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Vol.4 『猫とお寺の町、谷中銀座商店街について』

みなさん、こんにちは!

前回のVol.3では、商店街衰退の実態についてお話ししました。

そして今回は、やっと。
私の愛する商店街、谷中銀座商店街についてお話しできる!

谷中銀座商店街(夕やけだんだん)

谷中銀座商店街は、地元住民のみならず、観光客からも「夕やけだんだん」の愛称で、下町レトロな商店街として知られています。
家からとても近いわけではないですが、特に用事がなくても一人で訪れてしまうほど好きな、人情溢れる商店街です。

基本情報

《住所》
〒110-0001  東京都台東区谷中3-13-1
《アクセス》
JR山手線、常磐線、都営舎人線、私鉄京成線
・日暮里駅より徒歩5分
営団地下鉄 千代田線
・千駄木駅より徒歩5分

日暮里駅は4路線も電車が走っているので、アクセス抜群ですね!

ただ、商店街に駐車場はないので、車で来る際は近隣のコインパーキングを探すのがいいでしょう。

沿革

昔の谷中銀座(商店街公式HPより引用)

谷中銀座商店街は昭和20年ごろ、自然発生的に生まれました。
それからは地下鉄千代田線開通による人の流れの変化や、大型スーパー出店などの様々な影響があり、商店街の活気が低いときもありました。
しかし、そこで外観整備、ホームページ・公式キャラクター作成など通してイメージ作りに注力し、それらの影響を乗り越えることができました。
平成30年の調査(閑散期)では平日約1万人、週末約1万4千人のお客様が訪れています。また谷中・根津・千駄木を‟谷根千”と呼び、下町散策の中心地として海外からのお客さんも訪れるようになりました。

個性あふれる所属店舗たち

60店舗が谷中商店街に所属しており、そのお店の種類は飲食だけでなく衣類店もあります。
その中から一部抜粋して、個性あふれるお店をご紹介します。

・やなか しっぽや(焼き菓子)

やなか しっぽや

下町の手作りおやつをコンセプトに猫のしっぽをモチーフにした焼ドーナツ専門店。常時13~14種類もの猫のしっぽに見立てた焼き菓子が食べられます。持ち歩きしやすいので、食べ歩きにピッタリ。

和栗や(和栗)

モンブランパフェ(和栗や公式HPより)

栗への強いこだわりを感じられるお店で、絞りたてのモンブランは一年を通して提供しています。アイスに大福に、シュークリーム、なんとアフタヌーンティーまで頂けます。

Things.(複合店舗)

Things. YANAKA

こちらのお店は谷中空き店舗プロジェクトとして建てられた小規模複合施設!一階には包丁研ぎ屋さんが入っていて、以前は2階に古着屋さんも入っていました。テナント募集中なので、「谷中現在銀座にお店を出してみたい」と少しでも思っている方がいれば、いかがでしょうか?

穀雨(アクセサリー)

穀雨(穀雨公式Instagramより引用)

まちのお洒落なジュエリー屋さんです。東京藝大工芸科出身の方が営んでおり、アクセサリー一つ一つに、より大切にしたくなるようなストーリーを紐づけて製作しているそう。

戦うTシャツ屋 伊藤製作所(Tシャツ)

戦うTシャツ屋 伊藤製作所(伊藤製作所公式HPより引用)

思わず突っ込まずにはいられなくなるTシャツを作成しているお店。ギャグセンスがあり、話の種にもなります。猫Tシャツ多め!

ザクロ レストラン(トルコ料理)

ザクロ レストラン

日本一 ‟うざい” 店長がいると話題のイラン・トルコ・ウズベキスタン料理屋さん!その面白いうざさでメディアにもたびたび出演しているので、ご存知の方もいるはず。怖いもの見たさで訪れてみてもいいかもしれませんね。

TAYORI(定食)

店内の様子(TAYORI公式HPより引用)

消費者と生産者をつなぐ、食の郵便屋さん。栄養バランスが考えられた定食を提供しているおしゃれなご飯屋さんです。個人的にとても好きなお店で、たびたび足を運んでいます。

手作りおかず トーホー(弁当、惣菜)

手作りおかず トーホー(商店街公式HPより引用)

地元住民に愛されてきた町のお惣菜屋さん。日替わりのお弁当も、土日限定の谷中散策メニュ―もあります。お弁当の中でもビビンバは10年連続人気ナンバーワンだそう!

名物は猫とメンチカツ

谷中銀座といえば、「猫」と「メンチカツ」が有名で、下町感満載なその街並みに、訪れたことがなくても、どこか懐かしい気持ちになることでしょう。

谷中ねこ

谷中銀座の猫
屋根上の猫のオブジェ

実際、猫ちゃんは気まぐれな生き物なので、必ず会えるというわけではありませんが、商店街を見渡すと猫のオブジェがあったり、猫グッズを出しているお店が多いです。商店街の公式マスコットキャラクターになるほど。
街歩きの際に路地裏など注意深く見れば、猫に会える確率は高くなりますよ!

手っ取り早く猫に会いたいときは、商店街を少し外れたところにある保護猫カフェ「宿木カフェ&レストラン」がおすすめです。子猫もいて、膝に乗ってきてくれます…!

