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【アカデミックスキルズ⑧】文献を見つけるにはどうしたらいい?

こんにちは!名古屋大学附属図書館サポートデスクの院生スタッフです。

前回までの記事では、文献を探す方法として「大学図書館を利用する方法」と「 インターネット検索で探す方法」の2つを紹介しました。

文献を探す方法がわかっても「何を探したらいいのかわからない…」、「どういうふうに探したらいいかわからない」、そんな悩みを抱えていませんか?

文献はいきなり探し始めてもなかなか目当ての文献に辿り着くことができません。探し始める前に行うとよいこと・具体的な例からどんな方法で探すとよいかを解説します。


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調べる前の準備

文献を探すためにはどのような文献が今必要なのか把握していないと、なかなか得たい情報にたどり着けません。また調べるための手がかりがないと大量にある文献から欲しい情報を見つけ出すことができません。

図書館やデータベースなどで調べる前には文献を探すための情報を準備する必要があります。実際に調べる前に検討しておくとよいことを2つのステップで説明します。

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Step1:調べる目的の明確化

文献を探すときは、頭の中を整理しましょう。実際に調べる前に調べる目的を明確にします。

レポートや発表をどんな内容で作成しようと考えているのか、そのために何が足りなくて、どのような情報が欲しいのかを考えます。このとき、 課題内容や自分の講義ノート、メモも含めて、情報を整理しましょう。


Step2:調べるための情報の検討

調べる目的が固まったら、次は調べるための情報を検討します。図書館やインターネットで文献を調べるためには、キーワードとなる情報が必要です。

Step1で明確にした目的をもとに、該当するキーワードを考えます。このときに参考になるのが、講義で使用した教科書や講義資料です。教科書を書いている著者名や講義資料にある専門用語は文献を探すときのキーワードになります。


Step3:実際に文献を調べる

2つのステップで検討した「調べる目的」と「調べるための情報」をもとに、今必要な文献を実際に調べます。


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具体的な場面から考える

それでは、文献を探すときによくある3つの具体的な状況から考えてみましょう。

1. 好きなテーマで調査・発表するよう指示され,まずはどんな話題があるかを知りたい

領域だけが決まっていて、どのような話題があるのか分からない/知りたい場合には、2つの方法で調べてみましょう。どちらの方法も文献を探すときに良く使う方法なので覚えておくとよいです。 

1つ目の方法は,ブラウジングです。ブラウジングとは図書館や書店で図書や雑誌の背表紙を見て探したり,雑誌の目次を目で見て探したりすることです。直接書架に行き、次々本を手に取って眺めてみましょう。一般書店でも有効です。また、学術雑誌をパラパラめくるというのも手です。 

2つ目の方法は,チェイニングです。チェイニングは参考文献リストにあった文献を読むというセットを繰り返して、次に読むべき文献を芋づる式にたどることです。教科書や講義資料にある参考文献をスタートにしてどんどん文献を探していきましょう。


2. レポートの書き方がよくわからず,不安(方法がわからない場合)

レポートの書き方が分からない場合は、研究ノウハウをまとめた書籍をおススメします。 OPAC (図書館の蔵書検索)ページで「レポート」「研究」「ライティング」などといったキーワードで検索すると、レポートの書き方や心構え、注意点を説明した書籍が見つかります。

レポートを作成するために、レポート課題に関連する内容の文献ばかり調べてしまいがちですが、相手に伝えるためにも、ルールや技法を学ぶと良いです。一度レポートの書き方や研究ノウハウをまとめた書籍を読んでおくと、1回のレポートだけではなくそれ以降のレポートを書く時にも助けになります。

レポート課題が出てからでは、レポートに関する文献も読まないといけないため時間をとるのが難しくなります。そのため、大学入学後すぐの時間があるときやレポート課題が出る前から読んで準備しておくとよいです。


3. 主張したい考えを持っていて,他の人の意見と比較したい(特定のテーマに関する先行研究を調査する場合)

テーマに関する先行研究を調査する場合は、本や論文をどんどん探すことになります。自分の意見を支持するものだけでなく否定するものも読んで、テーマの客観性や論点などを把握すると良いでしょう。

このときおすすめの方法が先ほど紹介したチェイニングです。自分と考えの似た文献・または対立する考えの書かれた文献があるなら、その文献の中で引用されている文献を一通りチェックすることが有効です。


3つの具体的な状況について説明しました。文献探しに困ったときは、3つの状況のどれに自分が近いかを考えて参考にしてみてください。


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