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友達からウォーターサーバーを買わされてみた【マルチ、MLM】

今日は、友人がやっている長期インターン先で
ウォーターサーバーを買わされてみました
というのも、以前からウォーターサーバーはほしいと思っていたし、
中でも浄水型(水を買わずに水道水を補充するタイプ)
の安いものを選びました。
と言っても向こうが紹介してきたものが合理的だったってだけですが。

実はこの会社、以前僕が勤めところなんです
っていうのはおいておいて(ややこしくなるので忘れてください)
今日はそのビジネスについてあくまで客目線でお伝えしようと思います。

僕もその友人もこの会社のビジネスについてはよく知っていて
いい点も悪い点も理解した上での商談でした。
というより普通に商材がよくて
友人に紹介料が入るということだったので、
どうせ買うならそのほうがいいよね、といった感じでした。


まず、向こうが売っている商品を、友人が私に紹介します。
長期インターンとしてはこの「営業トーク」を鍛えているらしく、
お客様の状況をヒアリングして最適な方法で提案する
ということを教え込まれるらしいです。

内容に関しては調べれば出てくることで、
自分で比較検討さえできてしまえば
ウォーターサーバーを選ぶことぐらい容易にできます。

ただそんなのがめんどくさいって人は
この手の営業は危ないなと思いましたね。
例えばスマホのキャリアとか
どこも「他社より安いです」なんて言っちゃうんだから、
自分で本当にそうなのか確かめる力は必要ですよね。
もちろん嘘はつけない(らしい)ので
「この場合は」という文言が隠されているのでしょうが、
それが自分に当てはまるとは限らないので
やはり自分で使う状況を想定して話を疑って聞くことが大切だと思います。


内容以外ではウォーターサーバーを導入する
メリットを諭してくれましたね。
半分僕からそうするように煽った部分もありますが
どうしても大きな買い物に踏み切るには
その場の高揚感みたいなものも必要でした。

またまた例え話ですが、
ブランドの服屋さんとかで店員さんが営業しているのって
ひたすらお客様を褒めて「今買っちゃえ!」って思わせるため
だと思うんです。
やっすい服だったら、「デザイン性いいしこれにしよ」と
買い手が勝手に判断して買ってくれます。
一方高い服となると、どうしても踏みとどまってしまうのが普通です。
そこを一緒にヨイショして乗り越えさせてくれるのが
店員の役割だと勝手に思っています。


正直商談の席に着いた時点で自分の中での結論は出ていました。
事前に商材について理解していたし
自分で他商材についても調べていたので。
なんだか小難しい手続きも向こうがしてくれるって張り切ってましたが
簡単な情報入力のみ。
後でネットの申込みを見てみましたが
通販と変わらないような量の入力でした。
あとは販売代理店としての管理情報をごちゃごちゃやって契約は終了。
一般のネット申し込みと料金は変わらなかったので、
おそらく販売元の利益率を削って営業者の利益に回しているのかな
と思いました。


そんなことはいいんです。問題なのはその後、
周りにウォーターサーバー欲しがっている人がいたら紹介してくれ
と言うのです。はいきた、怪しいね。
「紹介営業」というらしいです。

マルチやMLMとどこが違うのでしょうか。
加担する気はなくてもちょっと気になっちゃいました。
以後、マルチとMLMは同じものとして、「マルチ」でまとめます。


まずマルチについて簡単に。
一言で言えば、自分が紹介して加入させた人が
また新たな人を加入させ商品を購入することで
紹介元のである自分に報酬が入る
もの。
以降は半永久的に報酬が入り続けるため
ネットワークビジネスだとかいう怪しげな肩書きで人気を博した。
僕の認識はこんなんです。
軽く調べてみましたが大きく異なってはいないのでこんな感覚で良いかと。


そしてこのビジネスがマルチに当たるのか否か。
僕の結論は「NO」です。
なぜなら自分は紹介しようがしまいが何ら損益を被らないから。
会社としては素晴らしい営業や商談をすることで
「この人に対応してもらってよかった!」と思ってもらい、
これからの活動を応援する、というニュアンスで
周りの人を紹介してもらいたいのだそう。

だから今日の商談に価値を感じてくれたら
その恩返し的な気持ちで誰かを紹介してね、というものらしい。

まあ、ビジネスモデルとしては究極的な理想だ。
自分でアポを取る必要がないし、
連絡先を交換して日程をあわせてその時間に商談するだけ。
一件あたりいくらの報酬がもらえるのかは分からないが
商談の1時間だけで契約までいってしまうことだってざらにありそうだ。

しかし現実はそう上手く行かないのがまた面白いところ。
「あなたに報酬は入らないけど誰かいい人紹介して」
そんなんで大事な知人を引き渡すような人は多くない。
仮に興味のありそうな知り合いがいたとして
その人にとって今日商談してくれた人は全くの知らない人なわけで、
そんな営業マンを紹介する方が苦になる事が多いだろう。
むしろマルチがここまで盛り上がったのは
報酬のない紹介営業があまりにも魅力的でないからではないだろうか。

ただこれも状況によるだろう。
その人の人間関係や交友関係なんて傍から見てもわからないし
意外と十人十色だ。
ボンボン息子で一人暮らしをしている大学生の友人が多い人だっていれば、
一人だけ超大金持ちの知り合いがいる人だっている。
例えばその超大金持ちの人にウォーターサーバーを売りつけて
商談で感動させてみるとする。
その人の交友関係は?
金持ちに金持ちの知り合いが多そうなのは想像に容易いだろう。
意外とたった一人をきっかけにして商売が軌道に乗ることだってある。

ただその金持ちに巡り会える可能性は?
そこまで糸が切れずに紹介が繋がれる可能性は?
極めて低いのではないだろうか。


こうやって否定に否定を繰り返しながら
自分がいま紹介営業を肯定しているのか否定しているのか
分からなくなりながら帰宅と夕飯の時間を過ごした。

そうして出した僕の結論は、「肯定はできるが加担はしない」だ。
考えてみれば当たり前だった。
誰かが悲しむ訳でも無いし、ちゃんと会社に利益も入る。
客がちゃんと供給されるなら
商談に対するタイムパフォーマンスも相当高い。
そして知人を営業マンに紹介することは、
自分の体面を考えるとできなくなる。

幸いにも身内を削ってでも応援したくなるほど感動もしなかった。
本当に相手のことを考えるなら、
ウォーターサーバーをほしいわけではない人に買わせて
月何千円も払わせるなんてできない。


ウォーターサーバーが欲しいと一言漏らす人がいれば
紹介してあげてもいいかな。
ここまでの話をすべて話した上で。

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