マガジンのカバー画像

108
詩です。
運営しているクリエイター

2023年4月の記事一覧

詩/ミディアムポエム:花曇り

花曇りの重ね塗りで 空の下地を忘れている 名付けられたことの安寧 上目だけの遊歩道 引力の死…

31

詩:カワタレドキの、また、カタワレドキの

 ぬ、ちゃり、   と、わたし、は、おまえ、は、  冷たさ、を、感じている、船 かはたれど…

28

詩:誕生日求ム

指の、ふしから先、に血が寄る。 積まれ、しばられた本たちの、重み。 紙塚を今作らんとする私…

26

詩:ミディアムポエム:戦場

そこに自画像を描くとすれば 春の陽はたちまちの内に 自らがひび割れるのを見る 鴨の上っ面が…

16

詩/ミディアムポエム:ヨーグルト

排水口を塞ぐ艶が 絹の豆腐のよう 美味しいものの 存在感を流している 部屋のすみで 数ヶ月も…

17

詩:首都高 間 環状線

御夢(みゆめ)の温床 起き抜けに火曜日の 水溶液を飲み干し という言葉では始まらない詩をや…

20

詩/ミディアムポエム:斑点

白い斑点がただれる 皮膚病の道を歩いていた 桜の幹に地蔵瘤が浮いている サ は神。 ヶ蔵。 が来るか、この予感か、 花奥にいるな!の、 遅刻がちな冬が現れる 駿 河 台 匂 スルガダイニオイ 下水へ、の柵に詰まる 花と枯葉の繊維質な抱擁 私の吹き荒れる斑点も あなたの凍土へ じき着床する