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世界中に海苔を届けたいからこそ、地元で愛されるお店を目指して。

おかげさまで今月の5月5日に、ぬま田海苔合羽橋本店は5周年を迎えることができました。

当日はドリンク作家のemmyさんをお迎えし、初摘み海苔を使ったノンアルコールドリンクを無料で提供。常連のお客さまはもちろん、初めてぬま田海苔を訪れた皆さんとも乾杯でお祝い。とても素敵なアニバーサリーイベントとなりました。

5年前、海苔は全型のみ3種類だけ、スタッフも母と私の2人しかいない最小限からのスタートでした。
今ではプロダクトの種類は増え、スタッフも総勢10名ほどに。何よりこれだけ素敵なお客さまが訪れてくれるお店へと成長できました。
閉店後、母と2人で乾杯したお酒の味は格別でした。

この5年間、ぬま田海苔がどう成長してきたのか?
今日は簡単に振り返りたいと思います。個人商店の方などの参考になれば嬉しいです。

どうぞゆるりとお付き合いください。

【売り場もプロダクトも最小限から】

2018年5月5日に、ぬま田海苔合羽橋本店はひっそりとOPENしました。
最初は看板も幟(のぼり)もなく、ガラスに貼ったロゴだけが目印。

プロダクトは全型1袋¥2,000の海苔がたった3種類から。店内を埋めるものもなく、パーテーションが一部はいっていました。当時の写真を見ると本当に懐かしいです。

最小限からスタートした理由は、お店を運営しながら正解を見つけていくスタイルを取ったから

資金をかけ完璧な売り場で華々しくスタート、も良いですが実は修正も大変。前職アパレル時代、お客さまの導線に合わせ何度も売り場変更したり、時にはリモデルで設計を大きく変えたことを覚えています。

そこで、海苔屋にくるお客さまやプロダクトに合わせ、少しずつ什器を足していく、という方法に。
個人商店にとってリスクを抑えた選択肢があっても良いと思うんです。確実にこれがあったら良いな、というものをじっくり見極め、少しずつ資金に合わせ成長してきました。

ただ軸となる什器はちゃんと選ぶ必要があります。例えばこのセンター什器はスウェーデンのブランドより購入。これだけでグッと良く見えますね。

プロダクトも同じように、少しずつ成長していく方法で。

【お客さまの声から商品開発】

日本初の《有明海産初摘み海苔の専門店》として、どういう商品バリエーションがあれば良いのか?私たちには前例も正解もありませんでした。
そこで、一番大切にしたのは"お客さまの生の声"

お店をOPENして4ヶ月後に生まれたのが《おにぎりカット海苔》《きざみ海苔》。『もう少し手軽に楽しめるサイズが欲しい。』という地元のお客さまの声から産まれたプロダクトです。初摘み上等級のカット海苔は、市場に少なくすぐ人気製品となりました。

他にも《海苔缶》《初摘み海苔のうまみフレーク》などもそう。ただ増やすのではなく、その声を自分たちのブランドと擦り合わせながら開発することが大切ですね。

『体にやさししくて、おいしい冷凍食が食べたい。』というお客さまの声から産まれた、一番新しい製品は《海苔屋のうまみおじや》

初回分は一気に売り切れてしまいましたが、今は生産も追いついてきていますのでぜひ。

【売り場もニーズに合わせ変更】

プロダクトが増えれば、その分売り場の拡大が必要になります。
2020年に壁に棚を組めるようにし、展開量を増やしつつビジュアル訴求も強化しました。

インバウンドに向けトラフィックを増やす戦略として、2021年には海苔焼き機を置く什器をオリジナルで製造し導入。

正面でウィンドウディスプレイの役割を果たしつつ、海苔焼きパフォーマンスや海苔の食べくらべが外から目を引くように。

お店らしくなるのに、3年ちょっとかかりました。
VMDの詳細については、こちらのnoteからも参照ください。

こうやって少しずつ成長し、ファンの方が増え、それが口コミ来店へと繋がっていきました。

【世界を目指すからこそ地元から】

『友達にぬま田海苔をお土産に頼まれたのよ。』とオーストラリアから。
『浅草へ行くならぬま田海苔がおすすめと、知り合いに聞いて来たんだ。』とギリシャから。
今ぬま田海苔の口コミは世界にまで広がってきていますが、これらは地元の皆さんがきっかけだったりするのです。

近所のお鮨屋さんや料理道具など様々な専門店からほぼ毎日、日本や海外のお客さまが案内されやってきます。
Netflixの"Final table"で活躍したカナダのシェフ、ダレン・マクリーンさんは並びの庖丁屋さんからの紹介。

