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2022.11.05〜06 徳島線・土讃線

四国に残るキハ40、キハ47を使った臨時列車が仕立てられると聞いた。かつての急行が土讃線と徳島線を駆け抜ける秋のイベント。なんと4両編成でタラコと四国色だという。ロケーションの良い土讃線区間に、目立つ被写体が走ると聞けば食指は動く。仕事終わりにダッシュで新千歳に向かい、神戸空港から陸路で四国入島を果たした。 まずはロケハンも兼ねて、4連でおなじみ特急剣山2号からスタート。日の短い時期ゆえ影落ちは覚悟の上だが、なかなか厳しいものがある。天気は上々、しっかり抜けることを確認し、

2022.11.05〜06 とさでん交通

せっかく高知に来たんだから、JRの撮影だけで終わるのはもったいない。伊野の山から降り、3年ぶりにとさでんを撮ることにした。コロナ禍を経て、末端区間の運行本数が半減してしまった伊野線。撮りにくくなってしまったのは難儀だが、それでも列車が走っていることがありがたい。 撮影場所は伊野線最大の見せ場、朝倉の狭隘区間を選んだ。最初にやってきた伊野行きは広告こそあれど原色車。望遠の効果を最大限利用し、狭い道の真ん中をそこのけそこのけと走る姿が見たいのだ。続いて登場したのはラッピング車だ

2022.04.17 高徳線・徳島線・鳴門線

夜のうちに瀬戸大橋を渡り、健康ランドで一夜を明かした。横で寝られるのは人類にとってとても良いことである。体力もそこそこ回復して迎えた翌朝、天気も存外悪くなかった。この日も狙いはキハ40とキハ185。先週と同じではあるが、撮りたいんだから仕方ない。 まず向かったのは香川県の火山。山全体に地蔵があり、登るだけでご利益があるタイプの山っぽい。知らんけど。20分ほど登った展望台からは鶴羽駅が見下ろせる。なかなかの逆光ではあるが、狙いは引田始発の3連キハ40。瀬戸内海を入れて入線する

2022.04.09 徳島県

2022年改正は徳島地区のキハ40系列的には当たり年だった。なぜか運用が増え、撮る側としては非常に撮りがいのあるダイヤになったという。そう聞いてしまうと指を咥えて見ているだけでは気が済まない。ついでに言えば徳島にはキハ185系も残っている。フライトの手配を始めるのはもはや自明の理であった。 最終便で関空に飛び、レンタカーを飛ばして深夜2時前には徳島県内に着いた。狙うは小島駅の桜……のつもりだったが、予想通り桜の見頃は前週のようで、すでに葉桜となっていた。さらに言えば、今回登

2021.11.28〜29 予讃線②

泥のように眠るという言葉は、ストイック旅行のためにあるのだと思う。ふかふかのベッドで眠るだけでこんなにも全回復するものかと、RPGの宿屋を思い出しながら感じていた。松山の街はきょうも晴れ。とはいえこれまでのようなバリ晴れよりは一段落ちて、雲の存在も気にしながらの撮影になりそうだった。 松山市街から車で30分足らずの淡路ヶ峠展望台。駐車場から700メートルほどと朝のハイキングには最適と思ったものの、200メートル登る急勾配に心臓が破けてしまった。とはいえ松山市内を一望できる景

2021.11.28 伊予鉄道市内線

連日のストイック撮影旅行の代償はシンプルに体力である。年齢を重ねるごとに車中泊が堪え、寝ても疲れが取れなくなってくる。これが現実なのだ。この日も予讃線での撮影を終えた時点でクタクタ。学生の頃よりは少し裕福になった懐につい頼ってホテルを取ってしまった。そこで素直に寝ればいいものを、ちょっと飯でも食いに行こうなんて言いながら、伊予鉄相手の夜戦に繰り出してしまったのである。 松山を訪れるのは5年ぶり、市内線をちゃんと見るのは実に9年ぶりだった。ツートンの車両はみかん色に塗りつぶさ

2021.11.28〜29 予讃線①

熊本から特急あそとフェリーを乗り継ぎ、日付が変わる頃に愛媛県八幡浜に上陸した。このバカみたいな移動の目的はひとつ。予讃線を彩る観光列車、伊予灘ものがたりの撮影のためである。2021年いっぱいで引退する車両の最後の姿を一目見るべく、友人とともに道の駅で夜を明かす事になった。 朝。まずは小手調べに八幡浜駅裏手のみかん畑から駅を見下ろす俯瞰に向かった。道路沿いからすぐに撮れるのは体力も使わなくてとても楽。まだ日が出る前で露出はなかなか難しいものの、登場した宇和海4号は所定通りの5

