽きる。  確かに田舎にも色々とメリットはある。私のケースを例に紹介しよう。  私が住んでいるのは秘境と言っても差し支えない程のド田舎だ。よって、都会感覚からすればビックリす

          21.ぼくのかんがえたさいきょうのかつどん

          20.だらしない牛丼

           英単語の「BOSS」。義務教育で習うので皆さんもご存じかと思うが、日本語に直訳すると「矢沢永吉」という意味だ。ただ、例外的に「ブルース・スプリングスティーン」というアメリカのミュージシャンを指すこともある。そんなブルースさんの代表曲の一つである「ハングリー・ハート」。ストレートに訳すると「飢えた心」で、常に何かに渇望している若人特有の気持ちを歌っている名曲だ。聴くたびに「俺にもこういうギラギラしてた時期があったな」と懐かしく思ってしまう。  自分で言うのもなんだが、今の私

          20.だらしない牛丼

          19.ケンタッキーの最適解

           人生は選択の連続だ。進学、就職、結婚等々、人は生きている間に様々な決断を迫られるが、もっとも悩ましい決断を迫ってくるのがケンタッキー・フライド・チキンだ。読者の皆様もレジ前で「今日はチキンを何個頼むのが正解?」と、真剣に悩んだ経験があるはずだ。  自身の胃袋と相談した結果、「今日は3個だな」と明快な答えが出た場合は問題ないが、往々にして「3個はキツい、けど2個だと足りないかも」と、思考の迷路に迷い込むことがある。レジの後ろには自身と同じようにチキンに飢えた同胞たちが並んでい

          19.ケンタッキーの最適解

          18.どんなものでも「どん兵衛」に敵いやしない

           馬鹿デカい大砲を搭載した戦艦。変形するロボット。得体の知れない粒子。鉄板すら一刀両断する日本刀。強すぎる己の能力を封印するための眼帯etc・・・   男の子が好きそうなものを並べてみた。まさに錚々たるメンツだが、これらが束になっても「どん兵衛」の前では色褪せてしまう。男子ってやつはそれを愛して止まない生き物。どんなものでも「どん兵衛」には敵いやしないのだ。  本日はそんなどん兵衛にまつわるエピソードを二つばかり紹介させて頂こうと思う。まずは私が関東にいた頃の話だ。    

          18.どんなものでも「どん兵衛」に敵いやしない

          猫と労働 第3話 「コンビニのマロンさん」

           「ちょっとトイレに行ってくるニャ」猫のマロンさんは相当我慢してたらしく、急ぎ足でトイレに向かった。無理もない、お客が途切れず、30分近くずっとレジ打ちをしていたのだ。    僕がアルバイトしてるのは「あなたのコンビニ🎵」のフレーズでお馴染みのファミニャ(※)・仲見世通り店。マロンさんは先月の頭からここで働き始めた。猫労働法が改正され、ついに猫の社会進出が本格的に始まったからだ。  ※・・・正式名称はファミリーニャート。全国に展開してるコンビニチェーン   猫に労働参加の義

          猫と労働 第3話 「コンビニのマロンさん」

          17.来来亭の梅干し

           世間では憲法改正の議論が盛んになされてる。議論の中心はもちろん第九条についてだ。平和を心から愛する日本国民として、今一度九条の有り様を真剣に議論すべき時が来てると思うが、私としては更にもう一つの議題を皆様に提示させて頂きたい。現在の国民の三大義務、勤労・納税・教育に「完食」を加え、四大義務とする案だ。  食事を残す行為、いわゆる「お残し」は百害あって一利なし。食べてないものにお金を払う事になるのでお財布に良くない。食品廃棄ロス削減の観点からすれば地球に優しくない。料理を残

          17.来来亭の梅干し

          猫と労働 第2話 「総務部のおにぎりさん」

           エヌ氏が会社から帰宅すると、飼い猫の「おにぎり」がソファの上で眠っていた。いつもならエヌ氏が帰ってきた途端に目を覚ますのだが、かなりお疲れの様だ。無理もない。なにしろ今日はおにぎりの初出勤日、社会猫デビューの日だ。初出勤の感想を聞きたかったのだが、ここは寝かせておくべきだろうとエヌ氏は思った。    おにぎりの眠りを妨げない様、静かに夕食を取っていたエヌ氏は申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになっていた。猫労働法(※第1話に詳しく書いてますので是非ご一読を)が施行されて全ての飼

          猫と労働 第2話 「総務部のおにぎりさん」

          猫と労働 第1話 「猫の労働参加に関する法律とクロさん」

           少子高齢化による労働力人口の減少に歯止めが利かない現在の日本。「猫の手も借りたい」、なんて言えるうちはまだ大丈夫だったが、もう現状は「猫の手を借りざるを得ない」ほど深刻な労働力不足だ。そこで昨年の20XX年度通常国会で成立、今年の4月から施行されたのが「猫の労働参加に関する法律」、通称「猫労働法」。一般家庭で飼育されてる猫、いわゆる「飼い猫」の社会進出を促す法律だ。  今現在、日本国内にいる飼い猫は概算で約900万頭。このうち病気やケガをしてない生産年齢(※猫は1歳半~12

          猫と労働 第1話 「猫の労働参加に関する法律とクロさん」

          16.バリカタの果実

           某SNSの投稿で見かけたのだが、「誹謗中傷の果実」と言う言葉をご存じだろうか?ほとんどの読者様がご存じないと思うし、私もそんな言葉はご存じではない。ネットスラングか何かだろうか?  子供の頃、「刑事コロンボ」がまあまあ好きだったせいか、こまかいことが気になると夜も8時間程度しか眠れない。安眠出来る日々を取り戻すべく、少し考えてみた。まずは先の言葉が出て来た投稿の全文を紹介しよう。なお、投稿された状況はSNSでお馴染みの光景、レスバトルと言う名の口喧嘩の真っ最中。バトルの相手

          16.バリカタの果実