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読んだり、観たり、おすすめ作品とか

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記事一覧

こだわりの本屋が苦手_100日後にZINEをつくる、75日目

午後、ふと時間ができたので近所の本屋へ。 図書カードがあったので、Amazonで買わずに本屋でお金を使おう!と向かう。 ブックオフと並んで立つその本屋は、面積こそ大きくはないが、児童書から漫画、雑誌、文芸、人文、芸術書など、「人生を豊かにする」をコンセプトに幅広いジャンルとこだわりの選書が並ぶ、ザ・本好きが好きそうな本屋さん。読書が好きな人なら誰でも、家の近くの新刊書店が末永く営業してくれることを願うだろう。 とはいえ、わたしもずいぶん久しぶりだと思いながら店内へ。入口横

歌劇デビュー_100日後にZINEをつくる、76日目

「歌劇」というものを初めて観た。 小学校から配布されたお子様ご招待券。三浦しおん先生と『かげきしょうじょ』の影響で「宝塚、観たい!」の長女リクエストにより観に行くことにした。 そもそも歌劇団といえば、宝塚しか知らなかったので、行ってはじめて観に来たものが宝塚ではないことを知る。無知すぎて無礼。 「ハウステンボス歌劇団」なるものの存在をはじめて知る。 「ファンとの距離が近い」の名にたがわず、座席数550のシアターで観る舞台は表情までよく見える。カルメンを題材にした芝居の、

OSO18_100日後にZINEをつくる、78日目

年末に再放送した『OSO18 “怪物ヒグマ” 最期の謎』を観る。 本来、植物食であるヒグマが牛を襲い続け「怪物ヒグマ」と恐れられたOSO18。人間への警戒心が強く、罠を見抜き、「食べる」以外の目的でも牛を襲っていた。2023年の夏、OSO18が突如牧草地に現れた。逃げる様子も見せずに寝そべっているところを、あっけなく銃殺された。 ものすごいドキュメンタリーだった。堆肥の山を漁る取材班の執念もすごいし、現代の研究所の分析精度にも驚いた。そして、そこから導かれた結論に、なんと

積読の棚卸し_100日後にZINEをつくる、58日目

積読の山は今年も高くなる一方で、読みかけで放置している本も積読本なのか、1ページでも読んだら積読本ではないのか、過去の自分が読みたがったけど今の自分は「気分じゃない」と言ってる本は積読本なのか、もう積読本の定義がわからなくなっている。 まだ読まれていない大量の本の中にもスタメンがおり、最近買われたり借りられたりしたフレッシュな本はスタメン入りする。が、管理能力のない監督はスタメンを増やしすぎてスタメンらしい活躍させることができない。 要するに、わたしは自分が今読んでいる本が

読むこと_100日後にZINEをつくる、54日目

苦戦した課題を2本送信し、久しぶりに晴れ晴れとした気持ちになっていたら、ポストに来月提出期限の課題が3つ届いていてヒザががくんと折れる。 明日までにとうてい読み切れないだろうとあきらめていた文庫と向き合う。 あまりの面白さに手がとまらなくなる、なんてことはわたしの場合あまりなくて、その作品に対してスイッチがONに入りっぱなしになる。 頭がその世界とずっとつながってしまう。 「早く読み進めたい」よりも「ずっとここにいたい」気持ちになって、読んでは戻り、読んでは戻り、で進まな

映画『Coda』は美しい愛の物語なのか_100日後にZINEをつくる、48日目

ヤングケアラーの授業の一環で『Coda あいのうた』を観た。 第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門を受賞した作品なのでご存じの方も多いはず。 「海の町で暮らす17歳のルビーは家族の中でたった一人の健聴者であり、耳が聞こえない家族の通訳として家業を手伝っている。『ろう者でありながらも陽気で明るい家族』のケアを背負わされながらも、自分の才能を開花させて夢に向かって歩きはじめる」 このユーモアがちりばめられ、美しい歌声に彩られた映画を好きにならない人がいるのだ

役者漫画3+1選_100日後にZINEをつくる、41日目

北島マヤに憧れて中学校では演劇部に入ったわたしは、子どもの頃から演劇や俳優の漫画や本が大好物。 言わずもがな、の名作『ガラスの仮面』 未だに完結していない、演劇漫画の傑作オブ傑作。 1976年に連載開始し、2012年に49巻が発売されて以降休刊中。 小学5-6年生の頃にマヤに出会い、その才能に度肝を抜かれて自分でもパントマイムの練習をしたり、狼少女になってみたりした。 「嵐が丘」「たけくらべ」「真夏の世の夢」「ヘレンケラー」は『ガラスの仮面』で知ったつもりになっている

『ベイブ』を観て「ベイブ論」を読み始める_100日後にZINEをつくる、7日目

ここ数日かけて「ベイブ」を観ていた。 なんでZINEのためのホラーでなく子豚なんぞ見ていたかというと、柿内さんの新作「ベイブ論」を買ったから。 映画を再視聴したいま、俄然読みたい気持ちになってきた。 本の購入の際に「本を書くためにベイブを6-7回観ました」と柿内さんにきいて購入を即決したんだけど、映画鑑賞して改めて思う。 この映画で一冊書くなんてやっぱり正気の沙汰じゃない! わたしも「このひと正気の沙汰じゃない」っていわれるように生きていきたい。 ベイブの、あの吹替版

わたしをつくったホラー漫画3選_100日後にZINEをつくる、17日目

「恐怖」という人間の根源を刺激するホラーは、読んだ記憶を五感で覚えてる。 『漂流教室』楳図かずお 小学校3、4年生の頃に母が「懐かしいの買ってきた」と言って、『漂流教室』を全巻もって帰ってきた。 『まことちゃん』とか『へび少女』で楳図ワールドに慣れ親しんでいたわたしは、楳図先生の描く「ぎゃー!」の表情が大好きだった。 極限状態におかれた人間の本性が描かれるこの傑作は、「大人は大人だからって信用できない」ということを心底教えてくれた。 ”飛べば鳥になれる”と信じた低学年の