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「被災した」あの日から3カ月。現状と前に進むための行動②

前回の記事を出してから、自分がどんな立場で発信したり、行動を進めていけばいいか、いろいろ考えてしまい筆が進まなかったため2カ月ぶりの更新となってしまいました。

いろいろと進展があったり(なかったり)するので、2月1日から現在までの進展や情報などを記録的に書き留めておこうと思います。

罹災証明の判定結果「全壊」

申請から約1カ月経った2月2日、罹災証明書がようやく発行され「全壊」の判定を受けました。「全壊」と言われると潰れちゃっていることを想像すると思いますが、そうじゃなくても全壊の判定になります。そして、この判定結果が、今後の国から支援に大きく関係していくことになるので、もし以下に当てはまる人はもう一回調査に来てもらった方がいいかもしれません。

私調べなので、詳しくは内閣府のページを参照してほしいのですが、
①地盤:家直下の地盤に亀裂があること
②家の傾き:1/20(だいたい3°)以上の傾きがあること
③屋根:全体にずれ、破損、落下があること
④壁:外壁がはがれている、落ちていること
⑤基礎:基礎が割れて分割していること

https://www.bousai.go.jp/taisaku/unyou.html

①②に当てはまれば全壊判定になる可能性が高く、③以降は家全体の割合を見て判断になるので、北陸は大きな家が多いので、被害の割には軽い判定になってしまうことがあると思われます。

実家は直下の地盤に亀裂があることと家の半分が20センチほど沈んだことが「全壊」の判断材料になったと思います。

家屋の片付け

2月6日、VUILDメンバーが実家の片付けを手伝いに来てくれました。実家は新築での建て替えを考えていますが、まったく新しいものに作り替えるのではなく使えるものは再利用し、家の記憶として残していくことを考えています。北陸の家の特徴でもある井波彫刻の欄間など象徴的なものは家から取り出し保管しています。

欄間をレスキュー
3Dスキャン
ついでに簡易地盤調査も実施

家屋解体のハードル

「半壊」以上の判定を受けた家屋は市が所有者に代わって解体・撤去を行う公費解体制度があります。

公費解体は、自治体が解体の段取りを進めてくれるので、実費での費用負担はありませんが、公費解体開始から2年間の期間で解体がいつになるのかはわかりません。そして公費解体をするには自分で家の中を空っぽにしておく必要があります。重い家財の搬出はそもそも高齢者世帯では難しいですし、応急判定で「危険(赤紙)」と貼られている家屋は原則立ち入りしてはいけないことになっているので、家の片付けはなかなかハードルが高いと思います。

自費解体は、一時的に費用を負担する必要がありますが、早く解体することができます。ですが期限はあり、令和6年6月30日までに解体業者と契約し、令和6年9月30日までに、市に申請しないといけません。この時期の解体業者はどこも忙しく、業者が見つからない可能性も高く、費用も増額する可能性もあります。しかし、自治体が決めた一定額を超えた分は自己負担になるため、費用負担が増えるリスクがあります。

私の実家は、自費解体で進めることを決めて、運よく業者も見つかり、4月15日より解体が始まることになりました。

通常だと災害ボランティアさんに家の片付けなどをお願いできたりするようなのですが、今回の能登半島地震では、災害ボランティアさんがぜんぜん足りていないとよく聞きます。自分で安全確保しなくてはいけなかったり、最低限の生活は自己責任で被災地に入らないといけなかったりとかなりハードルが高いようです。

羽咋市の災害ごみ仮置場は3月17日(日曜日)で閉鎖しました。(今はリサイクルセンター(クリンクルはくい)への自主持込は可能になっているようです。)実際に解体予定で家屋を片付けできた家はどれぐらいあるんだろうかと思います。

みなし仮設住宅へ入居

みなし仮設住宅とは、賃貸型応急仮設住宅のことを言います。条件に当てはまる人は石川県が決めた条件内の賃貸に2年間の期限付きで入居することができるというもの。

被災証明で「全壊」の判定を受けたので、まずは先の安心が確保できる家への引っ越しをすることにしました。たまたま実家から車で5分もかからないアパートに空室があり、運よくスムーズに入居することができました。

それが2月23日。

1月1日の震災から、親戚の家にお世話になったり、被災家屋に戻ったりといろいろありましたが、ようやく心配なく生活できる場所を確保することができている状況です。

これから実家再建、本スタート

令和6年能登半島地震に伴う被災者生活再建支援法等に基づく支援制度があります。そう、家の建て替えなどに充てていい支援金。これがなんと、全壊判定で「300万円」・・・。「え?0がひとつ足りないんじゃない?」という金額なんですね。

支援金はほぼ頼りにできないため、地震保険に加入していない家は、借入で建てるか、貯金を切り崩して建てるかの選択になります。私の実家はもちろん地震保険なんかに加入しているわけもなく・・・。

まあ、そんなこんなでいろいろ山あり谷ありですが、弊社VUILDの住宅プロダクト「素人でもつくれる高品質住宅:NESTING」をつかった自主再建を目指して設計を進めている状況です。

3月23日には、家族と一緒に段ボール模型をつかったラフなプランニング検討を行い、ちょっとずつ前進しているところです。

石川県は雪が降るので積雪荷重を考慮したモデルに変更したりなどが必要で、5月着工予定でしたが、そんなにすんなり進むわけもなく、6月末ごろ着工でいけるか?というスケジュール感になっています。

また呼びかけをするので、石川県にあそびに来るついでに家を建てる手伝いに来ていただけると嬉しいです。

調べたことやNESTINGの進捗なども定期的に更新していきたいとは思っていますが、なかなか後回しになりがちなので、コメントやいいねなどでお尻をたたいていただけると嬉しいです(笑)

VUILD×21美の復興支援プロジェクトも進行中

3月30日・31日に金沢21世紀美術館で地震の被害にあった能登・七尾の一本杉通り商店街に届けるスツールをみんなでつくるワークショップを開催しました。本当にたくさんの方に参加いただいて、午前中には当日予定分が完成してしまうというような盛況ぶりでした。

あたらめて能登に行きたいけどハードルが高いこともあり、少し離れた金沢からライトに支援ができる機会があることや支援したいという思いをかたちにして届けることの大切さを感じた2日間でした。

みんなでつくったスツールは4月7日の一本杉通り復興マルシェでさっそく使われる予定です!ぜひ復興マルシェにも足を運んで応援をお願いします!

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