【市場区分・株式上場について】#16

今回は、「株式上場」について投稿します。
上場を目指す企業もあれば、直近MBOも多いことがきっかけです。引用メインになりますが、知見が浅い領域なので自分自身の学びと整理という目的で調べてみました。


①上場企業とは

上場企業とは、発行する株式を証券取引所で売買できる企業を指します。上場する主な理由は、資金を調達するためです。上場企業は、投資家に株式を購入してもらうことで資金調達を行います。なお、未上場企業でも株式はできますが、買い手は企業が探さなくてはいけません。多数の投資家がいる証券取引所で株式を売買できれば、企業は買い手を探す手間を省け、より大きな資金を調達できます。

企業が上場するには、証券取引所の審査に合格する必要があります。審査には、実質審査基準と形式要件の2つの項目があります。実質審査基準では、企業の体制などが基準に合致しているかを審査されます。また形式要件では、株主数や時価総額などが定量的に審査されます。

https://biz.moneyforward.com/ipo/basic/1376/
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■企業が上場するメリット
・資金調達力が向上する
多数の投資家がいる市場で株式を売買できるので、多額の資金を調達できます
・管理体制が強化・充実する
証券取引所の審査に通るために、適切な財務報告をする内部統制、株主総会や取締役会の運営や予実体制が行われます

■企業が上場するデメリット
・上場するにはコストがかかる
上場する準備や上場を維持するための費用がかかります。
・株主への対応・対策が必要になる
経営方針などに寄せられた株主の意見に対応することが求められます
・買収されるリスクや買収対策コストが生じる
誰でも株式を買えるので経営権を奪う目的で仕掛けられる「敵対的買収」を防ぐ必要があります

②TOKYO PRO Market(TPM)とは

TOKYO PRO Marketとは、「TPM」「プロマーケット」と呼ばれている、東京証券取引所(東証)が運営する株式市場の1つで、2009年に開設されました。大きな特徴は、“プロ向け”の株式市場であること。
プライム・スタンダード・グロースのような一般市場の場合は、個人でも法人(企業)でも、誰もが投資家として自由に市場に参加する(株を買う)ことができますが、TOKYO PRO Marketは、参加する(株を買う)ことができる投資家を、株式投資の知識や経験が豊富なプロ投資家(=特定投資家)に限定しています。
プロ投資家しか参加できないようにすることで、多くの人々が参加する一般市場よりも柔軟な上場基準(制度設計)が可能となっており、幅広い企業の皆さまにご活用いただいています。

https://www.nihon-ma.co.jp/tokyopromarket/about.html

③上場と非上場の違いとは?企業の非上場化が増えている背景

上場と非上場の違い

・資金調達の選択肢
上場企業は取引市場で株式を売却し、直接金融による資金調達が可能になります。
非上場企業でも投資家からの資金調達は可能ですが、非上場企業の株式は市場で売買できないため、出資を募るのは現実的には難しいです。
多くの場合、非上場企業の資金調達は、金融機関からの融資を中心に考えざるを得ません。
上場企業であれば、融資以外にも市場から幅広く資金を調達することが可能。ただし株式市場からの資金調達は、融資のような間接金融と比べると調達コストが上がります。したがって、株価をある程度以上の水準に保っておかなければ、市場からの新たな資金調達は望めません。

・情報開示と透明性
基本的に株式の持株比率によって、株主として行使できる権利の内容が変わります。
非上場企業では、株主が経営者とその一族で占められているケースが多くあり、主要な株主グループに属していれば、株主の意見が通りやすいといえます。いっぽう、上場企業の株主は幅広く不特定多数であることがほとんどのため、非上場企業のように特定の株主の意見が通りやすいという事は原則ありません。
また非上場企業の場合は、主要な株主グループ以外の株主に対し、情報開示や経営の透明性が確保されるケースは多くありません。
一方、上場企業では、多くの株主に対し情報開示を行い高い透明性を確保することや、株主など利害関係者に説明責任を果たすことが求められます。

・経営の自由度と意思決定
非上場企業はオーナー経営者である場合が多いため、経営者の意思が会社経営にダイレクトに反映しやすいといえます。
これに対し上場企業の場合は、不特定多数の株主によるさまざまな意見に耳を傾ける必要があり、株主に配慮しながら経営方針を決めなければなりません。したがって、経営の自由度や意思決定のスピードにおいて異なると言えます。

・株主への利益還元
経営者は株主から経営を任せられているため、株主の利益を最大化するために業務を執行しなければなりません。この点は、上場企業も非上場企業も基本的に同じですが、上場企業の場合は所有と経営の分離が成立しているのに対し、非上場企業の場合はオーナー経営者であるケースが多いため、必ずしも所有と経営の分離が成立しているとはいえません。

したがって、上場企業には株主への利益還元に重点を置きながら企業経営を行うことが求められます。
もちろん、株主だけでなく従業員にも利益を還元しなければならないだけに経営が難しいと言えます。

非上場化が増えている背景

①新たな資金調達が難しい、上場維持の費用もかかる
上場を維持するメリットのひとつとして、資金調達に有利な点が挙げられます。しかし、株価が思うような価格で維持できなければ、新株を発行して市場から新たに資金を調達するのも難しくなってしまいます。

