不安になった時はコーヒーの呼吸を聴く
温度差の激しい3月だった
桜が咲いては落ち
気分も気温と同じく上下するばかり
安心できる時間は
コーヒーを淹れてくれる
マスターと女将の所作をカウンターで眺めている時
コトコトと、コーヒーは呼吸する
いつものハンバーグセットを頼む
トーストにホットコーヒー
サラダはいらない
口が疲れるから
そんなに噛めないの
その時間と
夜君との無音の電話が一番好き
温かくて 穏やかな気持ちになれる
私たちだけの時間
君は寝ていて
わたしは日記を書いたり本を読んだりして
お互いはただ機械の向こう側に存在しているだけ
もちろん抱きしめられたくないわけが無い
ただ、これもまた私の幸せのひとつであるのだ
別に不安にならない訳では無い
いつも通りのヒステリックな私
それでもなにも言わずにそばに居てくれるあなた
心地よい距離感
心地よい愛の形
70億分の1の私を見つけてくれてありがとう。