女の子でよかった_100日後にZINEをつくる、57日目
次女が突然言う。
「私男子じゃなくて、女子でよかったー!ってホント思う」
思わず、え?なんで?って聞き返す。
男子の方が得じゃん!って反射で返すわたしに、長女が横から「ママのそーゆー考え方もどうかと思うよ」って指摘。
いつも冷静に母の老害を指摘してくれる人が傍にいてくれて、ほんとに腹立つ幸せ。
次女の話にはいつも羽が生えているので、言葉を捕まえて中身を検分することが非常に困難なのだが、要するにこうゆうことらしい。
男子の友達づきあいは大変そう
私は何でも似合うから、おしゃれの幅が広い女子でよかった
女子はホルモンの影響でからだが柔らかくなるから、どんなに頑張っても筋力では男子に勝てないから、強い男子の攻撃の対象から除外される
男子に想像できない「生理痛」を言い訳にできる
とりあえず、わたしは自分の口を閉じるために、目を閉じる。
12歳の彼女に40歳のわたしの言い分をぶつけたり、援交時代を女子高生として過ごした女の恨みを理解してもらう必要もない。
2と4に関しては、性別とは関係なく、ただの彼女の強さなので「うん」としか反応できず。
生理痛を武器にするって発想。SNSに落としたら「そーゆー女がいるからほんとに辛い人が仮病扱いされる!」って声で燃え上がる様子を想像してしまい、思わず笑ってしまう。
「生理」って言うのが恥ずかしいから体調不良を隠したい、ではなく、毎月抱える不調を使って何かを得ようとするガッツには個人的にサムズアップしたい。(でも友達にはなりたくない。)
興味深いのは、1。
中学生女子の目から見て、男子の友達づきあいが「大変そう」と映っていることにまず驚いた。昭和生まれのステレオタイプ思考では、「中学生女子こそ、人生で一番友人関係でごちゃごちゃ悩む時期」だと思っていたから。
なにが大変そう?と聞くと、
「なんか、対応とか?なんかあ、いろいろ?6年のときとかも思ってたじゃん?、、なんか、」
!!!
やばい!思考が言葉になる前に飛んでいってしまってる!カムバーック!!
といくら母が願っても、彼女の頭はお空と繋がってしまっているから、カムバックしてくれたことは一度もない。
それでも言葉の断片を拾ってみると、どうやら「男子同士のいじりとか、強くあたられても痛くないふりをしなきゃいけないコミュニケーション」のことをいってるらしい。(憶測)
「男子っていつまでも子どもっぽくて馬鹿だよね」って目線じゃなく、「そのコミュニケーション大変そう」って視線を向けているとは。
正直、わたしが「男同士の世界も大変だな」って思ったことは学生時代に1度もありませんがな。(新卒で入社した会社で、同じミスをしても男子だけ上司に蹴り入れられていて、男って大変、って思ったのは覚えてる)
問題、というか、危うくないか?と感じてしまったのが、3。
わたしは「腕力ではかなわない」からこそ、ふたりきりになることに構えてしまったり、油断しないように、と警戒するんだけど。
彼女は「力が強い人は、自分より力が強い相手に力を使う」って考えているようだ。
これは、わたしが普段「本当に強い人は自分より強い人にしか力を行使しないから、弱いものを狙う奴はチキンだ。」って言ってることが影響してる??わからない。
男子が男子にパンチしたら「遊び」に捉えられるけど、男子が女子にパンチしたら学校から連絡が入る、ってことを言ってるのかな。わからない。
でも、彼女自身に男性への警戒心がないかというとそんなことはなくて、むしろ大人の男性に対しては針を逆立てたハリネズミばりの距離感でしか関わらない。世の中に子どもに性暴力をふるう大人が少なくないことも彼女は知っているし、そもそも人間自体あんまり信用していない。
うん、やっぱり親であっても子どものこころの中はわからない。
わからないけど、今日現在においては、彼女が自分の性を肯定して生きているということはわかった。よかった。
「男ってそうだよね」「女ってこうだよね」じゃない目で世界を見ている彼女には、母や父はどう映っているんだろう。
考えを聞いてみたいんだけど、気まぐれな彼女の言葉が、天から降りてきてくれるのを待つしかない。
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