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#イベントレポート「最新事例で解説!なぜタクシー広告は事業成長に効果的なのか?」

「NIKKEISHA STARTUP TABLE」では、スタートアップの「1→100」のために、成長期に直面するさまざまな悩みや課題に応えるべく、“社会との対話“の機会を提供しています。

企業にとって、マーケティングは事業を成長させるための重要なファクターです。特に新しい商品やサービスを提供するスタートアップにおいては、顧客への認知や好意の形成はもちろんのこと、社会に向けた適切な情報発信も求められます。一方でその選択肢は多岐に渡っており、自社事業と相性の良い施策を選択できないままにスタートしてしまう企業も少なくありません。それぞれの選択肢の特長をよく知ることが、正しい選択のためには必要です。

先日、「最新事例で解説!なぜタクシー広告は事業成長に効果的なのか?」と題して、タクシーと連携したモビリティメディア「THE TOKYO TAXI VISION GROWTH」を提供する株式会社ニューステクノロジーの三浦純揮氏に、販路拡大を実現するマーケティングの考え方からタクシーサイネージの活用方法までお話しいただきました。その講座から、ポイントを少しだけご紹介します。

■コロナ禍で明らかになるBtoBマーケティングの課題

ウェビナーでは、三浦さんから今のBtoBマーケティングの状況からお話ししていただきました。

三浦様_プロフィール写真

今、皆さんがタクシーに乗られると、後部座席に映像モニターがあると思います。私たちは、そのモニターに映すモビリティメディア「GROWTH」という媒体を運営しており、東京都内のおよそ12,500台に動画を配信しています。現在は都内のタクシーに対して半分ほどのシェアを有しています。タクシーの配車アプリも、「S.RIDE」と「DiDi」といった2つのアプリとパートナーシップを組んでいますので、それらのユーザーと接触できることも「GROWTH」の1つの特長です。

私たちの「GROWTH」という媒体名も、「成長」や「加速」という意味を持たせています。私たちの媒体をご活用いただくことで、企業の事業成長を加速させるサポートが出来ればという想いから名付けました。スタートアップ企業で言うところの「グロース」と同様の意味を持った媒体です。

本日は、タクシー広告を活用したBtoB事業の「成長」についてお話いたします。

タクシーはやはり経営者や会社員の方がよくご利用されるので、BtoBサービスに効果的な媒体として、ここ2年ほど多くの企業にご活用いただいています。これまで広告媒体としてご利用いただいた企業の内、だいたい65%がBtoB事業の企業です。

BtoBマーケティングには、さまざまな方法があります。しかし、このコロナ禍の状況下になり、どのような方法を行ったらよいのか悩まれている企業も多いのではないでしょうか。

コロナ禍による影響として、最も大きなところでは、対面でのマーケティング機会の損失が挙げられます。私たちもオンラインでセミナー等を行っているのですが、本当に聞いてくれているのか、ちゃんと情報が伝わっているのか、不安な気持ちになることがあります。セールスの場でも一緒だと思いますが、感覚が掴めないので、売り込んでいるものや説明しているものが相手にどう響いているのか見えづらくなっています。また、大型のカンファレンスや展示会等が少なくなってきているため、BtoBビジネスを行う企業からは、そもそもリード獲得がしづらいという悩みもよく聞かれます。

つまり、認知してもらう機会がどんどん少なくなっているのです。

その結果、全体的にマーケティング効率が低下しているのではないかと思います。実際、私たちがこの一年でよく相談いただいたことは、デジタルマーケティングにおける効果の低下についてでした。リスティング広告やSEO、刈り取り系の施策だけを行っていると、獲得単価は抑えられますが、そもそもの流入数や獲得数が伸び悩んできます。

これまでのBtoBマーケティングは、知名度がなくても営業的に売り上げをあげる方法だったり、知るべき人に知ってもらうことが出来たらそもそも認知施策も要らなかったりするケースもあったと思います。しかし、結局知ってもらう機会が無くなってくると認知が形成できていないので、例えばリスティング広告を行うにしても中立的なキーワードでしか戦えません。なぜなら、自分達の企業名やサービス名を誰も検索してくれないからです。

