マガジンのカバー画像

ケアとかフェミとか

13
運営しているクリエイター

2023年12月の記事一覧

平成の妻と令和の妻と、令和の娘_100日後にZINEをつくる、62日目

日曜のクリスマスイブ。午後中かけて日ごろのストレス発散とばかりにひたすらに作る。グラタン、ローストビーフ、ジャーマンポテト、リンゴのサラダ、ガーリックトースト、ガトーショコラ、フルーツヨーグルトクリーム。夫の友人とわたしの母を招いて、ホームアローンを観ながらたべる、みんなお腹いっぱいで幸せな時間。完成形の撮影はいつも通り忘れる。 食器を洗ってくれていた母と次女の会話が面白い。 「パパはなんにもしないくせにいばってて嫌だ。」 ー でも、パパが仕事してくれてるからみんな生活で

女の子でよかった_100日後にZINEをつくる、57日目

次女が突然言う。 「私男子じゃなくて、女子でよかったー!ってホント思う」 思わず、え?なんで?って聞き返す。 男子の方が得じゃん!って反射で返すわたしに、長女が横から「ママのそーゆー考え方もどうかと思うよ」って指摘。 いつも冷静に母の老害を指摘してくれる人が傍にいてくれて、ほんとに腹立つ幸せ。 次女の話にはいつも羽が生えているので、言葉を捕まえて中身を検分することが非常に困難なのだが、要するにこうゆうことらしい。 男子の友達づきあいは大変そう 私は何でも似合うから、お

毒とケアと甘やかし_100日後にZINEをつくる、53日目

次回最終回の「心のケア入門」の講義動画を視聴する。 今回のテーマは「よいケア(お世話)と悪いケア(おせっかい)について」。 対家族、対友人、対恋人など、ケア職であるかどうかに関わらず誰しも直面する問いであったので、いつもより前のめりできく。 この補助線が1本引けるようになったことは、わたしにとって非常に大きい。 子どもたちに対してよかれと思っての行動が、感謝となる場合と、逆ギレされる場合の境界がいまいち理解できていなかった。 学校で嫌な思いをした話をきく。 わたしは「自

利己と利他、どちらがよりしあわせか_100日後にZINEをつくる、51日目

気のおけない友人と「結局、嫌われる勇気を発動して自分の幸福を追求することが一番幸せになれるのかもね」という話をしていた。 しかし自分にとって大切な存在ができたときに「自分だけが幸福を追求すること」は果たして幸せなんだろうか。という問いを抱えたまま夜の家事タイムに突入。 食器を洗いながらぼやぼや長女に尋ねてみる。 ねえねえ、「自分の幸せを100にすることに集中する家族」と「みんなが妥協したり譲歩しあって50の幸せを保つ家族」どっちが幸せ? うーん、と悩んだのち彼女の答え

ふつうのつながり_100日後にZINEをつくる、50日目

午前中から立て続けに2本打ち合わせが入り、気がつけば腹ペコで午後になっている。 合間に精神科の公衆電話から電話が入る。 こんなやりとりを何回くりかえしているだろうか。 絶望の淵にたっている人をすくい上げることなんて、誰にもできないことを日々痛感する。その人が、自分で這い上がってくるのをまわりは待つことしかできない。 明日急に駆け上がってくるかもしれないし、一生淵にたたずんでるかもしれない。 それをただ一緒に待つしかできない。 身近な人が突然絶望の穴に落ちてしまったと

映画『Coda』は美しい愛の物語なのか_100日後にZINEをつくる、48日目

ヤングケアラーの授業の一環で『Coda あいのうた』を観た。 第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門を受賞した作品なのでご存じの方も多いはず。 「海の町で暮らす17歳のルビーは家族の中でたった一人の健聴者であり、耳が聞こえない家族の通訳として家業を手伝っている。『ろう者でありながらも陽気で明るい家族』のケアを背負わされながらも、自分の才能を開花させて夢に向かって歩きはじめる」 このユーモアがちりばめられ、美しい歌声に彩られた映画を好きにならない人がいるのだ