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映画の感想『マーベルズ』

(ネタバレあります)

昂らない(たかぶらない)

この映画のシンプルかつ的確な回答だと思う。
ヒーロー映画には見ているものを昂らせる要素が必要だ。
それは大儀だったり復讐だったり
どうしようもない困難や問題に全解決ではないけども少なくとも前進めることができる成果だったりする。

応援しているスポーツチームが勝つことも似てるかもしれない。

そういう昂りが無いというか
昂りは積み上げて作るものだがそれを自ら崩して台無しにしてる
コメディ的要素は必要だが入れるタイミングと内容を間違えるとぶち壊しになる。
この映画はそれが満載だ
例えば途中で3人でおちゃらけるシーン
あってもいいし3人でやるからには必要だ
入れるタイミングが良くない
話を進めるギミックになっていない

キャプテンマーベルについてはもともと強すぎるなどの問題を抱えていた

ミズマーベルについては別の作品と絡めた方がよかったのかもしれない

ワンダビジョンで非常に魅力的なプレイヤーだったカマラカーンが全然面白くない。

正直、カマラカーンをメインのストーリーにしてキャプテンマーベルとミズマーベルはヘルプのような参加の仕方なら面白い作品になったかもしれない
アガサ(敵の魔女)をメインキャストに加えてもいい

全体のストーリーも大味すぎるしメインの敵も魅力が無い。

ミズマーベルの家族を画面に出し過ぎるのも寒くて魅力を削いでる。彼女はスパイダーマンではない。

個人的な事情で同人誌などを制作するいわゆる腐女子女オタクという人種と深く付き合ったことがあるが彼女たちのセンスは侮れない
ただ魅力的な男性に狂喜乱舞し推すというだけでなく作品の面白さも自分たちが標的するかどうかの判断に入ってる
彼女達の推す作品は客観的に内容だけ見ると面白いものが多い。
男性キャラだけでなく女性キャラも描く対象に入る、それは自身の好みだけでなく単に魅力的だからである。
この作品の登場人物を彼女達は推すだろうか?
甚だ疑問に思う。
そんなことを考えさせられた

それに「規範」が薄いことが考えられる
規範とは簡単にいうとルール
SFでは舞台が荒唐無稽な分この社会を形成する規範が重要だと常々考えてる
特に難しいことではない普段の生活に直結する規範があればいい
「宇宙を試合する巨大な帝国が存在してそれに払う税として育てた農作物を収めるために日々農業をしている。」例えばこんなでもいい
これだけでも生活と描写が見えてくる
こんな規範がこのマーベルズに薄いと考察する。
規範が薄くなると見ているこちらもどうでもよくなる
例として登場人物が規範を無視したなんでもできるような能力を持っているとなんでもできるならなんでもいいやと感じてしまい使命感も無くなり
どんどん魅力が薄れていく。
絶対にやってはないけない設定として主人公が強すぎるとこの問題が発生しやすい

この映画が失敗作と言われてるのは、ヒーロー映画疲れではない



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