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連続ブログ小説「南無さん」

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あなたが深淵を覗くとき、深淵もまたあなたを覗いている。
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2020年7月の記事一覧

連続ブログ小説「南無さん」第十二話

 カチャーン。という音が屋敷中に響き渡り、庭で囀っていた雀にもこれは聞こえたらしい。彼らは驚いて塀の上へ飛び上がった。

 しかし、南無さんの家には割れそうなものはもうないはずである。というのもすでに、いずれの茶碗も南無さんが己の雁首にひっかけてぐるぐる回しているうちに戸外へ飛び出して行って、待てど暮らせどひとかけらも帰ってこなかった経緯があるからだ。

 カチャーン。カチャーン。

 では何の音

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