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海苔屋が越境ECのテストを"Square"(スクエア)でやってみた話。

皆さん、こんにちは。
今日は越境ECに向けたテストとして、海苔屋が"メール受注+Square決済"で海外発送をはじめた話です。

「海外から受注・発送は大変なんじゃない?」
「コストや手間がかかるでしょう?」

と思いがちですが、"Square"決済を導入していれば予想以上に簡単にできてしまいます。

※下記にもありますが、ぬま田海苔のWEBサイトは一定期間反応を見た上で、Shopifyストアを多言語化して本格的な越境ECをスタートさせようと思っています。

ご興味ある方は、どうぞゆるりとお付き合いください。

【インバウンドビジネスの現状】

ぬま田海苔が合羽橋にOPENしてもうすぐ3年。
少しずつ海外客の割合は増え、コロナ以前では売上3割をしめる程に。
合羽橋のアベレージでみると少ない数字かもしれませんが、海外客にハードルが高いと思われていた"海苔"の専門店としては予想を超える反応でした。

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海苔の食べくらべをツアーの中に盛り込んで来てくださったデンマークからのお客様に、有名シェフやパティシエまで、本当に多くの方が来店してくださいました。

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カナダで著名な日本食レストラン『Shokunin』のオーナーシェフ《ダレン・マクリーン》さんは、Netflixの料理対決番組『The Final Table』のファイナリストです。

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2020年の世界最優秀パティシエに輝いたベルギーの《ピエール・マルコリーニ》さんも、海苔の美味しさに驚き全種類をお買い上げくださいました。

では海外客の今の店舗売上は?
というとほぼ"ゼロ"。

そもそもインバウンドに頼るビジネスモデルではなかったので、大打撃とまではいきませんでしたが、もちろん店舗売上マイナス要因の一つに。

【海外発送のきっかけは?】

海外発送に関して、実は何年後か先に越境ECのプランを描いていたのでECプラットフォームにShopifyを選択していました。

ただ越境ECをちゃんとやろうとすると、多言語化しないといけなかったり大変なんです。
『労力やコストをかけて今やる必要があるのか?』
その考えを変えさせたのは、海外のお客様からのお問い合わせでした。

USから↓

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"こんにちは!2019年の10月にお店を尋ねたのですが、購入した海苔を食べ終わってしまいました。オンラインで購入することは可能ですか?カリフォルニア在住の者です"

オランダから↓

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"去年お店に行きましたが、素晴らしい商品でした。もしオランダへの発送が可能ならぜひまた購入したいです。"

台湾から↓

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"もし台湾への発送が可能ならぜひ教えてください。私の連絡先は下記です。"

コロナ以降、メールやInstagramのDM、Intercomチャットで次々と来るようになり、これは何とか期待に応えねば!とまずは簡単にできる方法を探し"Square" に行き着きました。

"Square請求書+決済"を活用してメールで個別に受注する形で開始し、どれだけニーズがあるか?を検証したのです。 

【"Square"について】

そもそも"Square"って何なの?という方に簡単に説明させていただきます。

"Square"は決済、業務管理、オンライン販売、一つのアカウントですべてが揃う決済サービスです。
申し込みも簡単で本当にささっと契約手続きができてしまいます。

<主なメリット>
-初期費用や月額使用料等の固定費は無料
-負担は決済ごとに発生する決済手数料のみ
-決済手数料は一律固定
(VISA、マスターカード、アメックス、ディスカバー、ダイナースクラブが3.25%、JCBが3.95%)
-カード決済導入までのスピードが速い
(最短で当日にはカード決済を導入できます)
-入金サイクルが速い
(クレジットカード決済の代金は最短で翌日、最長でも1週間後に振り込まれます。)
-電子マネーにも対応(交通系、iD、QUICPay)

注目は入金サイクルの速さ。個人商店にはありがたいです。
ちなみにぬま田海苔ではPOSは"スマレジ"を選択しており、クレジット決済のみ"Square"を導入しています。

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クレジットカードから電子マネーまで、小さいサイズの端末1台で対応でき、非常に便利。
『うちはすでに他のPOSレジ導入しているから』という方にもおすすめです。

