電車の中でネイルするタイプの女
蒸し暑い日曜日、
今日も死ぬ衝動に逆らえながら通勤電車に乗れた。
目の前に座っているロングヘアの白いシャツの女性が、
ネイルをしてた。
揺れるのに、すごいよね。
ネイルを入れるポーチも可愛かった、
青い刺繍の入ったオリエンタルなデザイン。
日曜日のこの時間から、
焼きたてのパンを買う人、
パチンコのオープンを並んで待つ人、
インスタの広告みながら何処かに出かける人、
雨降るか分からないからとりあえず傘もってきた人。
わたしはただ、
君とプラネタリウムに行きたかった。
水族館も行きたい。
古くて少し狭い、座席がちょっと硬い映画館にも行きたい。
星をみて、魚をみて、誰かの視線を通して世界をみて、あっ、隣に君が居てよかったなーと。
ほっとしたい。
理想な日曜日はね、
君の淹れた珈琲を飲みながら好きな映画やアニメをみて、
お昼ご飯はいつもより多めに作って、
余ったものは来週のちょいとしたおつまみ。
食後のピノをわたし4つ、君2つ。
君は何かしらの音楽をかけてくれる、
自分の部屋にいるか、
一緒にソファにくつろぐか分からないけど、
同じ音を聴いて、
君はわたしのよく分からない事をして、
わたしは君のよく分からない事をする。
本を読むのもいいし、
絵を描くのもいいし、
ぼーっとするだけでもいい。
それかお昼寝。
起きたら君はすでに夕飯の用意をしてくれてた。
あたたかいお味噌汁と、
つやつやの白米。
ごはん食べる前に少し散歩に行こっか。
別々でもいいし、
手を繋いでもいい。
そんな日曜日、いつ来るんだろうね。
70億分の1の私を見つけてくれてありがとう。