【文学フリマ大阪】新刊エッセイ『こんにちは!となりの黒い芝です』販売します
会社員を辞めてフリーライターになった1年目の年、とある女子からブログ経由を連絡をもらって都内某所で会いました。
"新卒は最初に入社した会社で最低三年は働きなさい。短期間で退職するような人間にその後の転職は望めません"
そんな圧力が強めだったご時世に、精神不調から入社半年で会社を辞めたらしい新卒1年目の彼女。自身の未来を悲観しながらツイッターを眺めていたところ、たまたま流れてきたのが「このご時世に新卒入社した会社を2ヵ月でクビになった女」こと私のブログだったそうです。
1社目を2ヵ月でクビ、直後に転職した2社目の会社はメンタルご臨終により2ヵ月で退職、翌月に入社した3社目の会社は胃の限界ギリギリまで頑張ってなんとか勤続1年半。新卒2年間で3社退職(うち1社クビ)という華麗なトリプルアクセルを決めたのち、会社員としての現役引退を表明してフリーランスのライターに転向。慣れないキャバクラのバイトをかけもちして生活費と挫折経験を稼ぎながら、新人ライターとして必死に駆け回る悪戦苦闘の日々!
と、複雑骨折してしまったキャリアの模様を恥ずかしげもなく綴ったブログから「失礼なんですけど、社会人になって早々職歴がヤバいことになっているのに、なんだかんだ前向きに生きている真崎さんの話を読んでいると、自分ってまだ大丈夫じゃないかと思えたんです」というその彼女。
前半は本当に一片の曇りもない失礼だけど、自分の黒歴史が巡りめぐってどこかの誰かの仄暗い希望につながったことは素直に喜ばしく、なんだか自分自身も心救われるような感覚を覚えた……
ってな話を飲みの場でしたところ、ライターの先輩がこう一言。
「真崎さんは、アレだね、となりの黒い芝だね」
新刊エッセイ『こんにちは!となりの黒い芝です』
ということで、先輩の言葉をまるっと借りて「となりの黒い芝」をテーマにしたエッセイZINEを作成しました。
「となりの青い芝」が他人のものはやたらと良く見え相対的に自分が劣っているように感じるサマを表すなら、「となりの黒い芝」はその真逆、もっとヤバい他人を前に自分のほうがまだ大丈夫だと思える状態。
新卒半年で会社を辞めたかつての彼女が新卒半年でクビの私に黒芝的希望を感じてくれたことに味をしめ、「この本を読んでくれたどこかの誰かの仄暗い希望になれば……」という思いをこめて、仕事や恋愛、友人関係、はたまた日常のささやかな失態といった黒芝的しくじりエピソードをまとめてみました。
私自身、他人との比較癖がとても強いタイプです。せめてとなりの青い芝をガソリンに奮起して頑張れる人間なら良かったのですが、残念ながら私は青芝を見ただけで目がバルスしてしまう精神脆弱なムスカ大佐であり、記事がバズった、著名人に言及された、フォロワー〇万人突破した、イベントに登壇した、本を出版した、なんて輝かしい実績をSNSに投稿する同年代のライターアカウントを片っ端からミュートすることでギリギリ心の安寧を保っていた小さい人間です。心の器が四畳半。
逆に、テレビ番組『しくじり先生 ~俺みたいになるな!!~ 』で、輝かしい成功を収めてきたはずの芸能人ゲストが、知られざる失敗や壮絶な挫折経験、味わってきた惨めな感情について堂々と吐露する姿をで見るたびに「この人も、いろいろやらかしてきたんだ……!!」と陰気な勇気をもらってきました。
そんなしくじり先生から着想を得た二百番煎じのしくじりコンテンツが今回の黒芝だと思ってもらえたら理解が早いです。
9/8開催「文学フリマ大阪」に出展します
こちらの新刊エッセイを、文学フリマ大阪にて販売予定です。
ブース名は「真崎です」です。あとで変えればいいやとエントリー時にいったん適当に登録した名前を変え忘れてこうなりました。このあたりの所業は新刊エッセイのエピソード『NO MORE 税金滞納』に通ずるものがあります。あと、完全におひとり様出展を匂わせるブース名ですが、前回と同じくヨコハマさんも一緒です。
新刊エッセイに合わせ、前回作成したエッセイ3冊も販売します。
新卒クビからはじまる10年間のおしごとエッセイ集『あなたのキャリアはどこから? わたしはクビから』試し読み&いただいた感想は以下の記事にまとめているので、よかったらご覧ください。同年代、キャリア迷子、無職の皆さんから特にご好評をいただき、無事100冊ほど旅立ちました。
ヨコハマと真崎、平成元年生まれの同級生ふたりによる30代モラトリアム交換日記『人生こなれてきたけどままならぬ』
ヨコハマこと横浜美由紀さん著、12ヶ月それぞれの思い出を二十四節気とともに振り返るエッセイ集『暦の思い出と暮らす日々』
こちらの詳細は、前回の文学フリマ京都用に書いた宣伝記事にしっかり書いているので読んでもらえると嬉しいです。
ぜひたくさんの方にご来場&ご来ブース&エッセイご購入いただけると嬉しいです。文学フリマ大阪にてお待ちしております◎
真崎
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読んでくださってありがとうございます◎