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夢分析

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2020年1月の記事一覧

夢詠

〈季節詠〉

冬ざれの沼地にひとり佇みぬ

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枯れ野原古き祈りや草木塔

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冬寒や子らの寝息ぞ夜に満つる

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枯れ草に雪は降り積む音なき夜

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寒き夕雲鋼色雀騒がし

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妖の宴や夜更の花の下

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五月雨の鉄路に照るはビル灯り

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こもれ陽や午睡の春に羽虫鳴る

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こもれ陽の揺れてラジヲのほの聞こゆ

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蝉喧

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夢の背後

まったく気にも止めていなかった前日の出来事が夢になって現れたことに驚いた。なぜ私的な関わりのほとんどないような人物が夢というプライベート空間で主要なプレーヤーになっているのか。またその夢の舞台は、これまたプライベートな場所だった。なぜその人物が、自分のプライベートな空間に押し入ってくるのか、さっぱりわからなかった。

A氏が我が自宅の玄関扉の向こう側で何か作業をしている。玄関扉の中央は透明ガラスに

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迷夢の展開

かつて帰り道がわからなくなるという夢を何度も見た。無数にあるバス停留所のうち、どれに並べばいいのか分からずウロウロと歩き回ったり、見知らぬ路線に乗ったのはいいが、車内の路線図に知っている駅名が一つもなくて困惑したり、遠い遠い見知らぬ地でどこへ向かっているのかもわからぬ電車に乗っていたり…今回の夢はそんな迷夢の続編となっている。

見知らぬ路線に乗っている。降りるべきターミナル駅を過ぎてしまったよう

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夢の隠喩としての夢

週末の会社で遅くまで残業している。本当に瑣末なことをして時間が過ぎる。そのうち社員の一人の机の引き出しが飛び出しているのに気づく。彼の机のなかや周辺を物色してやろうかという考えが頭をもたげる。いや、しかし、いつ誰が部屋に入ってくるかわからないのだから、それはダメだ、とも思う。たとえ周りに誰もいなくても、誰かがいるのと同じように振る舞え、とぼくは思う。壁に耳あり…ともいうではないか…そう思っていると

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