信頼関係が口コミになり、新たな口コミへと繋がっていき冒頭のような流れができてきました。

もちろん、私たちも他のお店を丁寧にご案内します。
かっぱ橋道具街にはプロダクトへの愛情が溢れるお店がいっぱい。1つ1つのお店をアトラクションのように楽しんでもらえたら嬉しいですよね。

何が正解か?はわかりませんが、ただ目の前のサービスを日々大切にすることがきっと口コミというご褒美に繋がるんだと思います。VMD変更やプロダクト開発も含め、ブランドの成長を感じてくれるのがお客さまであり、地元の皆さん。そこにしっかりと根付くことが、何より後押しになる。

5年経ってようやく、毎日どこかから口コミ来店がある状況になりましたが、正直ここに近道はないと思います。
海苔屋をOPENするにあたり、母と一緒に地元の商店1軒ずつ海苔を持って挨拶したことも、今となっては大きかったなと実感。

『世界中の食卓へ、日本が誇るおいしい海苔を届けたい。』
ここからぬま田海苔の冒険がはじまり、だからこそ、まず地元で認めれ、愛されるお店になることが大切なんだと。

【世界に向け準備していること①】

そして改めて、自分たちのプロダクトを世界に発信していくことが『地元を盛り上げ還元することに繋がる!』と思っています。
すぐ来店できる地元の方と異なり、お店まで行けない遠方や海外の方もいる。そこでWEBサイトやシッピングが重要になります。

シッピングで買い続けてもらうことで、関係性を継続できる。そうすれば、また日本、東京を訪れた際に店舗まで来てくださる可能性も高く、近所のお店にも案内ができるようになりますね。

今準備していることが2つ。
1つは越境ECです。ご存知の方もいるかもしれませんが英語版のWEBサイトを立ち上げています。

まだ全てに対応しきれておらず発送は国内のみですが、テストを重ね少しずつ準備が整ってきました。

Shopifyにした1番の理由も越境ECへの適応力。英語版WEBサイトから海外発送できるまで、あともう少しです。

英語版を立ち上げて驚いたのが、国内発送にも関わらず海外、日本含め注文が入っていること。確かに日本国内に住んでいる海外の方や、海外に住んでいて国内に海苔を贈りたい方は利用しやすいですよね。

【世界に向け準備していること②】

2つめは国際輸送サービスの見極め。
ここまで複数の国際輸送サービス使い海外発送してきましたが、まだ使ったことのないサービスを使いもう少し検証したいと思っています。
注目しているのはFedEx

携帯から印刷せず簡単に発送準備ができる「FedEx Ship Manager® Lite」など、気になる機能が多い。地方など離れた地域からも発送しやすいよう、地域外集荷料を撤廃したあたりも魅力ですよね。noteもありました。

『「FedEx」はShopifyアプリ「Ship&co」との連携もスムーズですごく便利だよ。』と近所の包丁屋さんからも、おすすめされています。
今年が創立50周年というのも素晴らしいですね。おめでとうございます!

何が私たちのプロダクトとお客さまにとって良い選択なのか?
気になる物流会社やサービスを使い、より見極めていきたいです。

国内消費が縮小している中、自分たちのプロダクトに自信が持てない時もあるかもしれませんが、日本の伝統品やプロダクトクオリティは世界中から本当に注目されていると、かっぱ橋で感じています。
価値のある良い物だからこそ、自信を持って国外に目を向けてみても良いはず。口コミの可能性も、地元から海外にまで広がりますね。

北米からEU、アジアにオーストラリアと今まで15ヵ国に海苔を届けてきましたが、紛失や破損はまだ一度もありません。追跡や補償のしっかりしたサービスを使えば安心かと思います。

海外発送の手段や選択肢はどんどん増えているので、今チャレンジしやすいタイミングだと感じますし、一度試しにやってみるのもありです。

こんな画像のご褒美もあったりしますよ。

ぬま田海苔では個別対応での海外発送は現在も行っております。国外に海苔を届けて欲しい方はいつでもご相談ください。詳しくはこちらから。

このnoteがきっかけで素敵な記事にしていただきました。ぜひご覧ください。

以上簡単にですが、ここまでの5年を振り返ってみました。
変わりゆく情勢や技術進歩に目を向けつつ、これからも目の前のお客さまや商店街の仲間たちと一緒に、前に進んでいくことが理想です。
そして私たちの、ここからの歩みも見守っていただけたら嬉しいです。

本日も最後までありがとうございました。

ぬま田海苔へ何かリクエストがあればいつでもご連絡を。note/Twitter/Instagramどこからでもお待ちしております。フォローや投稿も大歓迎です。

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《ぬま田海苔 合羽橋本店 店舗情報》
〒111-0035 東京都台東区西浅草3-7-2
05017459617
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