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読むこと_100日後にZINEをつくる、54日目

苦戦した課題を2本送信し、久しぶりに晴れ晴れとした気持ちになっていたら、ポストに来月提出期限の課題が3つ届いていてヒザががくんと折れる。

明日までにとうてい読み切れないだろうとあきらめていた文庫と向き合う。
あまりの面白さに手がとまらなくなる、なんてことはわたしの場合あまりなくて、その作品に対してスイッチがONに入りっぱなしになる。

頭がその世界とずっとつながってしまう。
「早く読み進めたい」よりも「ずっとここにいたい」気持ちになって、読んでは戻り、読んでは戻り、で進まない。

しかしこの本は明日までに読了するという目的がある。
進まないと。

興奮を鎮めるために、お馴染みの天気の悪い川にいく

こんなただの文字の羅列になんで心がうごくのか。
そもそもわたしは何を読んでいるんだろう。

文字を読んで、なにを見ているんだろう。

本を閉じたときに心に残っているこの気持ちは、物語の感情なのか、わたし自身の感情なのか。

風が強くて雨の降る寒い日はいつもより自分でいることに安心できる

本でも漫画でも映画でも、人のこころが変化するのに立ち会うのが好きだ。

好きになる、嫌いになる、絶望する、希望が灯る、反逆する、ひれ伏す。
憎しみが発酵していく様子や、愛が狂気に変わる瞬間もいい。

すべての人間の感情をあつめたら、流れていく川とか、海の波とか、そーゆーものと見極めがつかないんだろうな、と思った。

そう考えると、わたしの「本を読みたい」は、川を眺めていて「ちょっと手を入れて流れの強さを確かめたい」と欲求が湧いてくることと同じだなあ。

自分の皮膚に対して感じる抵抗感を確かめたい。
ああ、そうか。
その抵抗感を味わうことで、わたしはじぶんの境界を確認してるんだ。

そろそろ本に戻らなくちゃ。

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