2大メンチカツ

肉のスズキ
肉のサトー

この名物2大メンチカツを求めて、谷中銀座商店街を訪れる人が多いのでは…?!
おなかに余裕があったら、この二つのお店のメンチカツを食べ比べてみてください。どちらのお店も土日には行列ができるほど人気で、サクサクな衣にジューシーなお肉の味が最高に美味しいですよ。

マスコットキャラクターのせんちゃん

せんちゃん

谷中ぎんざの公式マスコットキャラクターはくろねこの‟せんちゃん”。
2015年に、300を超える公募のなかから一般投票で選ばれました。
せんちゃんの名前の由来は、地元谷中の江戸三大美人であり、鍵屋という茶屋で人看板娘でもあった「笠森お仙」にあやかり命名されたようです。

また、谷中銀座では『せんちゃんお買い物スタンプ100』というスタンプカードがあり、集めると豪華景品も当たる特典がついてきます。

地元住民に愛されているせんちゃんは、商店街のイベントや看板、ホームページなどに登場しています。

谷根千と街歩きマップ

谷根千”という界隈が東京にあるのをご存知でしょうか。
谷根千とは谷中・根津・千駄木の略称です。このエリアは、お寺や一部の場所に見られる石畳、古本やカフェが多いため、お散歩界隈では根強い人気を誇る場所です。

谷中ぎんざ 街歩きマップ(商店街公式HPより引用)

谷中銀座商店街公式HPをみると「街歩きマップ」が載っていて、散策せずにはいられなくなります。東京にいながらも、下町情緒あふれる街並みを堪能することができますよ。
個人的には、上野公園から藝大の通りに沿って、谷根千を散策するのがおすすめです!私は何度も谷根千に足を運んでいますが、訪れるたびに毎度発見があってハマってしまいます。

イベント

一年を通して5種類のイベントが行われています。地元住民の方はもちろん、遠くから来た人も楽しむことができる内容です。

~七福神巡り&商店街巡り~

谷中の年始の様子(商店街公式HPより引用)

1月に行われる江戸最古の七福神巡り。
①福禄寿(東覚寺)②恵比寿(青雲寺)③布袋尊(修性院)④寿老人(長安寺)⑤毘沙門天(天王寺)⑥大黒天(護国院)⑦弁財天(不忍池弁天堂)
以上七つのお寺を巡るとその年良い一年になること間違いなし!

また、年初めの恒例行事で、新春大福引き大会や新春餅つき大会も行われています。
(来年の年始はここのお餅食べに行こうかなあ。)

~谷中ひゃっこい祭り~

谷中ひゃっこい祭りの様子(商店街公式HPより引用)

8月に行われる、谷中ぎんざの夏の風物詩。お祭りのテーマは‟下町の涼”。
人でにぎわっていて、とても楽しそうですね。ヨーヨー釣りやキンキンに冷えたビールも出るので、子供から大人まで幅広い世代が楽しむことができます。

~中元期・歳末期大感謝祭~

感謝祭の様子(商店街公式HPより引用)

毎年7月と12月に谷中ぎんざで行われる年2回の「感謝祭」。
商店街でお買い物頂くお客様に感謝の気持ちを込めて、せんちゃんお買い物スタンプの2倍セールや、集めたスタンプで豪華景品が当たる福引を実施しています。

~びっくり市~
2月、6月、11月、12月と年に4回行われる、名物イベント。
夕刻1時間限定で参加店舗が驚きの価格で商品やサービスを提供します。

商店街からの言葉

谷中銀座商店街イラスト(商店街公式HPより引用)


「残したいのは、商店街という文化です」

商店街公式HPより一部抜粋してご紹介します。

「時代と共に激変する商流の中で、今、商店街の存在価値が問われています。時代の流れに適応しながらも、古き良き商習慣を大切に、商店街という文化を次世代に残していく、それが私たちの使命だと考えています。」

「ネットでお水一本が家に届く現代、商店街という組織はもちろん、個店やリアル店舗自体が生き残って行くには大変厳しい時代にさしかかっています。古き良き文化は大切にしつつ、過去を検証、改善すべきところは改善をし、私共もまた次の世代にバトンを渡せるよう、新たな歴史を築いていくために日々奮闘中です。」

以上が谷中銀座商店街からの言葉でした。
目まぐるしく状況が変わる現代でも、この商店街が変わらず愛され続けるのには、こういった信念があるからこそなんですね。

いつの時も向上心を持ち続けることはそう簡単なことではなく、現状に満足したら、そこで時は止まり、時の流れに置いて行かれてしまいます。
足を止めることなく、しっかり次の世代にバトンパスをすることが、様々なことにおいて大切だと感じました。

商店街に込められた熱いメッセージをもっと読みたい!という方は、是非以下のリンクから読んでみてください。

さて、いかかでしたでしょうか。

私は執筆しながら、谷中銀座への愛がさらに深まったような気がします。あなたがこの記事を読んで、谷中銀座に関心をもってくだされば、そんな嬉しいことはありません。

是非、晴れた日に訪れてみてください。アーケードがない分、天気がいい日は明るくて最高ですよ。

そして次回は!
Vol.5『繁盛している商店街の特徴』」についてお話ししたいと思います。

また、来週noteでお会いしましょう!
ありがとうございました!


《引用・参考文献》
・谷中銀座商店街(2022).「【谷中ぎんざ】谷中銀座商店街振興組合 | 東京下町レトロ~人と歴史がすぐそこに~ - 【谷中ぎんざ公式HP】」.谷中銀座商店街.https://www.yanakaginza.com/ ,(参照 2022-12-02)
・谷中銀座商店街振興組合(1987)『谷中銀座の歩み』.谷中銀座商店街振興組合
・THE GATE(2022).「江戸最古の七福神【谷中七福神巡り】でパワーをもらおう|THE GATE|日本の旅行観光マガジン・観光旅行情報掲載」.THE GATE. https://thegate12.com/jp/article/202, (参照 2022-12-02)


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