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【オススメ図書②】卒業論文のこと考えてますか

こんにちは!名古屋大学附属図書館サポートデスクの院生スタッフです。

提出の締め切りがせまる4年生はもちろん,3年生のみなさんもきっと気になっている大仕事「卒業論文」。

今回は「卒業論文って何なの?」という素朴な疑問から,具体的な作業のプロセス,洗練された論文に仕上げるための最終チェックに至るまで,みなさんをサポートしてくれそうな本を集めました。



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1. 卒業論文って何?

論文は明確なルールがある作文です。書くための時間を十分に確保し,決まった手順をふんでいけば,だれにでも書けます。文章を書くのが苦手でも大丈夫。自分の専門領域の論文や先輩の卒論で仕上がりイメージを確認したら,こんな本を読みながら「何を満たせば論文になるのか」理解しましょう。

戸田山和久
論文の教室 : レポートから卒論まで
新版.  NHK出版, 2012』


■ まずは第2章(ぜんぶで15ページ)を読んでください。論文という作文ジャンルの基本ルールがわかります。論文ならではのややこしい約束事を軽妙な語り口で説明してくれる定番本です。特に入門段階の人におすすめ。』

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学3F,816.5|To ] 
酒井聡樹
これからレポート・卒論を書く若者のために
第2版. 共立出版, 2017


■ 具体例の多さが特徴的な本。卒論ってどんな感じの文章なんだろう?と,雰囲気をつかみたい人におすすめします。第1章(ぜんぶで10ページ)「レポート・卒論とは何か」を読めば,学術文書の条件がわかります。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学3F,816.5|Sa ]、[ 名古屋大学附属図書館|電子書籍 Maruzen eBook Library ]


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2. 具体的な作業のプロセス

まずはもくじをつくり,論文の全体像=作業の総量を把握しましょう。論文の構成は領域により異なりますが,どんな領域にも共通するのは,研究には「目的」,「問い」,「方法」,「答え」があるということ。それらをどんな手順で考え,表現すればいいのか,こんな本を参考にするのはどうでしょう。

白井利明・高橋一郎
よくわかる卒論の書き方
第2版. ミネルヴァ書房, 2013

■ 第6-7章を読むと,研究・執筆の進め方,必要な作業の全体像がわかります。何から手をつけたらいいかわからない人,始めてみたけれど行き詰まってしまった人におすすめ。もくじが細かいので,調べながら書く際にも便利に使える本です。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学3F,816.5|Si ]、[ 名古屋大学附属図書館|電子書籍 Maruzen eBook Library ]
ケイト・L・トゥラビアン編
シカゴ・スタイル研究論文執筆マニュアル
慶應義塾大学出版会, 2012


■ 最初の30ページを読めば,研究を計画するために必要な作業を概観できます。特に,研究の目的・意義を他人に理解してもらうために何をどう説明すればいいのかが,丁寧に解説されています。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学3F,836.5|Tu ]
見延庄士郎
理系のためのレポート・論文完全ナビ
新版. 講談社, 2016


■ 自然科学・実験系の学生におすすめ。卒論執筆プロセスを「論点の整理」「文章書き」「チェック」の3つに分けて説明しています。論文として「わかりやすい」文章を書くためのアドバイスが豊富なので,文章表現を学びたい人にも役立ちます。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学3F,407|Mi ]
ウンベルト・エコ
論文作法 : 調査・研究・執筆の技術と手順
而立書房, 1991


■ 人文系の学生を主な読者と想定していますが,他領域の人にとっても価値ある本です。見通しをもって着手し時間内に仕上げるために前もって考えておくべきこと・決めておくべきルールがわかります。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学3F/4F,801.6|E ]
井下千以子
思考を鍛えるレポート・論文作成法
第3版. 慶應義塾大学出版会, 2019


■ 論文作成のプロセスを「テーマを決める」「調べる」「組み立てる」「執筆する」「点検する」の5つのステップに分け,その間の往復運動として説明しています。作業の指示が明瞭なので,何をしたらいいか見当もつかないという人にもおすすめできます。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学3F,816.5|I ]


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3. 最終チェック

誰の書いた論文であっても,書き直しは必要です。
書き直しでは,表現上の誤りを修正するだけでなく,より明晰な説明になるように,文章を構造的に検討しなければなりません。「卒業できる論文」のさらに上を目指したい人,せっかく書くんだから良いものに仕上げたいという人におすすめしたいのがこれらの本です。

ハワード・S・ベッカー
ベッカー先生の論文教室
慶應義塾大学出版会, 2012


■ なぜ「書き直し」が嫌われるのか,それでも「書き直し」が必要なのはなぜなのかを説明した本です。論文というジャンルで良い文章だと評価されるために,何に注意すればいいのかがわかります。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学3F,816.5|B ]
澤田昭夫
論文のレトリック: わかりやすいまとめ方
講談社, 1983


■ 「第十四章 だめな論文からよい論文へ」を読んでください。特に「ロジックが良くない」という批判をされがちな人,指導者による修正の意図がよくわからない人にとって,ためになる解説が見つかるはずです。

[ 名古屋大学附属図書館|配置 / 請求記号 中央学S,816.5|Sa ]


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