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[東京ヒゴロ]マンガ読んだよ

何年振りにマンガを読んだ。
書店員として、コミック担当をしているが
マンガは読んでいなかった。
昔はあんなに読んでたのに。
YouTube Netflix プライムビデオ等、無料やサブスクの時間が増えていた。
仕事をしながら マンガはこのまま衰退していくのかなとか思ったり。
みんなのおこづかいは増えてないのに マンガは高くなり
費用コスパや時間コスパが良い娯楽が増えていく
その娯楽はマンガより共有がしやすかったりするから手強い

マンガは毎日大量に新刊が出る
もう読者は把握できないぐらいにだ。
把握している人は居ないであろう

もう自分では選べない

信じてる人がおすすめしてた
アニメで見た
snsのバナーで見た
なにかの後押しが無いと選べない
おこづかいの弾は限られているのだ
失敗はできない

失敗なんていい事ない
失敗なんて笑えない
そんな声が聞こえてきそうだ

大きな広告と共有の流れの中で
売れるマンガの集中化が行われる

私はマンガの売り上げを見て
そんな流れの中細々と売り上げを持続しているマンガを見つける事ができる
そのマンガこそ面白いマンガなのではないかという仮説を立てた
というのも 新刊が出て1ヶ月から1ヶ月半ほどはどの新刊達も元気が良いのだ
しかしそれを過ぎると運命が分かれる
棚差し1冊になってしまうマンガや
面陳(3冊ぐらい)や平積み(それ以上)や
ストッカーに余剰分をしまってもらえるマンガに別れていく
更に1ヶ月過ぎればまた状況は変わる
お店に置いておくべき冊数は基本的に少なくなっていくのが大半だ
それは買ってない人々の記憶から消えていくからだ
置いておくべき冊数が増えるのは本当に稀なのである
そんな中、新刊発売時や話題になった時から低空飛行を続けるマンガがいるのだ
こういうマンガを支えているのはなんなのか
もちろん広告などの力もあるだろうが
そこになにかジワジワと人々の記憶に伝わり続けるパワーを感じている

肝心の所が論理的で無く申し訳なく思う
しかしそう感じている

今回マンガを買うきっかけになったのは
マンガレビューを書きたいなと思っていたのもあるが
YouTubeのおすすめに出てきた
宮崎駿
手塚治虫
藤子不二雄
トキワ荘のドキュメンタリー動画達だった
みんな狂っていた
30分しか寝てないとか
72時間完徹とか
原稿が出来るまで部屋で待ち続けるとか
借金取りを別室に待たせてマンガを描くとか
マンガの新刊を仕入れに全国各地から神保町に全国の書店員が朝並ぶとか
もうクレイジーで信じられない
FAXが出始めた様な時代にとんでもないエネルギーで日本が動いている様に感じた

そんなエネルギーが注がれたマンガというものをもう一度読んでみようかなと後押しされたのだ

高度の違いはあれ
低空飛行を続けるマンガ
そういうマンガを3冊買った
3000円以上だった
まず思ったのが「高けぇ!!」
声に出した「高けぇ!!」
大判コミックが2冊入っていたのもある
東京ヒゴロは1500円だ
高けぇよ
私は後悔した
他のコスパの良い娯楽が頭をよぎる
でももう買ったのだ

家に帰って読む
あー
そうだね
紙のこの感じ そうだね
よく電子マンガ派と紙派の話があるけど
そうねー紙だなぁと思った

読み進める

久しぶりにマンガの世界に入った
こういう感覚あったよな
昔は映画とかでも感じていたけど
最近そういえば無くなっていた感覚
映画を見てる自分がいるんじゃ無くて
映画の中に入って心配したり喜んだり不安になったり
終わってしまうのが嫌で最終回を見れなかったり
マンガの世界に入った夢を見て目が覚めて悲しくなったり
そういう気持ちの変動が疲れるし傷つくから遠ざけているのかも
現実で疲れてマンガでも疲れる想いはしたくない人達も増えてるのかもな

久しぶりにマンガを見てその中に入れた

全てのコマが額縁に入れても違和感ないぐらい
味がある
便利な味って言葉で表現してるけど
おそらく誰しもが見てる景色 仕草 表情
それが正確に描かれているわけじゃなくて
みんなの記憶の中にある感覚の中の景色などを描いている様に感じる

傘が風で天高く飛ばされていくシーンで
あぁなんてこったって思う反面
あんなに高く飛んですごい
大雨の日に傘もささずに下校した事を思い出す

こういう路地あるよなーとか
猫ってこういう仕草するなぁとか
こういう怒り方する人いるよなあとか
この人いま心ここにないよなーとか
そういう事を感じさせてくれる
簡単に言えば
そこに世界がありそこに生きている人がいる事を私なんかに感じさせてくれる

私の親に読ませたら
わたしにはわからないポイントで喜んでいた
自分が昔読んでたマンガが背景にうつっていたり流行ったギャグを見つけた様だ
それだけでも奥深さを感じる

どういう話の内容かは書く気は無い
ただ面白いと思う
面白くないと思っても10年したら
面白く感じれると思う
それまでしまっとこう

面白いと思ったから同僚に早速貸してみた
こうやってほいって貸せるのが紙のいいとこでもあるなと気づいた
その同僚がどういう感想を言うのかも楽しめる

なんだなんだ
いろいろ楽しめるじゃないか
全然高くない気がしてきてる

ひさびさにマンガを読んだっていうレビューでした
またレビューします

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