181102_永観堂

京都

 京都にいる。
 お盆休みの初日に、大学時代の恩師に会うために来たぶりだ。

 昨日、京都入りしたその足で、その恩師に会った。
 というか、他の予定で京都に来る予定があり、早めに入ってその恩師が担当しているゼミ、すなわちわたしが卒業したゼミに遊びに行った。

 ちょうどお昼時。京都駅から、宿を経由して、大学へ。
 京都市内の交通手段は圧倒的にバスである。3年前までは何系統に乗ればどの方面に行けるか諳んじていたのに殆ど覚えていない上、増える観光客に対応してか「52」とか見覚えのない番号をつけたバスも走っている。バス一日券は少し値上がりしてしまった。
 ちょっとの間にいろいろと変わるものだ。それとも、わたしのちょっとは、京都にとってはちょっとじゃないのかなあ。千二百年の都、京都さん。

 それから、ゼミに顔を出して、現役生と話をしたり、恩師と話をしたり。
 晩ごはんまで一緒にしてくれた。同期もやってきてくれた。

 そんな時間を過ごしながら、すごく不思議な感覚もあった。
 いま、わたしは京都には住んでいなくて、学生ではなくて。
 確実に、東京に住まいがあって、会社員という身分があり、わたしの暮らしと人生がある。
 いいとかわるいとか、わからないけど、ちょっと落ち着かない。

 今日もその不思議な感覚を、胸の下、きゅっと窪んだみぞおちに携えながら過ごした。
 訪れた光雲寺はそんなに大きな塔頭ではなかったのに、今日の私には大きく広い場所だった。
 みぞおちの痛みも含めてわたしを迎えてくれ、冬の気配も感じられる少し冷たい空気がすっと身体の中に入ってきた。

京都はやっぱり変な場所だ。
すごく好きな、不思議な場所だ。もうちょっと、一人で。


◎写真は光雲寺じゃありません。じつは。永観堂です。
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この度は読んでくださって、ありがとうございます。 わたしの言葉がどこかにいるあなたへと届いていること、嬉しく思います。