【イベントレポート】2024/6ききじょうず公開添削イベント
ライターコミュニティ「ききじょうず」で6月11日に公開添削イベントが開催された。
このイベントは、インタビューライターの仲奈々さんから、ライター歴の浅いコミュニティメンバーの執筆した記事を添削してもらうというものだ。
文章中でインタビュー相手の雰囲気を表現するには、どうしたらよいか。
より多くの人の興味を惹きつけるには、より中身に深みを持たせるにはどうすればいいのか。記事を書く多くの人が感じるであろう悩みについて、仲さんの視点で掘り下げていく。
添削者紹介
仲 奈々さん
・キャリアスクール受講後、未経験から取材ライターへ
・著名人から社員インタビューまで幅広いジャンルでの取材・執筆を担当
・取材ライターコミュニティ「#ききじょうず」 主催者
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添削記事紹介
イベントでは、数本添削が行われていたが、そのうちの1本を紹介していく。
本記事は、筆者がライターとして初めての自主企画で書いたものだという。
彼女は、初めての記事執筆を終え、タイトルの付け方や、語尾のバリエーションが少ないことに悩みを抱いていた。
また、せっかくの食堂へのインタビューでもあるので、食レポは書いたほうがいいのか?という疑問も持っていた。
この疑問に、どう答えが返されるのか。
仲さんからの総評
・初めての自主企画とのことだが、企画自体の内容が面白く、読み応えがある。
・同じく駆け出しライターの友人と一緒に立ち上げたメディアだと聞いたけど、メディアの軸がしっかりと確立されていて、今回の記事だけでなくどの記事も魅力的!
・記事の本文だけでなく、バナーなどデザイン面もこだわりが感じられて、完成度が高い。
①記事を書くときは、タメ口ではなく敬語を使おう
この記事では、話し手である啓汰さんの言葉が、全て「タメ口」で記載されている。
メディア上には丁寧語の記事が多い中で、タメ口の記事はインパクトがあるものの、それが「違和感」になりかねない。
たしかに、私自身この記事を読んでいてなぜタメ口で話しているのか違和感を覚え、「何か理由があるのかな?」「私が見落としているのかな?」と何度か読み返してしまった。
この記事は、「ロジカルに考えることで夢は叶う」ということを分かりやすく伝えてくれている。しかし、タメ口のインパクトが強く、読み終わった後に肝心の内容ではなく、「タメ口」が印象に残ってしまう恐れもある。
特別な理由(タメ口キャラの著名人が取材相手の場合など)がない限りは、実際の取材ではタメ口で話していても、記事にするときは敬語にした方が、内容がすんなり入ってくる記事になるとのことだ。
②ペルソナは、まるで目の前にその人がいるのを想像できるくらい具体化させよう
「タイトルの付け方が難しい」という悩みを持っていた真帆さん。
「夢を叶えたい、夢はなくても何か成し遂げたいと思っている人に勇気を与えたい」という目的で記事を執筆したものの、なんとなく今のタイトルがしっくり来ていないのだそう。
それに対し仲さんは、「目の前にその人がいるのを想像できるようなレベルでペルソナ(想定読者)を考え立てると、伝えたいことが明確になってタイトルもつけやすくなる」とアドバイスしていた。
年齢、家族構成、住んでいる場所、趣味、将来の夢、職業、休みの日の過ごし方、キャリアの考え方など、とにかく具体的な人物像を考える。
その上で、「この人は、どういうキーワードに反応するか。どんな記事なら読みたいと思ってくれそうか」を考え、それをタイトルに入れることがポイントだという。
たとえば、「夢を叶えたい、夢はなくても何か成し遂げたいと思っている人に勇気を与えたい」人にこの記事を読んでほしいなら、この記事のタイトルには食堂の名前はタイトルに入れなくてもいいかもしれない。
それよりも、本文中に出てくる夢を叶えるために活用した、「夢ノート」のような印象的なワードを入れる方が目を引くのでは、とアドバイスがあった。
③食レポを盛り込むかどうかは、記事やメディアの目的次第
飲食店への取材のため、「食レポを盛り込んだ方がいいか?」という質問があった。しかし、真帆さんは食レポに苦手意識があるのだそう。
このマガジンのコンセプトは「飲食を軸に夢を追いかける方にインタビュー」というもの。食事そのものも大事だけれど、それ以上に「どうやって夢を叶えたか」のほうが大事だと思うので、無理に食レポを入れなくてもよいのでは、と仲さんからはコメントがあった。
④より内容に深みを持たせるための取材時ポイント
記事の中で、啓汰さんは「幸せにしたいから飲食店を立ち上げた」と語っていた。しかし、仲さんからは、「人を幸せにできる方法は料理以外にもたくさんあるはずだが、なぜ料理という手段を選んだのかが気になるし、そこに啓汰さんならではの価値観がありそう」というフィードバックがあった。
これに限らず、「その人ならではの理由がありそうなエピソード」が出てきたら、そこを深掘りすると、その人らしい考えやエピソードを引き出せる可能性が高いという。
その他メンバーからの質疑応答
A.まず前提として、知っているお店や人の記事ならまだしも、初めて知る人やお店の記事の場合、長時間読むのは難しい。そして、読者の大半は「初めて知る」人だと思うので、できるだけコンパクトにまとめるのが良いと思う。
目安としては長くても3000字程度(5分ちょっとで読める文字数)にまとめるのがおすすめ。
そのためには、テーマを、他にはないそのお店だけの魅力を1つだけに絞って伝えることが大事であるという。
仲さんは、「話を聞いている側が刺さることは、話し手も熱を込めて話していることが多い。そこに絞そこに絞るとテーマも定めやすく、いいボリュームになるのではないか。」とアドバイスがあった。
情報の取捨選択は迷いどころだが、自身の感性を信じて削る勇気をもつことも大事だと学んだ。
このイベントを通して、実際にライターの方が使っているテクニックを聞くことができた。
特に、記事を深めるために追加で質問をすべき箇所について非常に勉強になった。
インタビュー中に用意をしていない問いを考えることは、難しいかもしれないが、
という観点を持ちながら取材に臨みたい。
▼ 取材ライターコミュニティ「ききじょうず」の詳細はこちら
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