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お茶の淹れ方をより深く考える

前回はお茶の淹れ方を説明しましたが、この項はかなりニッチなお話になると思います。お茶の淹れ方はシンプルで誰でもできるものですが、シンプルだからこそ僅かな要因で味が大きく変わってしまいます。

では何がお茶の味に影響を与えるのか、普段私が気をつけていることを列挙していきます。こんなにあるのか、とゲンナリするかもしれませんが、取り入れられそうな部分から初めていけばいいと思います。シチュエーションや環境によって、そこまで気配りができないこともありますので、私もいつでも全てに配慮しているわけではありません。
けれど、金額をいただいてお茶を淹れるということをする以上は、最低限必要な気配りだとも思います。

・空間の香りが違和感のないこと
・茶葉の保存状態が良いこと
・急須や湯冷まし、湯呑みなど茶器に残り香がないこと
・沸かした湯に異臭がないこと
・茶葉を掬う際に形状の分布を均一にできているか
・急須の素材、形状は作ろうとする味に適しているのか
・急須の温度を何度程度にするのか
・急須に入れた茶葉の形状が狙った分布になっているか
・急須に入れた際の香りはどうか
・急須の中に茶葉をどう配置するか
・湯温は狙った温度になっているか
・湯を注ぐ茶器の形状は注ぎ方に合っているか
・湯を注ぐ時のスピードはどうか
・湯を注ぐ箇所や順序は意図的か
・湯を注いだ後の茶葉の分布はどうか
・急須の中での湯温の変化はどのようになっているか
・湯が茶葉に染み込んでいくスピードはどうか
・茶葉がどの程度開いたら(水を吸ったら)注ぐのか
・急須をどれだけ動かすのか
・注ぐときの急須の傾きは適しているか
・最後の一滴、をどこと捉えるか
・湯呑みは味・香りに適した形状・素材か
(口の角度、口当たり、胴の形状、保温性)
・提供する茶の温度は適切か
・急須の蓋を開けておく際、蓋はどこに配置するか
・淹れ手の所作や態度が場に合っているか
・見られていることを意識して淹れられているか

・飲み手の好みや感情、直前の飲食など、会話できたら読み取る
・飲み手の嗜好に合うように茶葉、淹れ方、提供を選定する
・一煎目の反応から二煎目、三煎目をより最適化していく
・飲み手がどこまで情報を欲しているか

一人に対して提供するのか、二人なのか複数人なのか。その場その場で気を付けるポイントは変わっていきます。茶道のように所作を美しく無駄がないように考えることもありますが、賑やかに楽しむお茶の際はそれなりのパフォーマンスも必要になってきます。

お茶を淹れるということは対話をするということだと思っています。
個人的な見解ですが、日本茶は究極のコミュニケーションツールです。
相手のことを想って淹れることが、一番の根底になるのではないでしょうか。あとは理論と実践をしていくだけです。

この記事で挙げた気を配る点は一つ一つが記事になるほどのボリュームがあると思います。それらはまたの機会で小出しにしていきます。

本日はこんなところで。
次回もお楽しみに。

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