【アカデミックスキルズ⑩】プレゼンの「三原則」と「型」
こんにちは!名古屋大学附属図書館サポートデスクの院生スタッフです。
課題レポートを書いたあとに、授業によってはプレゼン(発表)をします。大学でのアカデミックなプレゼンは、みなさんが思い浮かべるプレゼントとは違うものかもしれません。
今回の記事では、大学でのプレゼンの三原則と、プレゼンの型についてお伝えします。プレゼンの準備にとりかかる前に、ぜひ読んでください。
大学のプレゼン「三原則」
「大学のプレゼン」は、企業のプレゼンに比べて淡々と進行します。企業プレゼンでは、「人を動かす」ために、印象的な挿話・情緒的な話し方がよく用いられます。しかし、このような技法は、情報を簡潔に・正確に・客観的に、伝える学術の場では不適切です。話すことが苦手で不安な学生が多いと思いますが、雄弁に語る必要はありません。「大学のプレゼン」では、ルールに沿って正しく準備してあれば、相手にちゃんと伝わります。
大学のプレゼン「三原則」 内容を正確に伝えるために、大学のプレゼンでは以下三点を守りましょう!
1.脱線しないこと!
発表の目的を明確にして、必要なことだけ発表するようしましょう。発表の目的、つまり「聴き手に知ってもらいたいこと」を明確にしましょう。伝えたい内容を確実に理解してもらうためにも、例えば関心を引くための小話などの、不要な情報は入れないようにしましょう。
2.演出に凝らないこと!
形式を守って、分かりやすいスライドを作りましょう。
聞き手の関心を引くために工夫すべきは内容です。見せ方で興味を引く方法はやめましょう。変に凝った演出をしようとすると、プレゼンが見づらくなるだけではなく、場合によっては混乱や解釈の違いを招いてしまいます。
また、慣れないうちは、見つけた情報をただ羅列したような発表になりがちですが、情報は目的に沿ってきちんと整理して並べると、聴き手に効果的に伝わります。
3.聴き手に解釈を委ねないこと!
プレゼンにおいて掲示した情報は、発表者が全て丁寧に説明することで、文章や図表の意図を明確に伝えましょう。
例)スマホの新製品発表会にて。スライド中にピンボケ写真の画像を挿入した場合。
×「大事な旅行でピントずれて思ったように撮れなかったこと、みなさんはありませんか?」
→スライドに挿入された写真は、従来のスマホで撮影した写真なんだ(最新のスマホはピントが正確に合う機能をもつのかな?)と予想できますが、あくまで”聴き手の解釈”です。
〇「これはA社スマホのオート撮影モードで東京の風景を撮影した写真です。ピントが合っていません」
大学プレゼンの基本の型
プレゼンの型
研究発表の進め方には領域ごとに決まった「型」があります(研究分野によって形式は異なります)。 しっかりと型に沿った構成だと、相手にプレゼンの内容がより伝わりやすくなります。
また、例えばプレゼンが欠かせない学会発表では、持ち時間は10~15分間程度(※発表時間は研究分野・学会によって異なる)で 1 年以上の成果を相手に伝えようとします 。そのためいかに短く、簡潔に、内容を伝えるかが大切なポイントになります。
理系の研究発表の場合を例に挙げると、背景・目的・方法・結果・考察・まとめ 、という流れが「基本型」となります。
例1の場合、具体的には以下のような構成になります。
このように「型」に沿ったプレゼン構成は、話の流れがきちんと繋がっていて、内容が伝わりやすく、かつ効率的であることが特徴です。特に教員やTAには、見慣れた構成で報告すると、より効率よく伝えることができます。
「型」に沿ったプレゼンに加えて、短く・簡潔な文章が、内容を伝える“鍵”でもあります。
プレゼンを行う際は、学術分野に沿った「型」を意識しましょう!
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