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連続ブログ小説「南無さん」

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あなたが深淵を覗くとき、深淵もまたあなたを覗いている。
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2019年10月の記事一覧

連続ブログ小説「南無さん」第十一話

 両の乳首から抜け落ちずに伸び続けた一本ずつの長い長い乳毛を胸骨のあたりで蝶々結びにして愛でていた南無さんが、往来でつまずいた拍子にすべてを無に帰してからすでに一月が経った。南無さんは己が蝶よ花よと育て上げた乳毛が道半ばにして千切れてしまったことでショックのあまりその場に倒れこんだままその月日を過ごしていたのであるが(道半ばとは言うが終にはどこへ向かおうとしていたのかは南無さんのみぞ知ることである

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