2021.11.26〜27 熊本市電③

時刻はまもなく午前11時。早起きの甲斐あってもう夕方くらいのモチベーションながら、撮れ高はまだまだ半分。天気は相変わらず雲ひとつない青空なおかげで休む暇なんてない。タイムリミットまで駆け抜けるのみだ。 河原町から歩いて、辛島町付近のクランク線路エリアへ。狙いは紅葉だったが、思いの外画角と車両が一致しない。悩みながら歩いていると旧車原色の1096が来てしまった。撮り逃すのはちょっと惜しい。とりあえず撮るだけ撮ってみた。街中を走っている感じは案外出たような気がするが、後ろの朝日

2021.11.26〜27 熊本市電②

熊本電鉄をサクッと切り上げ、バスで水道町へ急ぐ。この最高の天気を1秒たりとも無駄にするわけにはいかない。そのために前夜眠い目を擦ってロケハンをしたわけである。気合十分、体力半分。きょうもカメラ日和である。 まずは昨夜も撮った繁華街バックのカーブ。構図は同じでも表情は驚くほど異なる。朝ラッシュタイムも終わりかけながら本数はまだまだ十分。後打ちで原色8500をGETし、そのまま旧車原色の1801も仕留めることができた。車のタイミングが本当に難しいなぁ。 次の撮影地も前夜訪れた

2021.11.27 熊本電鉄

この日もびっくりするくらいの晴れ。旅行開始以来ずっと青空。良すぎてちょっと怖くなってくるがありがたい。この朝の狙いは熊本電鉄。本来はガッツリ一日かけて撮りたいところだが、時間の都合で今回は藤崎宮前周辺だけ。その代わり朝ラッシュ帯の本数は日中のなんと倍。効率で取取れ高をカバーしたい姑息な魂胆である。 藤崎宮前から歩いてすぐの踏切をさまよっていた。青空ではあるが、まだ日は差していない。かつての鎮台・軍都を感じる看板をバックに、ギリギリ東京時代が記憶にない元三田線の6000系を受

2021.11.26〜27 熊本市電①

長崎からは島原鉄道とフェリーで熊本に移動。午後7時には熊本駅前のホテルにチェックインした。熊本市内に宿泊するのは記憶の限りでは12年ぶり。街自体はほとんど知らないといってもいい。知らない街に降り立つワクワク感で、眠気も飛ぶというものだ。 駅前の東横インは目論見通り大当たりだった。市内随一のタワーホテル。北側の部屋にあたったため、ちょうど駅前を見下ろすことができた。つまりは、俯瞰スポットである。部屋を暗くして反射を抑え、一脚で細かく構図を合わせる。幸い旧車原色はすぐに現れた。

2021.11.25〜26 長崎電気軌道③

一夜明け、この日もバリ晴れ。天気に感謝である。午前中は普通に観光し、撮影は午後からスタート。きのうの午後に行かなかったエリアの光線がどんなもんだろうか。淡い期待に胸踊らせ、小走りで沿線に向かった。 まずは昨日も訪れた思案橋付近。やはりアーケード街との絡みは撮っておきたかったのだ。昨日よりも天気が良く、光線もバッチリ。崇福寺系統も旧車がたんまりと入っていて運用面も問題なし。車との被りだけ気にしながら、落ち着いて構図を組むことができた。 そのまま崇福寺方面へ。唐突に坂がきつく

2021.11.25〜26 長崎電気軌道②

旅行初日からなんたる僥倖。昼を過ぎても相変わらず天気はいい感じに青空だった。こんなチャンスを逃すまいと思うと、気がつけばランチも食わずに走り回ってしまう。オタクの悲しい性である。赤迫から駅前方向に戻りながら、撮影できそうな場所を探すことにした。 浦上車庫から大橋、平和公園のあたりは高架化されたJR長崎線と並行する区間である。大橋の歩道橋からは並行する2つの線路がちょうど見渡せた。当然新幹線開業によって姿を見せなくなる特急との絡みを期待するものだが、そうは行かず市電ソロプレイ

2021.11.25〜26 長崎電気軌道①

この年の長期休暇も、到底海外に高飛びできるような情勢ではなかった。とはいえ国内の感染者数だけで見れば落ち着いているのも事実。であればまだ訪れていない国内トラムを巡るのが妥当な選択であろう。短い休みではなかなか行けない場所という条件で思いついた目的地、それは九州だった。 この日の長崎の日の出は午前7時ごろ。北海道に住んでいるとずいぶんと遅く感じる。しかも東側を山に囲まれた長崎市街では、日がさすのは8時近くになってから。晴れてこそいるが、まだロケハンメインの時間である。朝から崇