また、問合せは一定数担保できているが、競合コンペになると勝てないとか、導入率が上がらないといったこともよく相談されます。コロナ禍で働き方が大きく変わり、給料計算や人事評価システムなど、経営者の方々が改革を検討しなければいけないことがたくさんある中で、BtoB企業が提供されているソリューションへの活用の幅は拡がっており、世の中の状況的には追い風であるにも関わらず、なぜか導入率が上がらないとか決定率が上がらないとか、そのような話をよく聞きます。

外に大きく広げていくためには、知ってもらうことが非常に重要です。

■BtoBマーケティングにおける「第一想起」の重要性

重要なことは、誰に認知してもらうかです。

一つは、現場の実行責任者に認知されること。例えば人事部門のマネージャーのような人です。もう一つは、その責任者の上司。いわゆる最終的な決裁者と呼ばれる人のことです。

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こちらは、タクシーの乗客におけるビジネス上の意思決定層の割合です。2019年と比べて、2年経った2021年は割合が高くなっています。コロナ禍になった後の全体的な傾向としては、「ちょい乗り需要」は減ったのですが、長く乗車する人の割合は実はほとんど変わっていません。その代わり、経営者層など意思決定層の割合が増えるといった現象が起きています。


タクシー広告は、「現場の実行責任者」と「責任者の上司(決裁者)」の両方に対して、「第一想起(認知)の獲得」に繋げられるということが大きなポイントです。

「第一想起」とは、サービスや市場において“○○○といえば、○○○”という認識のことです。例えば、“名刺管理サービスといえば、×××”“人事労務管理サービスといえば、△△△”“請求書自動発行サービスといえば、□□□”といったものです。

なぜ両者への「第一想起」獲得を図ることで事業が加速していくのか、企業の購買と意思決定のプロセスをもとにご説明します。

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購買プロセスは、「社内の課題認知」を最初の起点としてスタートします。例えば、リモートワークが進んだことで評価システムを考え直さなければいけない、のような課題意識です。「課題認知」の後は、「課題形成」となります。リモートワークに合わせた評価制度を導入しましょうとか、評価システムを導入しましょうというものです。その後に「情報収集」、そして「商談設定」へと続いていきます。課題の解決策を知るところへ話を聞きに行ったり来社いただいたり、最近だとオンラインで情報収集をしていきます。その後、「コンペ」となります。企業の購買ですので、最終決定者の社長や実質的なオーナーの方であれば一人で決められるかもしれませんが、なかなかそうした場面は少なく、「コンペ」や「評価・決定」が検討段階で入ってくると思います。A社からD社へ情報収集を行い、その結果、コンペにはA社とB社に出ていただきましょうとなり、提案されたプランに対して社内で評価を行い、最終的に決定するという流れです。

ここで意識していただきたいのは、現場の実行責任者の担当領域は「課題形成」を中心として「コンペ」の実施までを担っているということ。「購入・導入」までは関わっておらず、商談を設定してコンペへの参加を依頼する企業の選出までで、その後の「評価・意思決定」「購入・導入」については、意思決定者が大きく関わります。

先ほど、タクシー広告は「現場の実行責任者」と「意思決定者」両方の「第一想起」につながるとお話ししました。第一想起をとることで、この意思決定プロセスの過程でいくつか起こることがあります。

1.検索クエリUP、新規リード数増加
現場の実行責任者がタクシーでC社という情報を見たので、「C社」と検索して、WEB上から資料を取り寄せたり商談設定を依頼したりすることが起きます。実際に検索のクエリが上がったりリード件数が増えたりします。

2.稟議通過率のUP
例えば、皆さんが最終的な意思決定者として、A社とC社どちらが良いですか?と判断を求められる場面があったとします。見積りにも大きな違いは無くて、機能的にもそこまで多くの差分が無かった場合、おそらく自分自身が知っている方を選ぶと思います。
誰しも何かを購入するとき、全く知らないものを買うことはなかなか無いと思います。購入や導入をする際に、認知していることでの安心感や信頼感というのが結局あります。見たことがあるや自分が何かしら他で体験したことがあるものを選びがちです。

