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闇落ちの学生時代。

刺激が強すぎる家族が住む地元(=町内会勢力が凄まじい田舎)をいち早く出たくて仕方なかった。
出るための選択肢は「大学進学」しかなかった。むしろそれを盾に取るしか方法がなかった私は、大学進学率がそれなりに高い、隣町の高校への進学が絶対条件だった。

中学時代は高校進学のためだけに片手間で部活をこなし、母親に隠れて山ほど本を読み、成績を上げることをゲーム感覚で楽しんだ。

義務教育中の成績を上げるのは、そう難しいものではない。ロールプレイングゲームのレベル上げにとてもよく似ている。やればやるだけ、面白いように成績は上がるものだ。そもそも田舎の進学校なんて、偏差値もたかが知れている。

テストの点数を稼ぎ、母の機嫌を稼ぎ、母の上機嫌の恩恵で小遣いを稼ぎ、その小遣いで本を買いまくった。本が増えると、潔癖症の母のバイオレンスが待ち受けているので、読み終わったら光の速さで古本屋に売り飛ばす。性根の腐った生活を続けていた。

そして計画どおり、隣町の高校へ進学した。

高校進学後は「教員になりたい」という理由を掲げ、与えらる課題をひたすらこなし、そしてまた大学進学のためだけに片手間で部活をこなした。

恥ずかしい話だが、人の顔と名前を覚えるのが極めて苦手な私は、小中高の同級生をほぼ覚えていない。何より、この頃の友人たちは、20代になった頃にはすでに一人もつながっていなかった。同窓会に興味が無いし、卒業アルバムなんて一度も開いたことがない。

情けない話だが、私は去るのものは人も物も決して追わない性分だ。なぜならそんなエネルギーを私は持ち合わせていないからだ。

そんなこんなで、なるべく学費のかからない大学を選び、その大学への進学を勝ち取った。そして、奨学金を申請し、大学の寮ではあるが一人暮らしを勝ち取った。

こうして私は、スーパーマリオでいうスター状態となり、ドラゴンクエストでいうりゅうおうとなったのだ。


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