自己分析実践編(補講)
1.はじめに
以前に自己分析実践編と題して、自分の心に残っているエピソード、面接で語れるエピソードを見つけることを目的に、ワークシートを作ってみました。そこで時系列に沿って出来事を書き、その時の感想を気持ちの面も含めたうえで思い出す限り書いていきましょうというものでした。
そこから、思い入れのあるものを抽出してそれをガクチカや自己PRの文章に落とし込もうというものでした。
ただ、思い入れのあるエピソードを見つけたのは良いがそこからどう文章に落とし込んでいくかがうまくできない人が何人か就活生をみてて感じたので、エピソードをどう整理し、文章にまとめてられる段階にもっていくかのやり方を一つ提示してみたいと思います。
文章にまとめられる段階から、実際に文章を完成させるところまで持っていくやり方は、このブログのESガクチカ編と自己PR編をご参照ください。
2.整理は、現代文の小説の解き方で?
現代文の小説の記述問題では、登場人物の行動、心情、周囲の環境の変化を捉えてから解くようにといわれると思います。なぜ登場人物はその行動をとったのかという問いが出たときは、その時の登場人物の心情と周囲の状況がどうだったかを掴むと思います。
自己分析においても「行動」「心情」「周囲の状況」に焦点を当てながら、起承転結という物語の構成を適用しつつ整理していきましょう。ワークシートについては下記のファイルからダウンロードください。
結論から言うと下のように印象に残ったエピソードにおける自分の行動の変遷、心情の変遷、周囲の状況の変化(行動を起こす前から起こして結果が出るまでの間)を短い文でまとめ上げられたら、整理の完成です。あとはそれを選び取りながら400文字にしていく作業になります。
このまとめを書きあげるために、場面ごとに分解し、整理することから始める必要があります。
3.起承転結を自分のストーリーに適用する
場面ごとで整理するということを言いましたが、ではどうするか。先ほど起承転結といいました。この4つの段階に分けて整理していきましょう。
「起」は「何かを始める前、問題意識を持った時」、「承」は「何かを始めた時、壁にぶち当たるまでの状況」、「転」は「壁を乗り越えたときのの状況」、「結」は「行動後の話、結果が出たときの状況」です。
この4段階に分け、それぞれ、その時の自分の行動、自分の気持ち(心情)、周囲の状況という観点からまとめていきましょう。
例えば、カフェなど飲食店のアルバイトを取り上げるとしたら、下記のような例が挙げられるかなと思います。個人の勝手な妄想で書いているので社畜精神満載感とどこまで力を持っているねんというのがひしひし伝わってきますがご容赦ください。あくまでもイメージしてもらうための一例です。
書くエピソードに合わせて構成は自由に変えていただいてよいかとは思いますが、オーソドックスなものとなるとこの起承転結の書き方になるかと思います。
自分の行動について、起では、何かに取り組む前どうだったかという話と何か課題に感じ問題意識をもって何かを取り組んだときの話、苦労話と苦労を乗り越えるために起こした行動の話と取組後の行動の話に分けます。それに合わせてそれぞれの場面の感情も心情のところに書いていきます。
周囲の状況についても、行動前の状況、課題の話と何かに取り組んだ際の周囲の反応、批判の話と苦労を乗り越えたときに周囲はどう変化したかの話と取組後の周囲の人々の状況、結果の話に分けて書きます。
これらを個別に整理したうえで最後まとめに入ります。先述したまとめのスライドを使って自分の行動、心情の変遷、周囲の状況の変化を短い文章でまとめていきます。ここまで書くとそのエピソードの深堀も自然とできているかと思います。また、何を強調して伝えたいか、どういうことをアピールしたいかが見えてもくるかと思います。
4.まとめ
ここでは、自己分析実践編の補講版として、エピソードと抽出してから、ガクチカなどに落としこむまでのやり方の一つを提示しました。
ガクチカなどの記事に書いたと記憶していますが、いかにESでは人間味(その人の考え、価値観、人間性)を詰め込んだ文章になっているかがカギになるかと考えています。そういった人間味が直接的な言葉ではなく、行動や周囲の状況の描写から読み取れるように書いていくかが重要と思っています。ただ単に無機質に○○をした。という羅列では伝わるものも伝わりません。
ガクチカはやったことの記録簿ではなくあくまでの作文に性質が近いと考えています。感情のこもった文章を書けるか、いかに面接官に○○な人なんだなと類推してもらうための文章を書くかが通過するかどうかの岐路になるかと思います。そのための下準備としてこの整理ワークシートを利用していただければと思います。
このワークシートに心情も入れているのはそうした意図もあります。思いのこもった感情のこもった文章を書くためには心情の描写についても書きだして明確にしておく必要があると思います。
これらでまとめ上げたものを参考に300文字あるいは400文字の文章にまとめあげていってください。