3.情報接触の意思決定者からの直接発注
タクシー広告でよくあるのですが、意思決定プロセスのいくつかの壁を飛ばして、ダイレクトに意思決定者から発注が来るということが結構起きます。うちの役員の人がタクシーで商品を見て導入したいと言っているので商談設定させてください、といった問い合わせが直接的に来るということもよくあります。

4.情報収集時の効果
例えば現場の実行責任者の方から「コンペに出ていただくのはA社・B社・C社の3社にしましょう」と話が出た時に、「いや、タクシーで見たあのD社も入れてよ」という意見が出て、相見積への参加や比較検討率が上がるということもまた、よく起きることの1つです。まさに“○○○といえば、○○○”という認知が刷り込まれた状態だからこその効果です。

5.アポ率の向上によるリード増加
また、タクシー広告を実施されている期間の中で、アウトバウンドコールを並行して実施されていた場合、単純にアポ率が上がるといった効果もあります。

まとめると、“○○○といえば、○○○”という「第一想起」を獲得することによって、「① ブランド指名のキーワードが伸びる」「② LP内の新規流入数が増加し、CVRが改善する」「③ 結果新規のリード数が増加」「④ 確実に比較検討される候補となる」ということがポイントです。

また、意思決定者へクリエイティブが浸透することで、「① 経営層から直接発注がくる」「② 稟議の通過率が上がる」ということもよく起きることです。

■「第一想起」効果を獲得するための投資の考え方

第一想起を獲得するために、どのくらいの期間でどのくらいの予算が必要なのか、というお問合せをよくいただきます。それをお話する際には、「資産」として考えることが必要だと私たちは考えています。広告を出稿した期間(例えば3ヶ月間)だけで考えるのではなく、広告掲載期間の終了後にもある「残存効果」を考慮して、長期間で評価することが重要です。

私自身も営業させていただいている中で起こることなのですが、「GROWTHで放映している○○○っていうサービスみたいなCMが作りたいです」や「あそこの企業が出稿しているCM枠に出稿したいです」といったお問い合わせをいただいた時、実はそのCMが放映されていたのは2年前だったということがよくあります。

まさにこれが「残存効果」です。CMを放映していたのは3ヶ月間だとしても、その後も(徐々に減ってはいくものの)しばらく記憶に残っている人たちがいます。

特にBtoBの領域では、衝動的に購入に至ることはほぼ存在しないと思います。そのため、長いスパンでみて、課題の認知や形成がされたときに「第一想起」していてもらうことは非常に重要です。タクシー広告の「残存効果」はそこに大きな効力を発揮します。

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「認知資産」は、一定のメッセージを継続して発信していくことで、どんどん積みあがって大きくなっていきます。よくご提案するのは、1年間で26週間(2週に1回)の放映です。いくつか調査も行っているのですが、だいたい2週間に1回の放映によって、(もちろんカテゴリーや競合環境にもよるため一概には言えませんが)認知が資産化していくものとお伝えしています。

26週間、ECONOMY VIEWという枠で放映した場合、6,500万円ほどの費用となります。但し、認知されている期間を24ヶ月間として減価償却の視点で考えると、月に270万円くらいの費用です。キャッシュアウトの話ではないのであくまでPLの話のように言ってしまいますが、月に270万円くらいのコストで、24ヶ月間もの間、ある特定のカテゴリーの中で第一想起を獲得できるということが一番のポイントです。

タクシー広告は、費用的にも期間的にも、ある程度の体力を持った企業でないと難しい媒体かもしれません。しかし、あるカテゴリーの中での第一想起をとることでトップランカーを狙うことが可能です。特に、コロナ禍以後、オンライン営業だけでは問い合わせ件数や営業アポ数が伸び悩み、ジリ貧になってしまっているとお悩みの企業では、BtoBマーケティングにおける停滞打破のための突破口になるのではないでしょうか。


さらに詳しい話を知りたいという場合は、下記よりご連絡ください。
https://www.nks.co.jp/inquiry/



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