自分にも、きみにも、優しく。

喧嘩することに疲れた。
もともと喧嘩になりそうな状況に置かされると
いちばん最初に逃げるタイプでした。

前の恋人に、
逃げないでちゃんと思ってること言いなさいと
よく怒られてて。
何年か経って漸く喧嘩できるようになった途端、
自分の意見を言えるようになった途端、
思ってる文句を口に出せるようになった途端、
意味の無い喧嘩が増え、
今度は彼が逃げるようになった。

残念なことに、
わたしにその探究心が移った。
ふたりの関係の根本的な問題を聞き出そうとしたり、
相手の本音をしつこく訊ねたり。
極端すぎるんだよね。
それくらい不器用な人だ。

ヤキモチ妬くのも飽きた、
可愛いヤキモチならさらに好かれるけど、
自分でもうんざりするほどのヤキモチだと、
嫌われる前にメンタルが崩壊しそう。

誰かに好かれたい、
好きな人に気持ちを伝えたい、
そのためなら手段は選ばない。
自分の自信のためにも色んな人に好かれたい、
淋しくて誰かの目線が欲しい、
たくさん欲しい……
全部、全部わかるよ。
女としての意地と矜恃。

けどわたしはそんなことよりも、
疲れたくない気持ちが勝つ。
勝って欲しい。
おおらかな人になりたい。
動じない。
かわいくヤキモチ妬きたい。
自分にも自信があって、
相手のことも信じる人になりたい。

残念なことに、
きみはすべての理性を狂わす、
まるで野いちごのような悪魔だ。