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無理しちゃダメ!採血・注射されるのが苦手で倒れそうな人が会場で伝えるべきこと

採血会場で「血を見ると倒れそうです……」という方は一定割合います。血を見ると倒れるって体質なの?何とか治せないの?と思っているかたも

いらっしゃると思います。

この記事では、血液を見て倒れる仕組みや、

血液や注射などの痛みが苦手な人が、健診会場でできることをお伝えします。


血液を見ると倒れるまでの流れ

採血で血液を見て倒れるのは、血管迷走神経反射です。

血液を見てしまったことで起こる強い緊張、針を刺された疼痛などにより、副交感神経が優位になります。精神的なショックが自律神経に働きかけるのです。

このため、血圧が低下し、一時的に脳の血流が減少し、意識消失や立っていられないなどの症状が現れます。


なぜ倒れる人がいるのか

血管迷走神経反射を起こす人は、もとが繊細な性格の方などが多く、先天的な体質です。なる人はずっとなりますし、ならない人はならない。体質なので、努力で治そうなどとしなくてよいのです。

私たち看護師は、働き始めた頃、「やせ型の若い人が倒れやすいから注意しなさい」と先輩から教わりましたが、最近は年代や体型は関係なく倒れます。ストレス社会だからでしょうか。

もともとの体質に加え、睡眠不足・疲労・ストレス、慣れない会場であったことも血管迷走神経反射を起こしやすくする一因となります。

医療現場で倒れた事例

私が経験した患者さんが倒れる事例は以下のとおり。

・巻き爪の処置をしている最中で、麻酔の効きが不十分で、途中で痛みが強くなり、患者さんが横に倒れた。
・「採血で倒れたことはありません」と言っていたのに、採血終了後に座った状態から前に倒れ、机に頭をぶつけそうになった。
・レントゲン室で医師とともに骨折の徒手整復をしている途中に、痛みのため意識がなくなり、倒れた。


緊張状態であれば、血管迷走神経反射は起こりうるってことです。採血会場でも起きますし、ワクチン接種会場でも起きました。でも、看護師が一定時間観察して時間がたてば全員が回復します。

過去に採血後に気分が悪くなった経験があったら

「私は採血や注射で気分が悪くなったことがあります」と会場スタッフにはっきり伝えてください。

初めから寝て(ベット上の臥床で)採血します。そのためのベットも用意していますからね。恥ずかしがる人も多いのですが、恥ずかしさよりも安全第一です。採血に行っただけなのに、その時倒れて頭に瘤ができたなど2次被害が出てはいけません。注射後に気分が悪くなる方は、その後に観察する場所を、スタッフの近くに確保します。

医療処置や縫合の時も同じです。「痛みに弱くて倒れたことあります」、などの情報は自分の安全のために、ぜひ医療者側に伝えてほしいものです。



参考サイト:厚生労働省

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