また株式市場に上場し、それを維持し続けて行くためには高額な費用が必要です。上場維持費はどの市場に上場するかによって違いますが、おおむね年間で数千万円単位の金額が必要だといわれており、会社の規模によっては年間1億円以上かかることも珍しくありません。
そのため、高額な維持費を支払い続けるメリットが得られないと感じる企業の中には、非上場企業に戻る選択をする企業もいます。

②意思決定の円滑化や事業承継
上場企業は不特定多数の株主から意見を伺う必要があり、最終的な意思決定までに時間を要する傾向があります。一方、非上場企業は上場企業に比べ、経営陣によるスピーディーな意思決定が期待できます。
また事業承継を円滑に行うためには、後継者に株式を集中させなければなりません。しかし上場を維持すると不特定多数が株主となるため、後継者に株式を集中させることはできません。

④MBOとは

MBO(Management Buyout)とは、企業の経営陣が自社株を買い取り、既存株主から経営権を取得する行為を指します。
主な目的としては、経営体制の見直しや上場廃止などが挙げられます。また、中小企業では後継者への事業承継を目的に、MBOを通じて経営権を集約するケースもあります。

MBOは高額な買収資金を調達する必要があるため、その後の財務面でのリスクも伴います。また、既存株主と利害が対立するケースも考えられます。そのため、MBOを進める際には、資金調達や将来的な経営計画などを慎重に考慮する必要があります。

MBOによる上場廃止が増えている背景

東京証券取引所の市場再編に伴い、上場基準が厳しくなり、企業の資本収益性が注目されています。
全上場企業の約半数がPBR1倍割れという状況の中、株式の非公開化による経営再建が企業経営の選択肢になっていること、また、アクティビスト(物言う株主)や社外取締役の増加などの外的要因も、非公開化を目指す企業の増加要因に挙げられます。

MBOと他のスキーム(手法)

TOB(Takeover Bid:テイクオーバービット)
MBOと混同されやすいのがTOB(株式の公開買い付け)です。
MBOとTOBの違いは株式を買い付ける主体です。MBOは経営陣ですが、TOBは外部の第三者です。また、TOBでは経営権の交代が起こります。

MBI(Management Buy In:マネジメント・バイイン)
外部から経営陣を招聘する際に使われる手法です。内部から外部の経営陣に経営権を渡すため、株式の買い付けを行います。通常、投資家主導で行われ、MBOと異なり経営の専門家に経営権を交代させることが通常です。

MEBO(Management Employee Buyout:マネジメント・アンド・エンプロイ・バイアウト)
経営陣と、従業員が協調してEBOを行うことを指します。MBOのみ、EBOのみでは資金が足りないなどの背景があり、労使が協調して出資をしながら行うものです。

EBO(Employee Buyout:エンプロイー・バイアウト)
マネジメントバイアウトを従業員の主導で行うことです。外部の買収に対抗し、後継者として優秀な従業員に会社の経営を任せ、意図的に行います。ここでもMBOと異なり、経営陣の交代が想定されます。上場企業では、2020年にユニゾホールディングスが初めてEBOを行ったことで注目されました

LBO(Leveraged Buyout:レバレッジド・バイアウト)
買収資金を調達するために、買い手が売り手の資産などを担保に、金融機関等から融資を受けて資金調達をする手法です。自己資金が限られていてもM&Aに取り組むことができます。

⑤「PBR1倍割れ」とは

2023年3月、東京証券取引所(東証)から「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」が発表され、上場企業の多くで「PBR1倍割れ」が起きていること、資本収益性や成長性の観点で課題があることなどが指摘されました。

東証が上場企業に対してこのような積極的な要請を行うのは異例として、大きな話題となりました。
そして、東証が指摘したさまざまな課題のなかでも、特に注目を集めているのが「PBR1倍割れ」問題です。

「PBR」とは
PBR(Price Book-value Ratio)は 株価純資産倍率 とも呼ばれ、企業の株価と純資産の比率を指す指標です。
株価をBPS(Book-value Per Share)で割ることで算出することができます。
BPSは純資産を発行済み株式数で割った「一株当たり純資産」を指します。

https://www.nihon-ma.co.jp/columns/2023/x20231120/

「PBR1倍割れ」は何が問題なのか

「PBRが1倍を上回る」ということは、企業の資産が付加価値を生んでいる状態と言えます。
一方、「PBRが1を割る・下回る」ということは、理論上は株式価値よりも解散価値の方が高い、今後事業継続して得られる価値よりも、会社が解散した場合に株主に分配される金額が高いと評価されてしまっているということになります。
つまり、現状では今後の成長に対して市場の評価・期待が低いことの表れとも言えます。

PBR1倍割れが問題となっている背景

東証は世界における東証の国際競争力を高め、海外投資家を呼び込むため、2022年4月の市場区分の再編をはじめ、さまざまな改革に取り組んできました。
各市場の上場基準・上場維持基準等を見直し、市場の移行を進めました。
上場企業に対しては、持続的な成長と企業価値向上のための取り組みや、投資家との対話を促しています。

「PBR1倍割れ」の指摘・改善要請も、そうした東証改革の流れの一環と考えることができます。
東証は、対象企業に対して、改善の方針を示すこと、そして進捗を開示することも求めています。

「PBR1倍割れ」解消へ 対策・改善策

・成長投資
・株主還元策(自社株買いなど)
・サステナビリティ対応
・人的資本投資
・事業ポートフォリオ見直し
・政策保有株(株式持ち合い)の縮減
・ガバナンス向上
・IRの強化


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