見出し画像

明日から使える!ビジネスを成功に導く社外プレゼンの極意

「NIKKEISHA STARTUP TABLE」では、「挑戦」と「変化」を目指す企業の「1→100」のために、成長期に直面するさまざまな悩みや課題に応えるべく、“社会との対話“の機会を提供しています。

ビジネスの現場で最もよく使われるコミュニケーション手段、「プレゼンテーション」。商品・サービスの紹介、コンペや発表会、業務提携の提案等、ビジネスにおいて必要不可欠なスキルであることは言うまでもありません。しかしながら、伝えたいことがうまく伝わらない、質疑応答で頭が真っ白になるなどの経験から、苦手意識を持つビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。

ビジネスの勝率を高めるためにどのようなプレゼンテーションが大事なのか。一般社団法人プレゼンテーション協会の代表理事である前田鎌利氏に過去お話しいただいた講座から、ポイントを少しだけご紹介します。

オンライン・プレゼンテーションは伝わりにくい

2020年以降、働き方は大きく変化。企業向けのアンケートでは、コロナ禍の収束後もリモートワークを続けたいと78.6%の企業が回答するなど、オンラインがビジネスのベースとなることがわかる。しかしながら、オンラインプレゼンでは話者から聞き手の顔や反応がわからないことが難点だ。話し手が一方的に話す間は、聞き手からカットインしづらいし、隣席同士での感想の共有もできない。それでも限られた時間・回数で伝え、伝えた内容を意思決定してもらわなければならないため、「伝わるメカニズム」を理解すべきだ。

「伝わるメカニズム」は4つのプロセスからなる。
①限られた時間で伝えたいことを絞り明確にする。
②伝えて終わらず、相手に理解してもらう。
③そして「納得」も大事。納得しなければ意思決定できないし、
 意思決定がなければ、相手の行動喚起・変容にもつながらない。
④その結果行動してくれて、やっと自分に返ってきて自走する、
 これを繰り返すうちに相手に伝わる。

アポイントが30分として、説明に20分かけて、残り10分の質疑応答では
理解しきれず、「検討します」で終わるとコンバージョンが上がらない。
相手が知りたいことを伝えて納得感が得られるような質疑応答の準備が大事だ。

プレゼンテーションとは、「相手がどうしたら行動変容してくれるか」というもの。社内プレゼン・社外プレゼンは別物だ。社内の場合は、客観的根拠やデータで、ロジカルに相手を説得できる。エビデンスに基づいて意思決定をしたいから、感情を動かす必要はない。しかしながら、社外の場合はあくまで他人に対して説明するので、興味関心を持ってもらい、自分ごとにしてもらうことが大事。では、どうやったら相手の感情を動かせるか?をここから説明していきたい。

聞き手の感情を動かす社外プレゼン資料

プレゼン資料を作る際、パーツは大きく4つに分かれる。
1.イントロダクション(課題=共感)
2.ボディ(本体=納得・決断)
3.エンディング(念い・理念)
4.アペンディックス(別添資料)

構成は、はじめに課題解決型をとる。
課題(こんな課題がある)
→原因(なぜそれが発生しているのか?原因はこう)
→解決策(だから、この解決策をとりましょう)
→効果(そうするとこういう未来が待っています)

これに加えて、感情の動きをこちらでデザインする。
共感(そうそう、それが問題なんだよ)
→信頼(この人の話は聞くに値しそうだ)
→納得(それならたしかに問題が解決しそうだ)
→決断(よし、やってみよう)

この2段構造をとることで、話が通りやすくなる。

さらに、重要な要素が3つある。
①サービスの機能(特徴)
②メリット(効用):「これを使用するとこんな効果がある」
③未来像:イメージが具体的に湧くほど、納得感を生ませやすいので、伝え方が大事。

聞き手の感情を動かすテクニック「つかみ」

つかみとは、興味を持たせて自分ごとにさせるテクニックの一つ。
ここでは、4つの方法を具体例とともにご紹介する。

【1.質問】
「小学生の時に書道を習っていた人、手を挙げてください、ありがとうございます、習ってなかった人、手上げてください」
クローズドクエスチョンは必ず手を上げてくれます。質問をして、自分ごとにさせてみる。