【"Square"請求書を活用する】

では実際に何を活用するかというと"Square"請求書です。
請求書を作成しお客様のアドレスへメールを送れば、クレジット決済できる画面へと繋がります。
海外のお客様でも簡単にお買い物ができるのです。

ここからはステップ式でご覧ください。

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①請求書作成を選択

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②お客様のメールアドレスなど個人情報を入力

➂購入希望商品を選択(Postage/配送料金も含めて)

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④決済期限を設定し、メール送信

以上で終了です。
商品に関しては事前に登録する必要がありますが、簡単なので数が少なければすぐにできます。

発送代金に関しては、何で送るか?どこの国へ送るか?重さは?など事前に調べておく必要があります。

焼き海苔は軽いので配送コストが安価で、賞味期限も長いため海外発送に非常に向いていることがわかりました。

決済が確認できたら、いよいよ配送作業へ。

【海外発送の方法は?】

発送方法としておすすめは「日本郵便」です。
特に"EMS"は追跡も可能、ある程度補償もつきます。
ただ注意点も。

-USなど"EMS"で送れない国がある
-2021年より通関電子データが事前に必要(手書きだと届かない可能性があり)

国際小包、小形包装物を使えば"EMS"対象外の国へも送れますが、追跡ができなかったり、船便だと3ヶ月かかったりします。
ただあくまでも一部の国であり、基本的には問題なく発送可能です。
お近くの郵便局などで簡単に確認ができるのも安心要素ですね。

他の方法として"FedEx"などもありますが、やや配送コストは上がります。
色々なサービスがあると思うので、お客様と相談しながら決めて行くのがおすすめです。

発送が終了したら、追跡ナンバーなどをお客様へメールでお知らせしてあげましょう。無事に届くことを願うばかりです。

ぬま田海苔では今年度より"国際郵便マイページサービス"に登録し、電子化に対応しながら海外配送を行っております。

【越境ECに向けて】

最後にぬま田海苔の話へ戻ります。

去年の8月からテストで始めた海外発送ですが、着実に注文が増えており、今では毎月¥10万程の売上となっています。

購入者は全てぬま田海苔で海苔を買ったことのある方ばかりなのでリピート。中には《ダレン・マクリーン》はじめレストランからの注文もあり、海外在住の方での共同購入もあるようです。

送った国はUS、カナダ、フランス、オランダ、イギリス、台湾、香港、UAEと拡大中。
リピートの方からお友達に伝わり、さらに広がる可能性も出てきました。
そして現状全ての国に無事届いており、みな喜んでくれていることが何より嬉しい!

もうこれは越境ECについて、本格的にチャレンジする明確な理由になりますね。

ただ、注文に繋がるには"海外発送できる"と知ってもらうことが必要。
問い合わせをくださった1人1人にメールを送ったり、下記のようにInstagramで海外発送についての投稿をしています。

問い合わせがあっても英語が...という方も、今はGoogle翻訳やDeepL(ディープエル)など便利ツールがいっぱいあるので大丈夫!
まさに私はフル活用しています。

ECが完全に英語対応していなくても、最終的に直接やりとりすればクリアできます。Intercomやチャネルトークなどのチャットサービスも有効です。実際に海外から問い合わせがあり、そこから購入に繋がっています。

チャットサービスについて興味ある方はこちらの記事をどうぞ。

最後に、これは『積極的に海外へ発送していこうよ』という話ではなく、まずは目の前のお客様を大切にすること、そしてその延長線に海外の方がいるなら挑戦してみて良いですし、『以外に簡単にできた』というお話でした。

海外からお問い合わせがあるならチャレンジする価値はあると思います。
来店したお客様が目の前で『これください!』と言っているのと同じですからね。

この話が少しでも参考になれば嬉しいです。

ぬま田海苔の越境EC、今年度中を目標に進めて参りますのでお楽しみに。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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《ぬま田海苔 合羽橋本店 店舗情報》
〒111-0035 東京都台東区西浅草3-7-2
05017459617
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