【2.データ】
「親世代の38.4%が通っていた習い事はなんでしょうか。他に比べて10%以上大きく、約4割近くの人が習っていた。それはお習字です。」データから意外性を見てもらう。驚いて、「その後の話も聞いてみたい」と興味関心を示してくれるような数字を提示します。

【3.エピソード】
「僕は小学校2年生の時に、『お前字汚いな』と言われました。僕は5歳からずっと習字をやっていて、自分の字は綺麗だと思っていたので、『この人は何かを見て汚いって思ったんだ?でも、一般的な綺麗とこの人が思う綺麗って、どこが境界線なんだろう?』と相手のジャッジの境界線に興味を持ち、色々と知見を増やしていきました。
ビジネスシーンでも同じです。似たような商品サービスのどちらを採用するか?という時、何かしらの境界線があるはずです。コストなのか、スペックなのか、境界線を見極める。私も幼い時、こういうことから境界線を見極めました。」
というお話をすると、自然に「御社の境界線はどこですか?」と聞き出しやすくなる。こういったマイストーリーを1個持っているだけでも、違ってきます。

【4.問題提起・宣言】
何か宣言すると、「なんで?」と気になりませんか。
僕は書家ですから、「皆さんに今日お願いが1個あります。明日から、手紙は毛筆以外で書かないでください!」と言うと、「なんで?」と疑問に思う。このために、何かしらか宣言をするとか、問題提供するっていうのもお伝えの仕方の1つ。

どれか1個使えば、必ず相手の方は、自分ごとにして聞いてくれる。どんなお話をするか1個ずつ決めておくだけでも違う。準備してみてください。

よくある疑問

相手によってプレゼンを変えた方がいいか?
ターゲットが変われば伝え方、資料のピックアップの仕方も変わるのが当然。例えば、営業に行く際、紙のカタログを未だに使っている会社と、もうすでにデジタル化している会社では、同じサービスを提供するのでも伝え方が違う。小学校でのプレゼンの授業と、社会人向けの講座では、お伝えするメソッドは一緒でも全然違う。

相手(ターゲット)の納得感を得る良い方法はあるか?
コンサルティングプレゼンテーションがおすすめ。
ミニホワイトボードなどの書出すためのツールを用いて、実際に相手が言ったことと自分たちのできることやサービスをセットで書き出していくことで、相手も信頼感が芽生えやすくなる。

営業のプレゼンの初回から次の提案で、注意することはあるか?
長時間のプレゼン1回よりも、短時間の商談を複数回繰り返す方が相手からの信頼が勝ち取りやすい。また、返報性の法則が働き、相手からのレスポンスも来やすくなる。プレゼン3分→質疑応答10分→残り2分で意思決定(ネクストステップの確認)。質疑応答の時に、自分たちが次に何を提供できるかを聞きながら、次回の予定を立てる。次回、「前回いただいた課題について」とお話ができると、ハマりやすい。

どれぐらいのタイムラグで相手にリーチしたらいいか?
最近の1万人調査でも出ているが、クライアント側では、約8割は2日以内に、遅くても2日程度で返答が欲しいとのこと。クイックなレスポンスが大事。相手の疑問点・課題感をヒアリングする時間をなるべく長く取り、相手に対して対応策を示す材料を色々とキャッチアップした方が、次回のプレゼンがよくなる。

「プレゼン」は念いを伝えるためのツール

社内プレゼン・社外プレゼン同様に、プレゼンテーションは皆さんの念いを伝えるためのツール。この「念い」は、漢字を分けると「今の心」、「今、自分が大切にしている強い気持ち」という意味になる。信念とか念願がしっかり込められていなければ、クライアントにも刺さらない。 プレゼンテーションは念いを伝えるものなので、皆さんの未来を実現させるために、そのツールを使いこなしていただきたい。前田が言ったから明日から全部これに変える、というのは難しいが、「ここが使えそうだな」とチューニングして使ってみるところからぜひスタートしてみてほしい。皆さんの未来がぐっと手元に近づいてくるようになることを期待している。

書籍はこちら▼
www.amazon.co.jp/dp/4478115141

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?